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colormapの範囲指定方法・高度な正規化の方法。 [matplotlib]

2025 3/04
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matplotlib
2025年3月4日

本記事では、カラーマップ(colormap, cmap)の範囲をどのように指定・調整するかについて詳しく解説します。

目次

カラーマップの範囲とは

colormap の「範囲」とは、データの最小値から最大値までの数値が、colormap のどの部分に対応するかを決定する設定のことです。具体的には、以下の要素が関係します。

  • vmin と vmax: imshow や scatter などの関数で、描画対象のデータの最小値 (vmin) と最大値 (vmax) を設定することができます。これにより、データ値が colormap のどの部分にマッピングされるかが決まります。
  • Normalization(正規化): デフォルトでは線形正規化が適用されますが、matplotlib.colors.Normalizeや LogNorm を使用することで、非線形なマッピングも可能です。

これらの設定は、データのダイナミックレンジが広い場合や、極端な外れ値が存在する場合に特に有用です。適切な範囲設定を行うことで、データの特徴が強調されます。

範囲設定の方法

vmin と vmax の指定

最もシンプルな方法は、描画関数に vmin と vmax の引数を渡す方法です。以下は imshow を用いた例です。

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np

# 例としてランダムなデータを生成(0~100の範囲)
data = np.random.rand(10, 10) * 100

fig, ax = plt.subplots()
# vmin=20, vmax=80 として、20以下および80以上の値は同じ色で表現される
cax = ax.imshow(data, cmap='viridis', vmin=20, vmax=80)
cbar = fig.colorbar(cax)
plt.title("vmin と vmax を用いた colormap の範囲設定")
plt.show()

この例では、データのうち 20 未満と 80 超の値は、colormap の端の色にマッピングされます。これにより、データの主要な部分に焦点を当てることができます。

後から範囲指定を変更する方法

すでに作成した画像オブジェクトに対して、後から colormap の範囲を変更することも可能です。これは、インタラクティブなプロット作成時に便利です。

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np

data = np.random.rand(10, 10) * 100

fig, ax = plt.subplots()
cax = ax.imshow(data, cmap='plasma')
cbar = fig.colorbar(cax)

# 後から範囲を変更
cax.set_clim(30, 70)
plt.title("set_clim を用いた colormap の範囲変更")
plt.show()

高度な範囲指定方法

正規化オブジェクトを用いるとより柔軟な範囲指定ができます。

線形正規化(Linear Normalization)

最も基本的な方法です。matplotlib.colors.Normalize クラスがこれに該当し、指定した vmin と vmax の間でデータを線形に [0, 1] にマッピングします。結果は上で見た方法と同等になります。

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from matplotlib.colors import Normalize

data = np.random.rand(10, 10) * 100

fig, ax = plt.subplots()
# デフォルトの線形正規化の代わりに、正規化オブジェクトを明示的に指定
norm = Normalize(vmin=25, vmax=75)
cax = ax.imshow(data, cmap='viridis', norm=norm)
cbar = fig.colorbar(cax)
plt.title("Normalize を用いた正規化による範囲設定")
plt.show()

この方法では、vmin(この例では 20 )以下の値は 0 に、vmax(80)以上の値は 1 にマッピングされ、中間の値は線形に補間されます。

対数正規化(Logarithmic Normalization)

データが対数的なスケールに分布している場合、matplotlib.colors.LogNorm を用いることで、対数スケールに沿った正規化が可能です。これにより、非常に大きな値と小さな値の両方を効果的に可視化できます。

べき乗正規化(PowerNorm)

PowerNorm は、べき乗(パワー)を用いてデータを非線形に [0, 1] の範囲にスケーリングします。

  • gamma パラメータ:
    • gamma < 1 の場合、低い値がより強調される
    • gamma > 1 の場合、高い値がより強調される
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from matplotlib.colors import PowerNorm

# 0~100 の範囲のランダムデータを生成
data = np.random.rand(10, 10) * 100

fig, ax = plt.subplots()
# gamma=0.5 により、低い値を強調する
norm = PowerNorm(gamma=0.5, vmin=0, vmax=100)
cax = ax.imshow(data, cmap='viridis', norm=norm)
fig.colorbar(cax)
plt.title("PowerNorm (gamma=0.5) を用いた正規化")
plt.show()

この例では、gamma=0.5 を設定することで、低い値の違いが視覚的に際立つようになり、データの分布の特徴を強調することができます。

対称な対数スケール(SymLogNorm)

SymLogNorm は、対称な対数スケールによる正規化を行います。

  • linthresh: 中心付近(通常 0 を含む)で線形スケールを適用する範囲を指定
  • vmin, vmax: データの最小値と最大値を設定
  • base: 対数の底を指定(デフォルトは 10)

特に、正負の値が混在するデータの場合に有用で、0 に近い領域は線形、極端な値は対数的に変換されます。

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from matplotlib.colors import SymLogNorm

# -10~10 の範囲の x, y 座標を生成し、X*Y の形でデータ作成(正負両方の値を含む)
x = np.linspace(-10, 10, 100)
y = np.linspace(-10, 10, 100)
X, Y = np.meshgrid(x, y)
data = X * Y

fig, ax = plt.subplots()
# linthresh=1 で、[-1, 1] の範囲は線形に変換される
norm = SymLogNorm(linthresh=1, vmin=-100, vmax=100, base=10)
cax = ax.imshow(data, cmap='coolwarm', norm=norm)
fig.colorbar(cax)
plt.title("SymLogNorm を用いた正規化 (linthresh=1)")
plt.show()

この例では、linthresh=1 を指定することで、値が -1~1 の間は線形に変換され、極端な値は対数スケールで補間されます。正負両方向のスケールが対称的に扱われるため、データのゼロ周辺の変化がわかりやすくなります。

両側のスケールを制御(TwoSlopeNorm)

TwoSlopeNorm は、中心値(vcenter)を基準に、正と負(または中心より大きい値と小さい値)で異なる正規化を行う手法です。

  • vmin, vcenter, vmax を指定することで、中心値を境にした両側のスケールを個別に制御します。
  • 特に、発散系(ダイバージング)カラーマップと併用する場合に有効です。
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
from matplotlib.colors import TwoSlopeNorm

# -10~30 の範囲のランダムデータを生成
data = np.random.rand(10, 10) * 40 - 10  # 値の範囲: -10~30

fig, ax = plt.subplots()
# vcenter=10 を中心値として設定
norm = TwoSlopeNorm(vmin=-10, vcenter=10, vmax=30)
cax = ax.imshow(data, cmap='bwr', norm=norm)
fig.colorbar(cax)
plt.title("TwoSlopeNorm を用いた正規化 (vcenter=10)")
plt.show()

この例では、vcenter=10 を設定することで、値が 10 を境にして正規化が異なるスロープで行われます。これにより、中心付近のデータ変化を強調し、正負の偏りを視覚的に表現することが可能になります。

まとめ

  • vmin と vmax を利用することで、シンプルかつ効果的にデータの主要部分に焦点を合わせることができます。
  • set_clim を用いた後からの変更は、インタラクティブな調整に便利です。
  • Normalize オブジェクト による正規化のカスタマイズは、データの特性に合わせた柔軟な対応を可能にします。
    • 線形正規化 ではシンプルな変換が行われ、vmin と vmax に基づいてデータを [0, 1] にマッピングします。
    • 対数正規化 や その他の特殊な正規化手法 は、データの分布特性に応じた非線形な変換を実現し、より適切な可視化を可能にします。

データの分布や目的に合わせて使い分けることで、より効果的なデータ可視化が実現できます。

  • cmap(colormap)一覧と選び方・使用方法 [matplotlib]
  • colormapを自作する3つの方法。 [matplotlib]
  • colormapを取得する方法。 [matplotlib]
  • matplotlib で colormap を反転する2つの方法
  • colorbarを反転する2つの方法 [matplotlib]

参考

  • https://matplotlib.org/tutorials/colors/colormaps.html
matplotlib

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