『ゼロから作るDeep Learning』レビュー!文系・プログラミング未経験者にはおすすめの本。

『ゼロから作るDeep Learning』は一般向けのディープラーニングの入門本として、人気の本です。

ただ人気がありすぎて、本来の対象読者ではない理系の方が間違って購入して失敗することもあるようです。

購入を検討している方が適切なディープラーニングの本を選べるように、ここではDeep Learningを知らない理系の私が読んだ感想を紹介しています。

ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装

『ゼロから作るDeep Learning』

おすすめの方

「ゼロから作るDeep Learning」は、ディープラーニングを深く知りたいという方よりも、流行りのディープラーニングにあまり深入りせずに触れてみたい方におすすめです

 

対象レベルは、高校生・文系大学生やプログラミングというものをやったことのない方向けになっていて、とてもやさしいです。

Pythonの基本、AND・OR演算子の意味、行列の内積や微分の説明に紙面を多く割いてあります。機械学習・ディープラーニングについての説明は専門書なら数ページで済む内容でも、数十ページが使われており冗長に思えるほどであるため、わかりやすいです。

 

スラスラと読み進めることができ、この一冊をやり終えると、Pythonとはなにか、ディープラーニングで使われている行列計算とはなにかをおおざっぱに知ることができます。

一日体験本

その分、ディープラーニングについての内容は簡易的なものにとどまり、技術の概要・全体像をつかむことは難しいでしょう。

どちらかといえば、ディープラーニングを題材にしたプログラミング入門の本であると思ったほうが正確かもしれません。

この本を読んだだけでは、「ディープラーニングを知っている」と言えるレベルにはなりません。

 

他の言い方をすれば、この本は、ディープラーニング一日体験のような本です。

農作物収穫体験や一日職場体験と同じで、ディープラーニングのおおざっぱな雰囲気は知ることができます。

しかし、一日体験を終えたら農家や職員になれるというわけではないのと同じで、この本ではディープラーニングを使うスタートラインに立つことはできないでしょう。

向いていない方

この点で、この本は情報が専門外の方やディープラーニングを知らない方がすこし触れてみたいという場合には最適ですが、ディープラーニングをこの先使ってみたいという場合には向きません。

一冊目にこの本を読んで、その後にディープラーニングの詳しい本に進もうと考える方もいるかもしれません。しかし、この本はディープラーニングを「使おう」とするのとは異なる方向性で書かれているので、一冊目の本にはなりません。

オライリー本なので専門的な内容だと思う方もいるかもしれませんが、どちらかというとブルーバックスのような読み物に近いです。

 

特に、理系の大学を出た方、行列の内積・線形関数・極値などの言葉の意味が分かる方、プログラミング言語に触れたことのある方には、内容が簡単で冗長なためこの本から得られるものはあまり多くはないでしょう

また、この本はエンジニアの方が一般向けに厳密性を犠牲にして執筆しているので正確さを要求するのは野暮というものですが、入出力ベクトルがなぜか(基底と混同しているのか)行ベクトルになっており、ゆえにネットワークパラメータの行列も転置した表現となってしまっています。他の一般的なディープラーニングの本を読む際や他の人と議論する際に混乱を生じる恐れがあるため、避けるほうが良いかもしれません。

今後も使える知識が必要な方々には、『深層学習(機械学習プロフェッショナルシリーズ)』がおすすめです。この分野を専門とする方が執筆しており上記のような間違いがありません。また学部生向けになっており大変わかりやすく、豊富な内容がうまくまとめられています。

 

とはいえゼロから作る本は人気がある本であることから伺えるように、ディープラーニングを知りたい高校生や文系大学生・一般向けの本として優れており、教養として触れておきたいという方におすすめな本です。

まとめ

『ゼロから作るDeep Learning』は流行りのディープラーニングを教養として知っておきたい、高校生や文系大学生・一般の方におすすめの本です。

行列の内積・線形関数・極値などの言葉の意味が分かる理系の方には、得られるものがあまり多くないと思われるためおすすめできません。『深層学習(機械学習プロフェッショナルシリーズ)』のほうがおすすめです。

以上、『ゼロから作るDeep Learning』レビュー!文系・プログラミング未経験者にはおすすめの本。でした。

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