NASにWD Blueを使ったらダメなの? WD RedのNAS向けの3つの機能とは。

個人用NASを導入する際に迷うのがHDD選び。

人気のHDDは Western Digitalの「WD Red」ですが、デスクトップパソコン用の「WD Blue」よりも、値段が5~7割高く購入を躊躇してしまいます。

個人用NASに、デスクトップ用のWD Blueを使ってはいけないのでしょうか?

WD RedがBlueと異なる点を詳しく紹介します。

用途の違い

まず、WD BlueとRedに詳しくない方のために、メーカーが奨める用途の違いをみてみましょう。

WD Blue

一体型PC、ノートPC、外付けエンクロージャー用
デスクトップ/一般消費者向けRAID環境(RAID-0/RAID-1)用

WD Blueは、日中のみ起動して夜は停止するような一日のうち限られた時間のみ稼働する環境で使用されることが想定されています。

使用場所としては、デスクトップ内蔵だけでなく、外付けHDDケースに入れて使う用途にも推奨されています。

またRAIDアプリケーション用として試験がされており、使用が推奨されています。

 

つまり、一日の限られた時間しか使用しないなら、RAID機能付きHDDケースで使用するとしてもWD Blueでよいことになります。

WD Red

ご自宅やスモールオフィスのNASシステム(1~8ベイ)用

一方のWD Redは、24時間365日稼働する環境での使用が想定されています。

NASは、基本的に常時起動したままですので、Redが推奨されます。

RAID機能付きHDDケースで使用するとしても、サーバーとして使用しているパソコンに繋げて常時起動するならば、WD Redの方が良いと考えられます。

 

このようなメーカーが奨める環境下でHDDを使用したほうが、HDDの故障確率が少なくなる、つまり信頼性が高くなることになります。

個人用NASでWD Blueはありか?

私の意見では、NASで使うにしても日中のみ電源をONにするような使用環境であれば、WD Blueでよいと思います。

毎日電源をON/OFFする環境では、WD Redはむしろ壊れやすいという話を聞きます。

 

つまりNASでもWD Blueを使うかどうかの主な判断基準は、24時間起動するかどうか?です。

  • 毎日電源を入れる →  WD Blue
  • 常時電源ON     →  WD Red

 

…とはいえ、Blueと比べRedの価格は高いですから、常時電源ONの環境下でもWD Blueを使ってはいけないでしょうか?

この答えは、WD Redが本当に価格に見合うだけの価値はあるのかという点がポイントとなるでしょうから、それをみた後で検討することにしましょう。

では、WD RedのNAS向けの機能を具体的にみてみましょう。

WD Redの3つのNASに特化した機能

連続稼働への対策

常時稼働環境では、1日8時間使用する環境と比べ、合計の稼働時間は3倍も長くなります。

WD Redは、平均故障間隔(MTBF、HDDが壊れるまでの平均時間)は100万時間(~114年)と標準的なデスクトップHDDよりも35%高くなっています。

その分、製品保証期間はBlueが2年なのに対しRedは3年と、1.5倍になっています。

Redの値段はBlueの5~7割増しですが、保証期間が5割増しなので、妥当な値段なのかもしれません。

 

また、NASやRAIDの常時稼働環境では周囲温度が高くなります。

HDDの周囲温度が高いと、HDD寿命が非常に短くなると言われます。

WD Blueの動作可能温度は0~60度Cなのに対して、WD Redは0~65度Cと、5度余裕があります

個人用NASだと、静音を重視するため十分な冷却ファンが付いてないこともありますので、上限温度に余裕があるのは利点です。

振動対策

4ベイ・8ベイなどの多ベイ運用が通常のNASでは隣接したHDDから振動を受けますので、WD Redには振動対策がいくつもなされています。

  • 自身の振動やノイズを最小限に抑える「3D Active Balance Plus」技術
  • 隣接するHDDの振動の影響を削減する「Rotary Acceleration Feed Forward (RAFF)」技術
  • リアルタイムで振動による磁気ヘッダへの悪影響を軽減する「動的フライハイト」技術

このように、自身が振動をしないようにするだけでなく、周囲の振動を拾いにくくしたり、拾ってしまったとしても影響を軽減しようとする技術が使われています。

RAIDコントローラ対応

WD Redには「NASware3.0」と呼ばれるファームウェアが搭載されています。

このファームウェアは各種のNASキットとの互換性が高くなっており、使用HDDとしてWD Redを推奨するNAS製品もあるほどです。

NASに複数のHDDを挿す場合でも、WD Redなら安定して動くだろうという安心感があります。

 

また、NASware3.0にはNAS用のエラーリカバリ制御機構も入っています。

HDDに障害が発生した際にはHDDによってリカバリが行われますが、このリカバリ作業が長いと、RAIDがHDDが故障したと判断して切り離してしまいます。

WD Redでは、そうならないようにHDDによるリカバリを途中で切り上げてRAIDのリカバリに委ねる「RAIDエラーリカバリ制御機構」が搭載されています

 

このようにWD Redでは価格相応だと思われるくらいに、NASで使用する際の信頼性が高く、保証期間も長くなっています。

仕様の違い

一方、HDDのパフォーマンス・静音性・耐衝撃性では、次の仕様で示すようにWD Blueと違いはありません。

仕様表示上異なるのは、次の3点です。

  • ロード/アンロードサイクル
  • 製品保証期間
  • 動作時温度
仕様 Blue Red
製品型番 WD40EZRZ WD40EFRX
インターフェース SATA 6 Gb/s SATA 6Gb/s
フォーマット済み容量 4 TB 4TB
Advanced Format 対応 対応
フォームファクター 3.5インチ 3.5インチ
RoHS準拠 対応 対応
パフォーマンス    
データ転送レート(最大)    
 バッファからホスト  6 Gb/s  6Gb/s
 ホストからドライブ/ドライブからホスト(サステインド)  150 MB/s  150 MB/s
キャッシュ(MB)  64  64
回転速度(RPM)  5400 RPMクラス  5400 RPMクラス
信頼性/データ整合性    
ロード/アンロードサイクル  300,000  600,000
ビット読み取りあたりの回復不可能な読み
取りエラー
 1/1014以下   1/1014以下
製品保証(年)  2  3
電源管理    
12VDC ±10%(A、ピーク)  1.75  1.75
平均所要電力(W)    
 読み取り/書き込み  5.3  4.5
 アイドル  3.4  3.3
 スタンバイ/スリープ  0.4  0.4
環境仕様    
温度(°C)    
 動作時  0~60  0~65
 非動作時  -40~70  -40~70
耐衝撃性(Gs)    
 動作時(2ms、書き込み)  30  30
 動作時(2ms、読み取り)  65  65
 非動作時(2ms)  250  250
動作音(dBA)    
 アイドル  25  25
 シーク(平均)  28  28

常時電源ONの環境下でどちらがお勧めか?

2018/2/14現在のAmazonでの 4TB HDDの価格は次のようになっています。

WD Blue:  9,980円
WD Red : 16,798円

Redが6800円ほど高いです。

 

NASでWD Blueを使えないことはないですが、Redよりも信頼性が低いのが欠点です。

Redは価格相応の信頼性はありますが、パフォーマンス・静音性の点ではBlueと同じです。

そのため、Red相当の信頼性が必要かどうか?が選択の判断基準になるでしょう。

 

個人用NASでは、家族の写真・動画や、録画したテレビ番組を保存することが多いと思いますが、これらのデータはお金で買うことが出来ませんので、消えてしまうとどうにもなりません。

HDDが壊れてデータが消えてしまった場合に、6800円を払って元に戻せるならば戻したいと思う方が多いでしょう。

そのため、消えて困るデータをNASに保存するのであれば、少々高いですがWD Redがお勧めです

WD Redでも、容量を3 TBに抑えれば11,746円となりお手頃です。

 

一方で、バックアップはNAS以外に取ってあって、HDDが壊れても入れ替えればよいのであれば、WD Blueを利用するのが良いでしょう

WD Blueでも、昔のHDDと比べると信頼性はずっと高くなっています。

Redを長期間使うのではなく、Blueを定期的に新品に買い換えることで実質的な寿命を延ばすという運用方法も考えられます。

保証期間の2年が切れる頃には今よりもHDDが安くなっていると期待できますから、容量も大きくすることができるのが利点です。

 

なおWD BlueはAmazonで購入すると保証期間が2年6ヶ月に伸びるので、Blueを購入するならAmazonがお勧めです。

まとめ

WD Redは、24時間365日稼働システム向けで高信頼性。振動対策やNAS・RAID互換性にも優れています。

しかしバックアップを別に取るならば、安価なデスクトップ向けWD BlueをNAS用として定期的に交換して使用するのもありだと思います。

参考文献

     

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