Yamaha AG03MK2とAG03の6つの違い [Yamaha 配信用ミキサー]

2025年8月30日

YamahaのAG03MK2とAG03は、配信に必要な入出力とDSPを小型ボディにまとめたUSBミキサーです。どちらもCH1の60 mmフェーダー、ループバック、ワンタッチCOMP/EQとREVERB、ギターHi-Z対応など、配信で使いやすい要素がそろっています。最後まで読めば、どちらが自分の使い方に合うか判断しやすくなるはずです。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。

6つの違い

AG03MK2は、AG03の後継機種です。AG03がAG03MK2のいわゆる型落ち機種に当たります。

発売年は次の通りです。

AG03MK2：2022年4月発売
AG03：2015年5月発売

２つの機種は、次の点が異なります。

ミュートの働き：AG03MK2は本体の[MUTE]でマイク(CH1)を配信側も含めて即時ミュート。AG03は[MONITOR MUTE]で手元モニターだけ消え、配信には乗ります。配信中の咄嗟のミュートが必要ならAG03MK2が安心です。
スマホ接続：AG03MK2は4極TRRSのスマホ入出力(4-pole mini I/O)を装備。AG03はAUX入力とHEADSET端子で代用はできるものの、スマホと双方向接続は工夫が要ります。スマホ配信・通話を取り込みやすいのはAG03MK2です。
MIX MINUS：AG03MK2は「MIX MINUS MIC」を搭載し、通話相手に自声が戻りにくい設定が可能。AG03にはありません。ボイスチャット併用の配信なら効果があります。
端子と電源：AG03MK2はUSB-C×2（PC接続用と5 V DC給電用）で最大消費電力4.5 W。AG03はUSB-B＋Micro-Bで5 V 500 mA／最大2.5 W。モバイル電源の要件が変わります。
パッドの数：AG03MK2はPADボタンが2系統。AG03はCH1側のみ。入力が大きい機材の歪み対策はAG03MK2のほうが柔軟です。
カラーと外形：AG03MK2は白・黒の2色、126×63×201 mm。AG03は白中心、129×63×202 mm。デスク色合わせや配置で選び分けができます。

色で統一感を出したい方や、スマホや通話アプリを取り込む配信が中心ならAG03MK2が良いでしょう。PCだけで完結するシンプルな配信、安価に入手したい場合はAG03も現役で使えます。

比較表

一覧表で比較すると次のようになります。

項目	AG03MK2	AG03
発売年月	2022年4月	2015年5月
外観
ミュートの働き	本体[MUTE]でCH1を配信含め消音	MONITOR MUTEで手元だけ消音
スマホ接続	4極TRRSスマホI/O（入出力）	AUX＋HEADSETで代替
MIX MINUS	あり（MIC）	なし
PAD	2系統	1系統
端子・電源	USB-C×2、最大4.5 W	USB-B＋Micro-B、最大2.5 W
カラー	白/黒	主に白
参考価格	ホワイト: ￥16,791〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo! ブラック: ￥37,620〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo!	ホワイト: ￥20,790〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo!

違いの詳細

違いについて詳しく見ていきましょう。

ミュートの働き

AG03MK2は本体の[MUTE]でCH1（マイク）をミックスから切り、配信にも出ません。AG03は[MONITOR MUTE]で手元のスピーカー/ヘッドホンだけを消音し、配信には出力されます。

[MUTE]は休憩やトラブル時に即断で音声を止められます。AG03の[MONITOR MUTE]は「自分にだけ返ってくる声を止める」用途です。配信音を止めたい場面ではソフト側ミュートが必要になります。配信中心の使い方なら、物理ミュートのあるAG03MK2が便利です。

AG03MK2は配信停止がワンアクション
AG03は手元の無音化に向く

スマホ接続

AG03MK2は4極TRRSのスマホ入出力（4-pole mini I/O）を搭載しています。1本のTRRSケーブルでスマホの音を取り込め、スマホ側へも返せます。AG03はAUX入力とHEADSET端子があり音の取り込みは可能ですが、スマホへ返すには分岐や設定の工夫がいります。スマホ主体の配信や通話アプリ連携が多い方はAG03MK2が使いやすいはずです。

TRRSの双方向はAG03MK2が簡単
AG03は取り込み中心なら問題ないでしょう

MIX MINUS

AG03MK2は「MIX MINUS MIC」を備えます。通話相手に自分の声が回り込みにくくなる設定で、会議アプリや通話を配信に混ぜるときに役立ちます。AG03には搭載されていません。ボイスチャット併用配信やオンライン会議の配信にはAG03MK2が向いています。

VCや会議の音回り対策に有効
ソロ配信だけなら気にしなくてOK

端子と電源

AG03MK2はUSB-Cを2口搭載（PC接続用/5 V DC給電用）。最大4.5 Wで、モバイル電源を使う際は1 A級の出力が目安です。AG03はPC接続がUSB-B、給電はMicro-Bで5 V 500 mA、最大2.5 Wです。モバイル環境やケーブルの流用可否で選ぶと良いでしょう。

モバイル給電の自由度はAG03MK2
既存のUSB-B環境があるならAG03

パッドの数

AG03MK2はPADが2系統で、大きい入力を下げやすくなりました。AG03はCH1側のみです。歪みやすい楽器をつなぐ場合、AG03MK2のほうが余裕があります。差は小さめですが、入力機器が多い方は気にしてよいポイントです。

入力余裕はAG03MK2
単一マイク中心ならどちらでも良いでしょう

カラーと外形

AG03MK2は白/黒の2色、126×63×201 mm。AG03は主に白、129×63×202 mmです。サイズ差はわずかで、設置感はほぼ同じです。デスクカラーで選ぶ程度の差と考えてよいでしょう。

黒で統一したいならAG03MK2
白基調ならどちらでも良いでしょう

参考：AMP SIMの扱い（誤解されやすい）

両機ともAMP SIMは搭載されていますが、本体でオン/オフはできません。操作は専用アプリ「AG Controller」で行います。正しくは両機とも本体ワンタッチはCOMP/EQとREVERBのみです。

参考：フットスイッチ

両機とも「FOOT SW」端子にYamaha FC5を接続すると、リバーブのミュートのオン/オフを足元で操作できます。ミキサー全体のミュート切替ではありません。

一覧表で詳細比較

主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。

項目	AG03MK2	AG03
発売年月	2022年4月	2015年5月
外観
USB	USB 2.0、Type-C（PC接続）	USB 2.0、USB-B（PC接続）
DC給電	USB-C（5 V、推奨1 A）最大4.5 W	Micro-B（5 V 500 mA）最大2.5 W
オーディオ	24-bit / 最大192 kHz	24-bit / 最大192 kHz
入力（CH1）	XLR/TRSコンボ、+48 V、PAD	XLR/TRSコンボ、+48 V、PAD
入力（CH2）	ギターHi-Z、PAD	ギターHi-Z
入力（2/3）	ステレオLine	ステレオLine
ヘッドセット	3.5 mm MIC / 3.5 mm PHONES（同時使用不可）	3.5 mm MIC / 3.5 mm PHONES（同時使用不可）
スマホI/O	4極TRRS入出力	なし
ループバック	あり	あり
STREAMING OUT	DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK	DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK
MIX MINUS	あり（MIC）	なし
ワンタッチ	COMP/EQ、REVERB	COMP/EQ、REVERB
AMP SIM	あり（アプリで操作）	あり（アプリで操作）
フットスイッチ	FC5対応（REVERBミュート）	FC5対応（REVERBミュート）
出力	MONITOR OUT（Phone/RCA）、PHONES	MONITOR OUT（Phone/RCA）、PHONES
サイズ・質量	126×63×201 mm・0.8 kg	129×63×202 mm・0.8 kg
付属	USBケーブル、Cubase AI、WaveLab Cast	USBケーブル、Cubase AI
参考価格	ホワイト: ￥16,791〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo! ブラック: ￥37,620〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo!	ホワイト: ￥20,790〜(2025/08/30 21:08) Amazon 楽天 Yahoo!