pdftkというアプリケーションを使用すると、pdfファイルにパスワードを設定することができます。
このアプリケーションは、linuxで長く使われてきたパワフルなツールです。
パスワードを設定する他にもpdfファイルから必要なページだけ抜き出したり、複数のpdfファイルを結合したり、圧縮したり、パスワードを解除したpdfファイルを作成したりもできます。
多機能な分、初心者にとって使いやすいとは言えませんが、一度覚えてしまうと手放せなくなります。
今回、このアプリケーションを使ってpdfファイルにパスワードを設定する方法を紹介します。
目次
インストール
Windows
pdftk-serverの公式ページで「Windows Download」のボタンを押してexeファイルをダウンロードします。(最近、CUI版は”pdftk-server”と呼ばれるようになりました。)
exeファイルを適当なフォルダに置いて、コマンドプロンプトから、pdftkと打てば実行できます。処理内容を指定せず、pdftkとだけ打った場合は、簡単なヘルプが出ます。
以下ではコンソール版の使い方を紹介しますが、Windows用には、GUI版がありますので初心者の方は、それを利用しても良いでしょう。
pdftkの公式ページへ行って、「Download PDFtk Free!」と書かれた緑ボタンを押すと、ダウンロードできます。
Mac (OS X El Capitan, macOS Sierra ~)
公式ページ上のファイルは古いバージョンなので、OS X 10.11 以降では動作しません。(動作しているように見えて、いつまでも処理が終わりません。)
次の最新のファイルを直接ダウンロードします。
https://www.pdflabs.com/tools/pdftk-the-pdf-toolkit/pdftk_server-2.02-mac_osx-10.11-setup.pkg
PDF Labsの中の人は、「公式ページもすぐに更新する」と、2015年10月にコメントしていますが、2年経っても更新されていませんね。
https://stackoverflow.com/questions/32505951/pdftk-server-on-os-x-10-11
実行すると、インストーラが起動しますので、それに従ってインストールします。
GNU/Linux
ディストリビューションに依存しますが、たいていyum install pdftkや、apt-get install pdftkでインストールできます。
パスワードの設定方法
開封時パスワード
コマンドプロンプト/ターミナルを開いて、次のコマンドを打ちます。
pdftk <入力ファイル名> output <出力ファイル名> user_pw <開封時パスワード>
暗号化はデフォルトで128bitで行われます。encrypt_40bitオプションを追加すると、40bitでの暗号化になります。
機能制限パスワード
開封ではなく、印刷や編集を制限する場合のパスワード(機能制限パスワード/権限パスワード)は、owner_pwで指定します。
pdftk <入力ファイル名> output <出力ファイル名> owner_pw <権限パスワード>
owner_pwだけ指定すると、パスワードなしで開封できますが、印刷や編集は次のように全て「許可しない」となります。
印刷だけ許可する場合は、
pdftk <入力ファイル名> output <出力ファイル名> owner_pw <権限パスワード> allow printing
と例外をallowの後に追加します。
両方のパスワード
開封時のパスワードと、機能制限のパスワードを両方設定することももちろんできます。次のようにします。
pdftk <入力ファイル名> output <出力ファイル名> owner_pw <権限パスワード> user_pw <開封時パスワード> allow printing
より詳しい使い方は、
pdftk --help
とすると表示されます。
まとめ
pdftkを使うと、無料でpdfファイルにパスワードを設定することができます。
コマンドプロンプトを使用するのが少し面倒かもしれませんが、コマンドプロンプトでは大量のファイルを一気に処理することも可能ですので、是非この機会に使い方を学んでみてくださいね。
以上、Acrobatを使わず無料のpdftkで、pdfファイルにパスワードを設定する方法!でした。