TP-LinkのWi-FiルーターArcher AXE5400とArcher AX80はよく似ていますが、何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
3つの違い
Archer AXE5400は、AX80と比べると、次の点が異なります。
- Wi-Fi 6Eに対応し、6 GHz帯でも通信可能。
- 一方で2.4 GHz, 5 GHz帯は、最大転送速度が半分しかない。
- USB3.0ポートがなく、ファイルサーバー機能がない。
AXE5400は、新バンドである6 GHz帯に対応しており、Wi-Fi 6E対応機器では干渉の少ない快適な通信が期待できる一方で、従来の2.4 GHz, 5 GHz帯の転送速度やファイル共有機能はAX80に比べると劣ります。
6 GHz帯を使用したい場合はAXE5400、そうでない場合はAX80がよいでしょう。
表で比較すると次のようになります。
型番 | Archer AXE5400 | Archer AX80 |
---|---|---|
外観 | ![]() | ![]() |
ストリーム | 2+2+2ストリーム | 4+4ストリーム |
6 GHz | IEEE 802.11ax:2402Mbps (160MHz 2×2) | − |
5GHz | IEEE 802.11ax:2402Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11ac:1733Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11n: 300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11a: 54Mbps | IEEE 802.11ax:4804Mbps (160MHz 4×4) IEEE 802.11ac:3466Mbps (160MHz 4×4) IEEE 802.11n:600Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11a:54Mbps |
2.4 GHz | IEEE 802.11ax:574Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11n:300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11g:54Mbps IEEE 802.11b:11Mbps | IEEE 802.11ax:1147Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11n:600Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11g:54Mbps IEEE 802.11b:11Mbps |
USBポート | − | ○ |
参考価格 | ¥14,400〜(2025/04/12 08:24) | ¥12,300〜(2025/04/13 01:22) |
違いについて詳しく見てみましょう。
Wi-Fi 6E (6 GHz帯)
AXE5400はWi-Fi 6Eに対応したトライバンドルーターで、AX80はWi-Fi 6に対応するデュアルバンドルーターです。「Wi-Fi 6E」は、Wi-Fi 6で使用される2.4 GHz, 5 GHz帯に加えて、6 GHz帯も使用できるという規格です。
6 GHz帯は2022年から日本で使用可能になったバンドです。480 MHz幅あり、5 GHz帯の400 MHz幅と比べて少し帯域幅が広いです。新しいバンドであるため、2.4 GHzや5 GHzが混雑している環境下でも、6 GHz帯を使用することで快適な通信が期待できます。

なお、Wi-Fi 6Eを使用するには、端末側もWi-Fi 6Eに対応している必要があります。現在Wi-Fi 6Eに対応したスマホ・パソコンを使っている方や、今後新しい端末を使う予定がある方におすすめです。
まだ数年前に使用可能になったバンドですので、2022年以前のスマホ・パソコンでは対応していない場合が多いです。新しい端末を使用する機会はなさそう、という場合には、AX80でも良いでしょう。
型番 | Archer AXE5400 | Archer AX80 |
---|---|---|
6 GHz | IEEE 802.11ax:2402Mbps (160MHz 2×2) | − |
参考価格 | ¥14,400〜(2025/04/12 08:24) | ¥12,300〜(2025/04/13 01:22) |
5 GHz, 2.4GHz帯のストリーム数
従来の5 GHz, 2.4GHz帯において、AXE5400は2+2ストリーム、AX80は4+4ストリームに対応しています。
AXE5400では 5 GHz帯で対応する規格は 2402 Mbps (160MHz 2×2) の2ストリームであり、AX80の4804 Mbps (160MHz 4×4)の4ストリームと比べて、半分の最大転送速度しかありません。
2.4 GHz帯についても、AXE5400で対応する規格は574 Mbps (40MHz 2×2) の2ストリームであり、AX80の1148 Mbps (40MHz 4×4)の4ストリームと比べて、半分の最大転送速度しかありません。
現状では4ストリームに対応したスマホは最新のアンドロイドスマホに限られていますが、iPhoneなど2ストリーム対応をしたスマホでもルーターが4ストリームに対応していれば2台同時に通信することができますので、家族で使用するなどで複数台同時に5 GHz, 2.4 GHz帯で通信する場合は、AX80の方が通信速度が速くなる場合があります。
また、AX80のほうがアンテナを4本使用して通信するため、2ストリーム1台で通信する場合では障害物や電波干渉がある場所での通信が安定しやすくなることが期待できます。例えば、1Fのルーターと3FのiPhoneで通信するようなときです。
このように、6 GHz帯は使用せず、5 GHz, 2.4 GHz帯だけで使用する場合にはAX80の方が性能がよく、通信速度が速くなる場合がありますので、AX80のほうがおすすめです。
細かく比較すると次のようになります。
型番 | Archer AXE5400 | Archer AX80 |
---|---|---|
5 GHz | IEEE 802.11ax:2402Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11ac:1733Mbps (160MHz 2×2) IEEE 802.11n: 300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11a: 54Mbps | IEEE 802.11ax:4804Mbps (160MHz 4×4) IEEE 802.11ac:3466Mbps (160MHz 4×4) IEEE 802.11n:600Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11a:54Mbps |
2.4GHz | IEEE 802.11ax:574Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11n:300Mbps (40MHz 2×2) IEEE 802.11g:54Mbps IEEE 802.11b:11Mbps | IEEE 802.11ax:1148Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11n:600Mbps (40MHz 4×4) IEEE 802.11g:54Mbps IEEE 802.11b:11Mbps |
5, 2.4 GHz 性能 | ・2×2対応の端末を1台同時通信可能 ・1×1対応の端末を2台同時通信可能 | ・4×4対応の端末を1台同時通信可能 ・2×2対応の端末を2台同時通信可能 ・2×2対応の端末1台で通信するときも、多くのアンテナを使うことで電波干渉時も通信が安定しやすい |
参考価格 | ¥14,400〜(2025/04/12 08:24) | ¥12,300〜(2025/04/13 01:22) |
USBポート
USB3.0ポートは、AXE5400にはなく、AX80にはあります。
USB3.0ポートにUSBストレージを接続することで、ネットワークファイル共有をすることができます。次のようなサーバー機能に対応しています。
- Apple Time Machine
- FTPサーバー
- メディアサーバー
- Samba サーバー
ルーターに接続したストレージに動画を保存しておいて、家族それぞれの部屋でスマホで動画を見るなど、簡易NASとして使うことができ便利です
型番 | Archer AXE5400 | Archer AX80 |
---|---|---|
USB3.0ポート | − | ○ |
参考価格 | ¥14,400〜(2025/04/12 08:24) | ¥12,300〜(2025/04/13 01:22) |
どちらがおすすめか
Archer AXE5400の、AX80との違いをまとめると次のようになります。
- Wi-Fi 6Eに対応し、6 GHz帯でも通信可能。
- 一方で2.4 GHz, 5 GHz帯は、最大転送速度が半分しかない。
- USB3.0ポートがなく、ファイルサーバー機能がない。
AXE5400は、6 GHz帯に対応しているのが特徴です。Wi-Fi 6Eに対応した端末との組み合わせであれば、新バンドである6 GHz帯を使用することができ、2.4 GHzや5 GHz帯よりも干渉の少ない快適な通信を期待することができます。そのため、AXE5400はWi-Fi 6Eに対応した新しい端末を使用している方におすすめの機種です。
一方で、AX80は、6 GHz帯は使用できませんが、5 GHz, 2.4 GHz帯では4ストリーム通信に対応しています。4×4 MIMOに対応した最新のアンドロイドスマホであれば 2倍の転送速度で利用できますし、2×2 MIMOに対応するiPhoneでも2台同時通信する場合に転送速度が半減しません。5, 2.4 GHz帯のアンテナ数がAXE5400よりも2本多く、1台の2ストリーム通信の場合でも安定した通信を期待できます。またUSBポートも付いています。そのため、6 GHz帯の使用予定がなく、5, 2.4 GHz帯を中心に使う場合や、ファイルサーバとして使用したい場合には、AX80の方がおすすめです。
Archer AXE5400
- Wi-Fi 6E (6 GHz帯)に対応した端末を持っている。または今後、新しい端末を使う予定がある。
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Archer AX80
- Wi-Fi 6Eに対応した端末は少ない。5, 2.4 GHz帯での通信が中心。
- 5, 2.4 GHz帯では遠く離れた部屋など、障害物や電波干渉のある場合でも安定して通信したい。
- ファイルサーバとしても利用したい。
性能を表で比較
性能を表で比較すると次のようになります。
まとめ
TP-LinkのWi-Fi ルーターAXE5400とAX80を比べると、AXE5400は6 GHz帯にも対応していますが、 5, 2.4 GHz帯は2ストリームまでしか使用できない点が主に異なります。6 GHz帯を使用したい場合はAXE5400がおすすめで、5 GHz帯を中心に使用する場合はAX80がおすすめです。
以上、AXE5400とAX80の3つの違い。でした。
参考
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/wifi-router/archer-axe5400/
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/wifi-router/archer-ax80/
Archer AXE5400
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