TP-LinkのTapo C220とTapo C211は、首振り対応の室内用Wi-Fiカメラです。どちらも2Kクラスの解像度、スマホアプリ操作、マイク・スピーカー内蔵、microSD(最大512GB)対応が共通です。アプリで動作検知通知や見守りもできるので、はじめての家庭用カメラとしても使いやすいと思います。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
9つの違い
Tapo C220は、Tapo C211の上位機種です。
発売年月日は次の通りです。
- Tapo C220:2023年12月14日
- Tapo C211:2024年4月1日
2つの機種は、次の点が異なります。
- 画質(解像度):C220は4MP(2560×1440)。C211は3MP(2304×1296)。細部の見やすさ重視ならC220。
- AI検知の種類:C220は人物・ペット・車両・ライン越え・改ざん・異常音(犬・猫・ガラス含む)などが豊富。C211は人物・動き・赤ちゃんの泣き声。より細かい通知管理をしたい方はC220。
- デジタルズーム:C220は最大12倍。C211は非搭載。離れた部分を拡大して確認したいならC220。
- サイレン音量:C220は最大99 dB。C211は88 dB。警告音を強めに出したい場面ならC220。
- 視野角:C220は対角88°。C211は対角98°。1画面で広く写したいならC211。
- ナイトビジョン距離:C220は約9 m。C211は約12 m。より遠くまで暗所を確認したいならC211。
- 消費電力:C220は3.15 W(最大5.4 W)。C211は1.78 W(最大3.27 W)。電力を抑えたいならC211。
- 本体カラー:C220はホワイト系。C211はブラック。設置環境の色合わせでおすすめです。
- 重量:C220は約190 g。C211は約182 g。差は小さく、設置感はほぼ同じです。
細部描写や多機能な検知を狙うならC220。広めの画角や長めの赤外線距離、低消費電力や黒い筐体を重視するならC211が良いと思います。
比較表
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C220 | Tapo C211 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年12月14日 | 2024年4月1日 |
外観 | ![]() | ![]() |
画質(解像度) | 4MP(2560×1440) | 3MP(2304×1296) |
AI検知の種類 | 人物/ペット/車両/ライン越え/改ざん/異常音(犬/猫/ガラス/赤ちゃん) | 人物/動き/赤ちゃんの泣き声 |
デジタルズーム | 最大12倍 | なし |
サイレン音量 | 最大99 dB | 88 dB |
視野角(対角) | 88° | 98° |
ナイトビジョン距離 | 9 m | 12 m |
消費電力(典型/最大) | 3.15 W / 5.4 W | 1.78 W / 3.27 W |
本体カラー | ホワイト系 | ブラック |
重量 | 190 g | 182 g |
参考価格 | ¥6,300〜(2025/09/03 13:29) | ¥3,509〜(2025/08/30 10:18) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
画質(解像度)
Tapo C220は4MP(2560×1440)で、Tapo C211は3MP(2304×1296)です。
4MPはフルHD比で画素が増えるため、服柄や小物文字の判読性が上がります。一方でC211の3MPも一般的な見守り用途には十分という声はあります。等倍表示での精細さはC220がおすすめですが、アプリの画面サイズや通信環境によって体感差は変わることがあります。録画の保存容量は同条件なら高解像度ほど増えやすい点も押さえておくとよいでしょう。
細かな証跡や拡大時の文字確認を狙うならC220。室内の様子把握中心ならC211でも足ります。
- C220は4MPで細部の判別性が高い
- C211は3MPで記録容量を抑えやすい
AI検知の種類
Tapo C220は人物・ペット・車両、ライン越え、カメラ改ざん、赤ちゃん・犬・猫・ガラス破損など多彩です。Tapo C211は人物・動き・赤ちゃんの泣き声に対応します。
検知の種類が多いと、不要な通知を減らしたり、特定イベントだけを保存しやすくなります。ライン越えは侵入方向の判定に使えますし、改ざん検知は視界をふさがれた時の補助になります。C211は基本の見守りと通知に絞られており、シンプルで使いやすいとも言えます。
細かい条件通知や自動化と組み合わせたい方はC220。シンプルな通知で十分ならC211。
- C220は通知の条件分けが細かく設定可能
- C211は基本検知で設定が簡単
デジタルズーム
Tapo C220は最大12倍のデジタルズームに対応し、Tapo C211はズーム機能がありません。
ズームは画素を間引いて拡大するため光学ズームほどの画質ではありませんが、設置位置を変えずに部分確認できる利点があります。マイクやスピーカーで会話しつつ、相手の表情を拡大したい場面で便利です。C211はパン・チルトで画面内の位置合わせをして確認する使い方になります。
遠くの小物や表情確認を重視するならC220。広い範囲をパン・チルトで確認できれば十分ならC211。
- C220はアプリ側で拡大確認しやすい
- C211はパン・チルト中心のフレーミング
サイレン音量
Tapo C220は最大99 dB、Tapo C211は88 dBです。
10 dB差は体感でかなり違います。夜間の警告や在宅を示したい時に音量の余裕は役立ちます。一方で集合住宅や夜間の静穏性を重視する環境では、音が必要以上に大きくならない方が扱いやすい場合もあります。
抑止力を重視するならC220。静かな使用が目的ならC211。
- C220は大音量サイレンで存在感が出せる
- C211は音量が控えめで環境に配慮しやすい
視野角
Tapo C220は対角88°・水平75°・垂直41°、Tapo C211は対角98°・水平83°・垂直45°です。
同じ位置からの一画面の広さはC211がわずかに広いです。棚の端から端まで1画面に収めたい、部屋の角から斜めに俯瞰したいといった用途では違いが出ることがあります。とはいえ、両機ともパン・チルトで首振りできるので、実使用では差が小さい場面も多いでしょう。
1画面での広がり重視ならC211。画質優先ならC220でも問題ないと思います。
- C211は初期フレーミングで広く写せる
- C220は解像度重視で細部が見やすい
ナイトビジョン距離
Tapo C220は約9 m、Tapo C211は約12 mです(C211はV3の数値)。
暗所での赤外線照射距離は被写体や壁の反射で変わりますが、スペック上はC211がやや遠くまで届きます。廊下や縦長リビングを暗くして使う場合は、距離の余裕が気持ち的に安心かもしれません。ただしC220はスターライトセンサー採用で低照度の描写が安定しやすい面もあります。
より遠い暗所を照らしたいならC211。低照度の描写バランスを重視するならC220。
- C211は赤外線の到達が長め
- C220は低照度でノイズが抑えやすい
消費電力
Tapo C220は典型3.15 W・最大5.4 W、Tapo C211は典型1.78 W・最大3.27 Wです。
常時通電の機器なので、積算では差が出ます。複数台での使用やモバイル電源での使用ではC211が良いでしょう。C220は高解像度・多機能分の消費がやや増えています。
消費電力重視ならC211。性能重視ならC220。
- C211はランニングコストを抑えやすい
- C220は高機能だが消費は増える
本体カラー
Tapo C220はホワイト系、Tapo C211はブラックです。
白は壁や天井に馴染みやすく、黒は家電や家具に溶け込みやすい傾向があります。見せたい・隠したいで色の選び方が変わることがあります。
壁・天井で目立たせたくないなら白系のC220。黒家電で統一したいならC211。
- C220は明るい内装に合わせやすい
- C211は黒系のインテリアに合わせやすい
重量
Tapo C220は約190 g、Tapo C211は約182 gです。
差は8 gで体感はほぼ同じです。天井設置時の負荷も大差ありません。
重量差は気にしなくてよいでしょう。
- どちらも軽量で設置は容易
- ブラケット選びは耐荷重100〜200 g級で十分
おすすめはどちら
このように2つの機種は、解像度・AI検知の豊富さ・デジタルズーム・サイレン音量・視野角・ナイトビジョン距離・消費電力・カラー・重量が異なります。
録画を細部まで残したい、条件通知を細かく使いたい、抑止力を重視したい用途ならC220が合っています。ペットの様子を広く見たい、暗い室内でも距離を取りたい、電力を抑えたい、黒い筐体でまとめたいならC211が使いやすいと思います。
どちらもアプリ操作やパン・チルト、自動追尾、microSD保存に対応し、基本的な見守りは十分です。家族共有や通話も同じ感覚で使えるので、日常の見守り目的ならどちらを選んでも良いでしょう。
Tapo C220
- Tapo(タポ)
- 価格¥6,300(2025/09/03 13:29時点)
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Tapo C211
- TP-Link
一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
注:C211のフレームレートとIR距離はV3の仕様です(15/20/25/30 fps、最長12 m)。
項目 | Tapo C220 | Tapo C211 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年12月14日 | 2024年4月1日 |
外観 | ![]() | ![]() |
センサー | 1/3型 プログレッシブCMOS(スターライト) | 1/2.8型 プログレッシブCMOS |
最大解像度 | 2560×1440(4MP) | 2304×1296(3MP) |
レンズ | 4 mm F2.0 | 4 mm F2.0 |
視野角(対角/水平/垂直) | 88°/75°/41° | 98°/83°/45° |
パン/チルト範囲 | 水平360°相当・垂直114° | 水平360°相当・垂直114° |
ナイトビジョン | 850 nm IR、最長9 m | 850 nm IR、最長12 m |
フレームレート | 15/20/25/30 fps(既定15) | 15/20/25/30 fps |
映像圧縮 | H.264 | H.264 |
デジタルズーム | 最大12倍 | なし |
画像補正 | 3DNR、WDR | 3DNR、WDR |
サイレン | 最大99 dB(10 cm) | 88 dB(10 cm) |
双方向通話 | 対応 | 対応 |
AI/検知 | 人物/ペット/車両/ライン越え/改ざん/異常音(赤ちゃん/犬/猫/ガラス) | 人物/動き/赤ちゃんの泣き声 |
追尾(オートトラッキング) | 対応 | 対応 |
プライバシーゾーン | 対応 | 対応 |
ストレージ | microSD 最大512GB、Tapo Care | microSD 最大512GB、Tapo Care |
無線 | 2.4 GHz 802.11b/g/n | 2.4 GHz 802.11b/g/n |
プロトコル | RTSP/ONVIF対応 | RTSP/ONVIF対応 |
暗号化 | 128-bit AES、SSL/TLS | 128-bit AES、SSL/TLS |
電源 | 9 V 0.6 A(同梱AC) | 9 V 0.6 A(同梱AC) |
消費電力(典型/最大) | 3.15 W / 5.4 W | 1.78 W / 3.27 W |
外形寸法 | 85.4×86.8×117.7 mm | 85.4×86.8×117.7 mm |
重量 | 190 g | 182 g |
動作温度/湿度 | 0〜40℃ / 10〜90%RH | 0〜40℃ / 10〜90%RH |
本体カラー | ホワイト系 | ブラック |
参考価格 | ¥6,300〜(2025/09/03 13:29) | ¥3,509〜(2025/08/30 10:18) |
まとめ
TP-LinkのTapo C220とTapo C211は、パン・チルト、自動追尾、双方向通話、ローカル保存など基本機能をしっかり備えた室内カメラです。普段使いの見守りから在宅確認まで幅広く対応します。
選ぶ基準は、細部の見やすさや検知の作り込みを重視するならC220、画角の広さや低消費電力、黒い筐体を重視するならC211、とするとよいでしょう。
別売品
microSDカード(128GB・U3/V30、見守り用途に十分な定番)
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天井吊り・ダクトレール用ブラケット(対応:C200/C210/C211/C212/C220ほか)
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参考文献
- Tapo C220 公式ページ:https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c220/
- Tapo C211 公式ページ:https://www.tapo.com/jp/product/smart-camera/tapo-c211/
Tapo C220
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Tapo C211
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