YamahaのAG03MK2とAG03は、配信に必要な入出力とDSPを小型ボディにまとめたUSBミキサーです。どちらもCH1の60 mmフェーダー、ループバック、ワンタッチCOMP/EQとREVERB、ギターHi-Z対応など、配信で使いやすい要素がそろっています。最後まで読めば、どちらが自分の使い方に合うか判断しやすくなるはずです。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
6つの違い
AG03MK2は、AG03の後継機種です。AG03がAG03MK2のいわゆる型落ち機種に当たります。
発売年は次の通りです。
- AG03MK2:2022年4月発売
- AG03:2015年5月発売
2つの機種は、次の点が異なります。
- ミュートの働き:AG03MK2は本体の[MUTE]でCH1を配信側まで消せます(ただし後述の「DRY送出」時は例外)。AG03は[MONITOR MUTE]で手元だけ無音になります。
- スマホ接続:AG03MK2は4極TRRS(CTIA)のスマホ入出力を搭載。AG03はAUX入力+HEADSET端子で代替します。
- MIX MINUS:AG03MK2は「MIX MINUS MIC」を装備。通話・会議の回り込みを抑えられます。AG03にはありません。
- 端子と電源:AG03MK2はUSB-C×2(PC/5 V DC)。最大消費電力は4.5 W。AG03はUSB-B+Micro-Bで最大2.5 Wです。
- パッドとゲイン:AG03MK2はPADがCH1/CH2Gの2系統、さらにCH2/3側にHIGH/LOWゲイン切替。AG03はPADがCH1のみです。
- カラーと外形:AG03MK2は白/黒の2色、126×63×201 mm。AG03は白中心、129×63×202 mm。
色で統一感を出したい方や、スマホや通話アプリを取り込む配信が中心ならAG03MK2が良いでしょう。PCだけで完結するシンプルな配信、安価に入手したい場合はAG03も現役で使えます。
比較表
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | AG03MK2 | AG03 |
---|---|---|
発売年月 | 2022年4月 | 2015年5月 |
外観 | ![]() ![]() | ![]() |
ミュートの働き | 本体[MUTE]でCH1を配信含め消音(※DRY送出は除く) | MONITOR MUTEで手元だけ消音 |
スマホ接続 | 4極TRRSスマホI/O(CTIA) | AUX+HEADSETで代替 |
MIX MINUS | あり(MIC) | なし |
PAD/ゲイン | PAD×2(CH1/CH2G)、CH2/3にHIGH/LOW | PAD×1(CH1) |
端子・電源 | USB-C×2、最大4.5 W | USB-B+Micro-B、最大2.5 W |
フットスイッチ | REVERBまたはCH1 MUTEを割り当て可能 | REVERBミュートのみ |
STREAMING OUT | DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK | DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK |
カラー | 白/黒 | 主に白 |
参考価格 | ホワイト: ¥16,791〜(2025/08/30 21:08) ブラック: ¥37,620〜(2025/08/30 21:08) | ホワイト: ¥20,790〜(2025/08/30 21:08) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
ミュートの働き
AG03MK2は[MUTE]ボタンでCH1(マイク)をミックスから切り、通常は配信にも出ません。例外として、STREAMING OUTを「DRY CH1-2G」にしていると、送出はチャンネル直出しのため[MUTE]の影響を受けません。AG03は[MONITOR MUTE]で自分のヘッドホン/スピーカーだけを無音にし、配信音は流れます。
このため、AG03MK2はライブ中の咳や席外しに即応できます。録音向けに「DRY」でPCへ別チャンネル録りする場合は、本体[MUTE]ではなくソフト側やフットスイッチ設定でミュートすると確実です。AG03は物理的に配信を止められないので、配信アプリ側のミュート操作が前提になります。
- AG03MK2:配信停止がワンアクション(※DRY送出時を除く)
- AG03:手元の無音化のみ
MIX MINUS
AG03MK2の[MIX MINUS(MIC)]は、通話相手や会議アプリに自分の声が戻って二重に聞こえる現象を抑える機能です。オンにすると、CH1(+AG03MK2では2Gがギター設定のときのCH2)をヘッドホンやモニター系の戻りから除外します。ヘッドホンの“自声回り”が減るので、ボイスチャット併用配信やオンライン会議で使いやすくなります。AG03には搭載されていません。
通話の取り込みをする番組や、複数人の掛け合いがある配信で効果的です。ソロ配信中心なら常用は不要な場面も多いでしょう。
- 通話や会議混在の配信に有効
- ソロ配信中心ならオフで問題ないことが多い
スマホ接続(4極TRRSのポイント)
AG03MK2のスマホI/Oは4極TRRS(CTIA配列)です。スマホとは3.5 mm TRRSケーブル1本で双方向に接続できます。送出はモノラルで、スマホ側の音量はスマホ本体で調整します(ミキサー側のレベルつまみでは変わりません)。一方、AG03はAUX入力とHEADSET端子を組み合わせれば取り込み自体は可能ですが、双方向接続は配線や設定の工夫が必要です。
イヤホン端子のない端末はTRRS対応の変換アダプターが必要です。CTIA配列に対応したケーブル/アダプターを選ぶと安定します。
- AG03MK2:TRRS 1本でスマホ双方向(CTIA、モノラル送出)
- AG03:取り込み中心向け。返しは工夫が要る
端子と電源
AG03MK2はPC接続用USB-Cと「5 V DC IN」USB-Cの2口を装備し、電源要件は5 V 900 mA、最大消費4.5 Wです。スマホやタブレットを相手にする場合は外部給電(USBアダプターやモバイルバッテリー)が必要です。AG03はPC側USB-Bと5 V Micro-B給電で、必要電流は500 mA、最大消費2.5 Wです。
移動配信やUSB-C主体の配線に合わせやすいのはAG03MK2、既存のUSB-Bケーブルを使い回すならAG03が便利です。
- AG03MK2:5 V 900 mA目安。スマホ運用時は外部給電が基本
- AG03:5 V 500 mA。電力要件が軽い
パッドとゲインの自由度
AG03MK2はPADがCH1とCH2Gの両方にあり(各26 dB)、さらにCH2/3側にHIGH/LOWの感度切替スイッチがあります。出力の大きい楽器やライン機器をつないだときの余裕が広がりました。AG03はPADがCH1のみで、CH2側に感度切替はありません。
ボーカル+ギターの弾き語り、ゲーム機やキーボードの取り込みなど、入力源が増えるほどAG03MK2の調整幅が役立ちます。単一マイクだけなら体感差は小さいでしょう。
- 入力余裕はAG03MK2が広い
- 単一マイク中心ならどちらでも良い
フットスイッチ
AG03MK2の[FOOT SW]は、AG Controllerで「REVERBミュート」か「CH1ミュート」を割り当てできます。手を離さず咄嗟にミュートしたい配信で便利です。AG03の[FOOT SW]はエフェクト(REVERB)のミュートのみ対応です。
- AG03MK2:REVERBまたはCH1 MUTEを選択可
- AG03:REVERBミュートのみ
カラーと外形
AG03MK2は白/黒の2色、126×63×201 mm・0.8 kg。AG03は白中心、129×63×202 mm・0.8 kgです。設置感はほぼ同じで、色で机の雰囲気に合わせやすいのはAG03MK2です。
- 黒で統一したいならAG03MK2
- 白基調ならどちらでも良い
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- 本体ミュートの有無(配信まで切れるのはAG03MK2。DRY送出時は例外)
- スマホTRRSの双方向I/O(AG03MK2のみ)
- MIX MINUS(AG03MK2のみ)
- 端子/電源(AG03MK2はUSB-C×2、外部給電運用がしやすい)
- PADとゲインの自由度(AG03MK2が拡張)
- 色と外形(AG03MK2は白/黒、寸法わずかに小型)
配信で「咄嗟のミュート」「スマホ/通話の取り込み」「入力余裕」を重視する方はAG03MK2がおすすめです。PC完結の配信やナレーション録りなど、要件が決まっていて価格重視ならAG03も選択肢になります。どちらもワンタッチCOMP/EQとREVERB、ループバック、24-bit/192 kHz対応で音の基礎は同じなので、使い方に合わせて選ぶとよいでしょう。
AG03MK2
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AG03

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一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | AG03MK2 | AG03 |
---|---|---|
発売年月 | 2022年4月 | 2015年5月 |
外観 | ![]() ![]() | ![]() |
STREAMING OUT | DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK(送出はモノラル) | DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK(送出はモノラル) |
MUTEの影響範囲 | 配信まで切れる(DRY時を除く) | モニターのみ |
MIX MINUS | MIC対応 | なし |
スマホI/O | 4極TRRS(CTIA)双方向。スマホ音量は端末側で調整 | なし(AUX入力+HEADSETで代替) |
PAD/ゲイン | PAD×2(各26 dB)、CH2/3にHIGH/LOW | PAD×1(CH1のみ) |
フットスイッチ | REVERBミュート/CH1ミュートから選択 | REVERBミュート |
USB | USB 2.0、Type-C(PC) | USB 2.0、USB-B(PC) |
DC給電 | USB-C(5 V、推奨900 mA) 最大4.5 W | Micro-B(5 V 500 mA) 最大2.5 W |
オーディオ | 24-bit / 最大192 kHz | 24-bit / 最大192 kHz |
入力(CH1) | XLR/TRSコンボ、+48 V、PAD | XLR/TRSコンボ、+48 V、PAD |
入力(CH2/2G) | ギターHi-Z、PAD、HIGH/LOW切替 | ギターHi-Z |
入力(2/3) | ステレオLine | ステレオLine |
ヘッドセット | 3.5 mm MIC / 3.5 mm PHONES(同時使用不可) | 3.5 mm MIC / 3.5 mm PHONES(同時使用不可) |
ループバック | あり | あり |
参考価格 | ホワイト: ¥16,791〜(2025/08/30 21:08) ブラック: ¥37,620〜(2025/08/30 21:08) | ホワイト: ¥20,790〜(2025/08/30 21:08) |
まとめ
YamahaのAG03MK2とAG03は、コンパクトな筐体に配信向けの入出力とDSPを備えた定番ミキサーです。どちらも24-bit/192 kHz、ワンタッチCOMP/EQ・REVERB、ループバック対応で、配信の基本は同じです。
判断のポイントは、配信まで切れる本体ミュート(DRY例外あり)、スマホのTRRS入出力、MIX MINUS、そして電源・端子と入力余裕です。ここを見て選ぶとよいでしょう。
別売品
リバーブのオン/オフやCH1ミュートを足元で切り替えたい方:Yamaha FC5 フットスイッチ
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マイクスタンドに本体を固定したい方:Yamaha BMS-10A マイクスタンドアダプター
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参考文献
- AG03MK2 製品ページ/仕様
https://usa.yamaha.com/products/proaudio/live_streaming_gaming/ag/ag03mk2/index.html
https://usa.yamaha.com/products/proaudio/live_streaming_gaming/ag/ag03mk2/specs.html - AG03MK2/AG06MK2 ユーザーガイド(MUTE、MIX MINUS、STREAMING OUT、電源、TRRS仕様、PAD/ゲイン、FOOT SW)
https://jp.yamaha.com/files/download/other_assets/2/1549762/AG06mk2_user_guide_En_C0.pdf - AG03 取扱説明書(TO PCスイッチ、MONITOR MUTE、電源)
https://imagescdn.juno.co.uk/manual/561587-01U.pdf - AGシリーズ仕様(AG03の消費電力・電源要件)
https://uk.yamaha.com/en/audio/streaming-gaming/products/mixers/ag-series/specs.html - FAQ:MIX MINUS、MONITOR MUTE(挙動の補足)
https://usa.yamaha.com/products/proaudio/live_streaming_gaming/ag/ag03mk2/faq.html
https://faq.yamaha.com/usa/s/article/000026679
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