TP-LinkのTapo C230とC225は、首振りに対応した室内向けの見守りカメラです。どちらもAI検知(人物やペットなど)、自動追尾、双方向通話、最大512GBのmicroSD保存、2.4GHz Wi-Fiに対応します。アプリ操作や日常の使い勝手は似ており、基本機能は同じと言ってよいでしょう。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
10の違い
Tapo C230は、C225の上位にあたる高解像度モデルです。
発売日は次の通りです。
- Tapo C230:2024年12月13日
- Tapo C225:2023年4月20日
2つの機種は、次の点が異なります。
- 解像度:C230は3K 5MP(2880×1620)。C225は2K QHD 4MP(2560×1440)。細部の識別を重視するならC230。
- ナイトビジョンの方式:C230は850nm IRのみ(最長約12m)。C225は850nm/940nmのIRを切替可(各最長約10m)。寝室など光を目立たせたくない場面はC225。
- 視野角:C230は水平75°。C225は水平83°。部屋を広く映したいならC225。
- レンズの明るさ:C230はF2.0。C225はF1.6。暗所で少しでも明るく撮りたい場合はC225。
- 垂直チルト:C230は114°。C225は149°。天井付近や足元まで上下の見渡しを広くしたいならC225。
- 物理プライバシー:C230はプライバシーゾーン設定のみ。C225はボタンでレンズを物理的に収納。在宅時に物理的に隠したい方はC225。
- サイレン音量:C230は最大約99dB。C225は最大約93dB。音での注意喚起を強めたいならC230。
- 無線の暗号化:C230はWPA/WPA2。C225はWPA3に対応。新しめのルーター環境ではC225が安心。
- 画像補正:C230は3D DNR+BLC。C225は3D DNR+WDR。逆光への強さを重視するならC225。
- サイズ・電源:C230は85.4×86.8×117.7mm/9V 0.6A。C225は80×80×112mm/12V 1.0A。設置スペースや配線の互換で選ぶとよいでしょう。
どちらがよいかを検討する目安について、細部まで記録したい・音での注意喚起を強めたいならC230、暗所で光を目立たせたくない・上下の見渡しを広く取りたい・在宅時に物理的に隠したいならC225がおすすめです。
比較表
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C230 | Tapo C225 |
---|---|---|
発売年月日 | 2024年12月13日 | 2023年4月20日 |
外観 | ![]() | ![]() |
解像度 | 3K 5MP(2880×1620) | 2K QHD 4MP(2560×1440) |
ナイトビジョン | 850nm IR(最長約12m) | 850nm/940nm IR 切替(各最長約10m) |
視野角(水平) | 75° | 83° |
レンズF値 | F2.0 | F1.6 |
垂直チルト範囲 | 114° | 149° |
物理プライバシー | なし(ソフトウェアのプライバシーゾーン対応) | あり(レンズ収納ボタン) |
サイレン音量(10cm) | 約99dB | 約93dB |
無線の暗号化 | WPA/WPA2 | WPA3対応 |
画像補正 | 3D DNR/BLC | 3D DNR/WDR |
電源・サイズ | 9V/0.6A・85.4×86.8×117.7mm | 12V/1.0A・80×80×112mm |
参考価格 | ¥5,780〜(2025/09/07 02:07) | ¥7,068〜(2025/09/07 12:43) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
解像度(3K 5MP vs 2K QHD 4MP)
C230は3K 5MP、C225は2K QHD 4MPです。
C230の2880×1620は横方向の画素数に余裕があり、掲示物の文字やペットの首輪の柄など細部の判別に少し強いです。C225の2560×1440も室内用途には十分で、アプリでのライブ確認や通知には困りません。どちらも最大30fpsの録画に対応し、H.264で保存します。ズーム時は元の画素数が効くため、同じ画角ならC230の方が拡大に耐えやすいです。視野角はC225がやや広いので、部屋全体を写したいならC225のほうが全体把握はしやすいことがあります。
細かい識別を重視する、あるいは後から拡大して確認する使い方ではC230が良いでしょう。部屋全体の見通しを優先する場合はC225でも満足できると思います。
- C230は3Kで細部確認に強い
- C225は2K QHDで日常用途に十分
ナイトビジョン(赤外LEDの波長と到達距離)
C230は850nmのIRのみで最長約12m、C225は850nmと940nmのIRを切り替えられ、いずれも最長約10mです。
到達距離だけを見るとC230がわずかに長めです。C225は「遠くまで届きやすい850nm」と「発光が目立ちにくい940nm」を使い分けできるのが特長です。赤外の赤い光が気になる就寝時の見守りでは940nmが使いやすい場合があります。両機ともスターライト対応のセンサーを採用し、わずかな常夜灯がある環境ではカラー保持もしやすい設計です。ただし完全な暗闇ではIRのモノクロ映像になります。
寝室やベビールームなど光の目立ちを抑えたい用途はC225、距離を少しでも稼ぎたい用途はC230がおすすめです。
- C230は到達距離がやや長い
- C225は850/940nmを切替できる
視野角(水平75° vs 83°)
C230は水平75°、C225は水平83°です。
同じ位置に置くとC225のほうが横方向に広く映ります。部屋の隅から隅までを1台でカバーしたい場合に便利です。一方で視野角が狭い機種は被写体を相対的に大きく写しやすく、同じ距離ならC230のほうが被写体が大きく映る傾向があります。
広いワンルームやL字の部屋ではC225、対象に寄れない設置で被写体を大きく写したいならC230が使いやすいです。
- C225は横方向を広くカバー
- C230は同じ距離で被写体を大きく写しやすい
レンズの明るさ(F2.0 vs F1.6)
C230はF2.0、C225はF1.6です。
レンズのF値は小さいほど明るく、暗所でノイズを抑えやすくなります。C225は大口径で取り込める光が多く、照度が低い部屋でも映像の粘りが出やすいです。C230もスターライト対応で、室内照明がある環境なら十分クリアに撮影できます。焦点距離はC230が約4mm、C225が約4.3mmで、この差が視野角の違いにも関係しています。
常夜灯だけのリビングや薄暗い廊下の見守りならC225が少し有利と言えます。照明がある前提なら差は気にしなくてもよいでしょう。
- 暗所優先ならC225
- 通常の明るさならどちらでも問題になりにくい
チルト可動域(垂直114° vs 149°)
C230の垂直チルトは114°、C225は149°です。
上下の可動域が広いC225は、カメラを高い位置に設置しても足元まで映しやすく、低い棚に置いたときも天井付近をねらいやすくなります。両機とも水平方向は360°に対応し、パノラマ撮影や自動追尾に活用できます。
天井近くに取り付けて上下を広く確認したい使い方ではC225が便利です。設置位置が限定されていて上下の余裕が少なくても困らない場合は差は小さいです。
- 上下の見渡し重視ならC225
- 設置条件によっては差は小さい
物理プライバシー(レンズ収納ボタン)
C230はアプリのプライバシーゾーン設定に対応し、C225は筐体ボタンでレンズを物理的に収納できます。
在宅時や来客時など「写らない」ことを確実にしたい場面では、ボタンでレンズを隠せるC225が直感的です。C230のプライバシーゾーンはフレーム内の一部をマスクする方式で、撮らない範囲を細かく指定できます。
確実に物理的に隠したい場合はC225、画面内で映したくない範囲を指定したい場合はC230が使いやすいです。
- 物理シャッターが必要ならC225
- ゾーンで細かく制御したいならC230
サイレン音量(約99dB vs 約93dB)
C230は約99dB、C225は約93dB(いずれも10cm測定)です。
音での注意喚起や合図に使う場合、C230はやや大きい音を出せます。屋内用途では設置環境の影響も大きく、どちらも実用上は十分な音量と言えます。
音でのアピールを強めたいならC230、静かな時間帯の見守りが中心ならどちらでも差は気になりにくいです。
- より大きいのはC230
- ふだん使いでは差は小さい
無線の暗号化(WPA/WPA2 vs WPA3)
C230はWPA/WPA2、C225はWPA3に対応します。
WPA3は新しい暗号化規格で、総当たり攻撃への耐性向上などの利点があります。WPA3に対応したルーターやメッシュWi-Fiを使っている家庭では、C225はより新しいセキュリティで接続できます。C230もWPA2で広く使えるため、多くの環境で困ることはないはずです。
家庭の無線を新しめの規格でそろえたい方はC225、既存のWPA2環境で手軽に使うならC230で十分です。
- 新しい暗号化でつなぐならC225
- WPA2中心の環境ならC230で問題になりにくい
画像補正(BLC vs WDR)
C230は3D DNR(デジタルノイズ低減)に加えてBLC(逆光補正)、C225は3D DNRに加えてWDR(ワイドダイナミックレンジ)に対応します。
BLCは逆光で暗くなりがちな被写体を明るく見せる調整で、フレーム全体の露出を持ち上げるイメージです。WDRは明暗差の大きい場面で暗部と明部の両方を見やすく保つ処理で、窓際や出入口の近くで効果を感じることがあります。どちらも万能ではありませんが、設置場所の光環境によっては見え方に差が出ます。
窓や照明の直射が入りやすい場所ではWDRを持つC225、逆光で人物が黒つぶれしやすい場面の改善はC230のBLCが役に立つことがあります。
- 明暗差が大きい場所はC225が得意
- 逆光で被写体を持ち上げたいならC230
サイズ・電源(本体寸法とアダプター)
C230は85.4×86.8×117.7mmで9V/0.6A、C225は80×80×112mmで12V/1.0Aです。
C225のほうがひと回りコンパクトで、棚の空きスペースに置きやすいです。
限られたスペースに置きたいならC225、サイズに余裕がある設置ならどちらでも差は小さいです。
- 小型なのはC225
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- 画質(3K vs 2K QHD)
- ナイトビジョン(C230は到達距離、C225は850/940nm切替)
- 視野角とレンズ(C225がやや広角・明るい)
- 垂直チルト(C225が広い)
- 物理プライバシー(C225のみ)
- サイレン音量(C230が高い)
- 無線の暗号化(C225はWPA3)
- 画像補正(C230はBLC、C225はWDR)
- サイズ・電源(C225がやや小型、電源仕様が異なる)
ペットの表情や手元の文字など細部までクリアに残したい、音での注意喚起も活用したいならC230が良いでしょう。寝室やベビールームの見守りで赤外の光を目立たせたくない、上下方向の見渡しを広く取りたい、在宅時は物理的に写らない状態にしたいならC225がおすすめです。
どちらもAI検知や自動追尾、双方向通話、microSD保存など共通の魅力が充実しています。屋内のふだん見守り用途なら、どちらを選んでも基本機能は同水準と言ってよいでしょう。
Tapo C230
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一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C230 | Tapo C225 |
---|---|---|
発売年月日 | 2024年12月13日 | 2023年4月20日 |
外観 | ![]() | ![]() |
解像度 | 3K 5MP(2880×1620) | 2K QHD 4MP(2560×1440) |
センサー | 1/3型 CMOS(スターライト対応) | 1/3型 CMOS(スターライト対応) |
レンズ | 4mm F2.0 | 4.3mm F1.6 |
視野角(対角/水平/垂直) | 88° / 75° / 41° | 95° / 83° / 40° |
パン/チルト | 水平360° / 垂直114° | 水平360° / 垂直149° |
スマートトラッキング | あり | あり |
ナイトビジョン | 850nm IR(最長約12m) | 850nm/940nm IR(各最長約10m) |
物理プライバシー | なし(ゾーン設定対応) | あり(レンズ収納ボタン) |
画像補正 | 3D DNR/BLC | 3D DNR/WDR |
AI検知 | 人物・ペット・車両・泣き声・異常音ほか | 同左 |
フレームレート | 最大30fps(既定15fps) | 最大30fps(既定15fps) |
動画圧縮 | H.264 | H.264 |
オーディオ | 内蔵マイク・スピーカー/双方向通話 | 内蔵マイク・スピーカー/双方向通話 |
サイレン音量(10cm) | 約99dB | 約93dB |
ストレージ | microSD(最大512GB)/Tapo Care | microSD(最大512GB)/Tapo Care |
RTSP/ONVIF | 対応 | 対応 |
無線 | IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz) | IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz) |
無線の暗号化 | WPA/WPA2 | WPA3対応 |
音声アシスタント | Google アシスタント/Amazon Alexa | Google アシスタント/Amazon Alexa |
電源 | 9V 0.6A | 12V 1.0A |
動作温度 | 0~40℃ | 0~40℃ |
本体サイズ | 85.4×86.8×117.7mm | 80×80×112mm |
参考価格 | ¥5,780〜(2025/09/07 02:07) | ¥7,068〜(2025/09/07 12:43) |
まとめ
TP-LinkのTapo C230とC225は、AI検知や首振り、自動追尾、双方向通話、最大512GBのローカル保存など共通の基本機能がしっかりしています。普段の見守りに必要な要素はおさえています。
購入時は、画質と細部重視ならC230、暗所で光の目立ちを抑えたい・上下の見渡しやすさ・物理的なプライバシーを重視するならC225、という基準で選ぶとよいでしょう。
参考文献
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c230/
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c225/
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