ヤマハのAG06MK2とAG06は、配信向けの小型ミキサー兼USBオーディオインターフェースです。どちらもD-PRE マイクプリアンプ、ループバック、192 kHz/24 bit 録音、エレキギター用のHi-Z対応などを備え、PCやタブレットと組み合わせて使いやすいモデルです。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
9つの違い
AG06MK2は、AG06の後継機種です。AG06がAG06MK2のいわゆる型落ちモデルに当たります。
発売日は次の通りです。
- AG06MK2:2022年4月20日
- AG06:2015年春
2つの機種は、次の点が異なります。
- ファンタム電源:AG06MK2 は CH1–2 に +48 V。AG06 は CH1 のみ。コンデンサーマイクを2本使う配信に良いでしょう。
- CH2 の端子:AG06MK2 は XLR/TRS コンボでマイク/ライン/Hi-Z。AG06 は 6.3 mm TRS でライン/Hi-Zのみ。ボーカル+ギターの同時録りで差が出ます。
- スマホ入出力:AG06MK2 は 4 極ミニ(TRRS)の入出力対応。AG06 はヘッドセット端子のみ。スマホ配信や通話アプリの入出力で使い勝手が違います。
- ミュート操作:AG06MK2 は本体に MUTE ボタン(1個)を追加。AG06 は本体にミュートなし。配信中の咳払い対策などに便利です。
- フットスイッチ:AG06MK2 は FC5 で「CH1ミュート or リバーブ」を切替操作可。AG06 はエフェクトのオン/オフのみ。手を離さずに操作しやすいです。
- ルーティング:AG06MK2 は「DRY CH1-2G / INPUT MIX / LOOPBACK」に加え「MIX MINUS MIC」。AG06 は DRY/INPUT MIX/LOOPBACK。通話アプリのハウリング対策に差が出ます。
- 電源/USB:AG06MK2 は USB Type-C、DC 5 V 900 mA。AG06 は USB-B、DC IN 5 V(micro-USB)500 mA。モバイルバッテリー使用の安定度で差が出ます。
- カラー:AG06MK2 は黒・白。AG06 は白のみ。デスク環境に合わせやすいです。
- サイズ/質量:AG06MK2 は 152 × 63 × 201 mm・0.9 kg。AG06 は 155 × 63 × 202 mm・1.0 kg。わずかに小型軽量です。
配信でコンデンサーマイクを2本使う、スマホも並行して扱う、足元操作が欲しい方はAG06MK2がおすすめです。ギター弾き語り1本やPC配信中心で費用を抑えるならAG06も選択肢に入ります。
比較表
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | AG06MK2 | AG06 |
---|---|---|
発売年月 | 2022年4月 | 2015年春 |
外観 | ![]() ![]() | ![]() |
ファンタム電源 | CH1–2 に +48 V | CH1 のみ |
CH2 端子 | XLR/TRS コンボ(Mic/Line/Hi-Z) | 6.3 mm TRS(Line/Hi-Z) |
スマホ I/O | 4 極ミニ 入出力 対応 | ヘッドセット端子のみ |
MUTE(本体) | MUTE ボタン×1 | なし |
フットスイッチ(FC5) | CH1 MUTE/REVERB を割当可 | EFFECT のオン/オフ |
STREAMING OUT | DRY / INPUT MIX / LOOPBACK / MIX MINUS MIC | DRY / INPUT MIX / LOOPBACK |
USB/電源 | USB-C、DC 5 V 900 mA | USB-B、DC IN 5 V(micro-USB)500 mA |
カラー | ブラック/ホワイト | ホワイト |
寸法・質量 | 152 × 63 × 201 mm・0.9 kg | 155 × 63 × 202 mm・1.0 kg |
参考価格 | ブラック: ¥22,800〜(2025/08/30 21:25) ホワイト: ¥23,800〜(2025/08/30 21:25) | ホワイト: ¥27,000〜(2025/08/30 21:25) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
ファンタム電源(CH1–2 vs CH1)
AG06MK2はCH1とCH2の両方に+48 Vを供給できます。AG06はCH1のみです。
2本のコンデンサーマイクや、マイク+コンデンサー駆動のDIを同時に使う構成で差が出ます。デュエット、対談、ステレオ・ペア収音に向いています。逆にダイナミックマイク1本なら差は出ません。
- 2 本マイクの対談配信や合唱のステレオ録音に良いでしょう
- ダイナミックマイク 1 本の使用なら差は気にしなくてよいでしょう
CH2 端子(XLR/TRS コンボ vs TRS)
AG06MK2のCH2はXLR/TRSコンボでマイク/ライン/Hi-Zに対応します。AG06のCH2は6.3 mm TRSでライン/Hi-Zのみです。
CH2にマイクを挿せるかどうかは構成の自由度に直結します。AG06MK2ならボーカル2本や、マイク+ギターの2本同時をシンプルに組めます。AG06はCH2にマイクを挿せないため、その場合は外部プリアンプや別入力を工夫する必要があります。
- Vo二人配信やVo+ゲストマイクで差が出る
- 楽器+ボーカル1人ならどちらでも十分
スマホ入出力(4 極ミニ I/O vs ヘッドセット端子)
AG06MK2は4極ミニ(TRRS)でスマホの入出力に対応します。AG06は4極ミニのヘッドセット端子(マイク・ヘッドホン)を備えますが、スマホの入出力I/Oとしての想定は弱く、配信や通話アプリでの同時入出力は工夫が要ります。
スマホの通話・会議アプリ音声をミキサーに戻し、自分のマイクもスマホ側へ返す「1本ケーブル」の構成がAG06MK2では簡単です。USB-Cと同時併用もできるので、BGMはPC、通話はスマホといった分担がしやすいです。
- スマホを本格的に組み込む配信ならAG06MK2
- PCだけで完結するなら差は小さい
本体MUTEボタンの有無
AG06MK2は本体にMUTEボタンが1個あります。AG06にはありません。
席を外す、咳を避けるなど瞬時の消音に役立ちます。なおCH2にもミュート機能はありますが、こちらはソフト(AG Controller)からの操作になります。AG06は本体にミュートがないため、フェーダー/レベルつまみで対応します。
- ワンタッチでマイクを消したい場面が多いならAG06MK2
- 常時喋り続ける配信なら大差は出にくい
フットスイッチ操作
AG06MK2は別売FC5で「CH1 MUTE」または「REVERB」のオン/オフを足元で操作できます。AG06はエフェクトのオン/オフに限定されます。
演奏中に手を離さずにミュートできるのは実用的です。ボーカルの入りだけミュート解除する、MCだけリバーブを切るなどの所作が安定します。
- 弾き語りや鍵盤弾きの配信で有効
- 足元操作を使わないなら差は小さい
STREAMING OUTとミックス・マイナス
AG06MK2はDRY/INPUT MIX/LOOPBACKに加え「MIX MINUS MIC(自分のマイクだけ引いた戻り)」を選べます。AG06は3択のみです。
ビデオ会議やコラボ通話で相手にエコーを返さない設定が簡単になります。音響用語でいう「ミックス・マイナス」をワンタッチで作れる点がポイントです。
- 会議・通話サービスと併用する配信で便利
- BGM+マイクだけの単純配信なら従来の3択でも十分
USB/電源と消費電流
AG06MK2はUSB-Cでデータ・給電に対応し、DC 5 V 900 mAが必要です。AG06はUSB-B接続、DC IN 5 V(micro-USB)で500 mAです。
モバイルバッテリー使用の安定度や、スマホ連携時の併用に影響します。高出力のUSB-C給電環境が用意できるならAG06MK2のほうが余裕があります。
- モバイルでの給電を重視するならAG06MK2
- PCバスパワー中心ならどちらでも可
カラーと外観
AG06MK2はブラックとホワイト。AG06はホワイトのみです。
- 黒系のデスクで統一したいならAG06MK2のブラックが選べます
サイズ/質量
AG06MK2は 152 × 63 × 201 mm・0.9 kg。AG06は 155 × 63 × 202 mm・1.0 kgです。
- 搬入が多い方はAG06MK2が少しだけ楽
- 据え置きなら使用感の差はほぼありません
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- CH2 の端子、ファンタム電源の範囲
- スマホの入出力、MUTEボタンとフットスイッチの割当
- STREAMING OUTの選択肢(ミックス・マイナスの有無)
- USB/電源、カラー、サイズ/質量
二人マイク運用、スマホも本格導入、足元でミュートしたいならAG06MK2がおすすめです。ボーカル1本+楽器、PC配信のみ、できるだけ費用を抑えたいならAG06で十分と考えるとよいでしょう。
どちらもD-PRE、192 kHz/24 bit、ループバック、ギターHi-Z、ヘッドセット端子など土台は同じです。単独配信や会議用途ならどちらを選んでも良いでしょう。
AG06MK2
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AG06
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一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | AG06MK2 | AG06 |
---|---|---|
発売年月 | 2022年4月 | 2015年春 |
外観 | ![]() ![]() | ![]() |
入力チャンネル | 6 | 6 |
マイクプリ | D-PRE(CH1–2) | D-PRE(CH1) |
ファンタム電源 | CH1–2(+48 V) | CH1(+48 V) |
CH1 端子 | XLR/TRS コンボ、PAD 26 dB | XLR/TRS コンボ、PAD 26 dB |
CH2 端子 | XLR/TRS コンボ(Mic/Line/Hi-Z) | 6.3 mm TRS(Line/Hi-Z) |
CH3/4 | 6.3 mm TRS L/R | 6.3 mm TRS L/R |
CH5/6 | ステレオミニ AUX/USB | ステレオミニ AUX/USB |
スマホI/O | 4 極ミニ 入出力 | ヘッドセット(Mic/Phones) |
MUTE(本体) | MUTE×1(CH1) | なし |
フットスイッチ | FC5:CH1 MUTE/REVERB | FC5:EFFECT |
DSP | CH1:EQ/COMP/REVERB/MUTE、CH2:EQ/COMP/AMP SIM/REVERB/MUTE | CH1:EQ/COMP/REVERB、CH2:AMP SIM/REVERB |
STREAMING OUT | DRY / INPUT MIX / LOOPBACK / MIX MINUS MIC | DRY / INPUT MIX / LOOPBACK |
USB | USB-C、USB2.0 Class Compliant | USB-B、USB2.0 Class Compliant |
電源 | DC 5 V 900 mA | DC 5 V 500 mA |
A/D・D/A | 24 bit/192 kHz | 24 bit/192 kHz |
出力 | STEREO OUT(RCA)×1、MONITOR OUT(TRS L/R)×1、PHONES×1、HEADSET PHONES×1(同時使用不可) | 同左 |
メーター | USB OUT 2点×2(SIG/PEAK) | 同左 |
付属ソフト | Cubase AI、WaveLab Cast、AG Controller対応 | Cubase AI(登録経由でWaveLab Cast提供の場合あり)、AG DSP Controller対応 |
寸法・質量 | 152 × 63 × 201 mm・0.9 kg | 155 × 63 × 202 mm・1.0 kg |
カラー | ブラック/ホワイト | ホワイト |
参考価格 | ブラック: ¥22,800〜(2025/08/30 21:25) ホワイト: ¥23,800〜(2025/08/30 21:25) | ホワイト: ¥27,000〜(2025/08/30 21:25) |
まとめ
ヤマハのAG06MK2とAG06は、配信に必要な入出力、D-PRE、ループバックなど共通の強みを持つ兄弟機です。どちらもギターのHi-Z対応やiOS/スマホ連携に配慮しています。
判断のポイントは「マイク2本の電源供給」「スマホI/Oの有無」「ワンタッチMUTEと足元操作」「ミックス・マイナス対応」「USB-C給電の余裕」です。ここを順に確認すれば迷いにくいと思います。
別売品
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参考文献
- https://jp.yamaha.com/products/proaudio/mixers/ag06mk2/index.html
- https://jp.yamaha.com/products/proaudio/mixers/ag06/index.html
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