屋外用のTP-Link「Tapo C510W」と「Tapo C500」は、どちらもパン・チルト対応で広い範囲を見渡せる屋外Wi-Fiカメラです。IP65の防水防塵、microSD(最大512 GB)やクラウド保存、人物検知や動体検知、アプリからの首振り・通話・アラームなど共通機能がしっかりそろっています。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
5つの違い
Tapo C510Wは、Tapo C500の上位機種です。
発売日は次の通りです。
- Tapo C510W:2023年6月30日(販売開始)
- Tapo C500:2023年4月20日(販売開始)
2つの機種は、次の点が異なります。
- 画質・解像度:C510Wは2K 3 MP(2304×1296)。C500は1080p 2 MP。ナンバープレートや小さな文字の判別を重視するならC510W。
- センサーサイズ:C510Wは1/2.8インチ。C500は1/3インチ。暗所の余裕やダイナミックレンジを考えるならC510W。
- フレームレート:C510Wは最大15 fps。C500はV2で最大30 fps表記(V1は15 fps)。動きのなめらかさを重視するならC500(V2)。
- ナイトビジョンの光源:C510Wはスポットライト2灯のフルカラー夜間撮影。C500もカラー夜間撮影に対応だがライト仕様は簡素。夜でも色で記録したいならC510W。
- 視野角:C510Wは水平約82.3°。C500は水平約73.5°。横方向を少しでも広く捉えたいならC510W。
両機の核となる使い勝手は似ていますが、細部の写り重視ならC510W、動きの滑らかさを重視するならC500(V2)がおすすめです。
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C510W | Tapo C500 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023/06/30 | 2023/04/20 |
外観 | ![]() | ![]() |
画質・解像度 | 2K 3 MP(2304×1296) | 1080p 2 MP(1920×1080) |
センサーサイズ | 1/2.8インチ | 1/3インチ |
フレームレート | 15 fps | 最大30 fps(V2)※/15 fps(V1) |
ナイトビジョン | スポットライト×2でフルカラー、IR 約30 m | カラー夜間対応、IR 約30 m |
視野角(水平) | 約82.3° | 約73.5° |
参考価格 | ¥7,799〜(2025/09/02 04:42) | ¥7,170〜(2025/09/02 19:08) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
画質・解像度
Tapo C510Wは2K 3 MP(2304×1296)で、Tapo C500は1080p 2 MPです。
画素数はC510Wが約1.5倍で、被写体の細部を拡大したときの粘りが違います。例えば人物の手元やナンバープレート、工具の型番など、細かい情報を後から確認したい場面で差が出やすいです。両機ともH.264圧縮とWDR、3DNR(ノイズ低減)に対応しますが、元の解像度が高いC510Wはデジタルズーム時の破綻が起きにくいです。保存はmicroSD(最大512 GB)またはクラウドに対応し、保存時間は画質設定や検知頻度で変わります。
監視範囲内の細部記録にこだわるならC510Wを選ぶとよいでしょう。動体の存在確認が主目的であればC500でも足ります。
- C510Wは細部の判別に強い
- C500は存在確認中心なら十分
センサーサイズ
Tapo C510Wは1/2.8インチCMOS、Tapo C500は1/3インチCMOSです。
センサーは大きいほど集光力に余裕があり、同条件でノイズが減って暗部の階調が出やすくなります。夜間や逆光での見やすさはレンズ開放値(F2.0)や画像処理(WDR、3DNR)にも左右されますが、同世代・同条件であれば1/2.8インチのC510Wのほうが暗所耐性で有利と言えます。
夜間の画面全体の見やすさを重視するならC510Wがおすすめです。日中の利用が中心なら違いは気にしなくてもよいでしょう。
- C510Wは暗所で余裕がある
- 昼間中心なら差は小さい
フレームレート
Tapo C510Wは最大15 fps、Tapo C500はV2で最大30 fps表記(V1は15 fps)です。
フレームレート(fps)が高いほど動きの再現がなめらかになり、素早い被写体の動きや手の動作が追いやすくなります。C500はハードウェアバージョンで仕様が分かれ、V2が30 fps表記、V1は15 fpsです。録画側(microSD/クラウド)やネットワーク帯域の条件でも実効フレームは変化します。C510Wは2K解像度と引き換えにfpsは抑えめです。
車や人の動線をなめらかに見たい方はC500(V2)を検討するとよいでしょう。静止時間が長い場所や細部解像感を優先する場合はC510Wが合っています。
- C500(V2)は動きの滑らかさに強い
- C510Wは高解像度重視
ナイトビジョンの光源
Tapo C510Wはスポットライト2灯でフルカラー夜間撮影、Tapo C500もカラー夜間撮影に対応します。
夜は照度が下がるため、被写体の色を出すには光源が重要です。C510Wは2灯のスポットライトを内蔵し、フルカラー夜間撮影や検知時点灯(スマートモード)に対応します。C500もライトを使ったカラー夜間撮影に対応しますが、データシート上のライト仕様は簡素で、強力な可視光で彩度を持ち上げる用途はC510Wが得意です。赤外線(IR)照射距離は両機とも最大約30 mです。
夜でもカラーで状況を残したい方はC510Wが良いでしょう。夜間はモノクロでも十分という方はC500でもよいでしょう。
- 夜もカラー重視ならC510W
- IR中心で良ければC500
視野角
Tapo C510Wは水平約82.3°、Tapo C500は水平約73.5°です。
同じ設置位置でも、横方向にどれだけ映せるかが変わります。両機とも首振り(水平360°/垂直130°)で広範囲をカバーできますが、固定方向での一発映りはC510Wのほうがわずかに広いです。レンズはいずれも焦点距離約3.9 mm・F2.0で、歪みの少ない標準寄りの画角です。
1画面で横幅を少しでも広く映したい場合はC510Wが向いています。パン・チルトの使用が中心なら差はほぼ気になりません。
- 横方向を広く写したいならC510W
- パン・チルトの使用が中心なら差は小さい
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- C510Wは2K 3 MP・1/2.8インチ・ライト2灯・水平約82.3°
- C500は1080p 2 MP・1/3インチ・(V2で)最大30 fps・水平約73.5°
玄関や駐車場でナンバープレートや荷物のラベルまで細かく残したいならC510Wがおすすめです。夜でもカラーで記録しやすく、細部の読み取りに強いからです。
人や車の動きをなめらかに追って状況把握を重視するならC500(V2)が良いでしょう。30 fps表記で動作のつながりが見やすく、価格も抑えられます。
共通して、IP65の防水防塵、人物・動体検知、パトロール、RTSP/ONVIF(サポート対象外機能)対応、Alexa/Google連携、microSD/クラウド保存など基本は同じです。最後は重視点で選ぶのが良いでしょう。
Tapo C510W
- Tapo(タポ)
- 価格¥7,799(2025/09/02 04:42時点)
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Tapo C500
- Tapo(タポ)
- 価格¥7,170(2025/09/02 19:08時点)
- Amazonで口コミ・レビューを見る
一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C510W | Tapo C500 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023/06/30 | 2023/04/20 |
外観 | ![]() | ![]() |
解像度 | 2K 3 MP(2304×1296) | 1080p 2 MP(1920×1080) |
フレームレート | 15 fps | 最大30 fps(V2)※/15 fps(V1) |
イメージセンサー | 1/2.8インチ CMOS | 1/3インチ CMOS |
レンズ | 3.9 mm F2.0 | 3.89 mm F2.0 |
視野角(対角/水平/垂直) | 97.23° / 82.3° / 45.31° | 85.5° / 73.5° / 41° |
パン/チルト範囲 | 360° / 130° | 360° / 130° |
ナイトビジョン | スポットライト×2+IR 約29.9 m | カラー夜間対応、IR 約30 m |
画像補正 | WDR、3DNR | WDR、3DNR |
音声 | 双方向通話、サイレン 90 dB | 双方向通話、サイレン 90 dB |
ストレージ | microSD(最大512 GB)、クラウド | microSD(最大512 GB)、クラウド |
検知 | 人物/動体/タンパリング | 人物/動体/タンパリング |
ネットワーク | 2.4 GHz(IEEE 802.11b/g/n) | 2.4 GHz(IEEE 802.11b/g/n) |
RTSP/ONVIF | 対応(サポート外機能) | 対応(サポート外機能) |
音声アシスタント | Alexa/Google | Alexa/Google |
耐候性 | IP65 | IP65 |
動作温度 | -30〜60℃ | -30〜60℃ |
電源 | 12 V DC 1 A(ケーブル約3 m) | 9 V DC 0.85 A(V2)※/12 V DC 1 A(V1) |
寸法・重量 | 123.8 × 123 × 90 mm・約364 g | 123.8 × 123 × 90 mm・約364 g |
付属品 | 電源アダプター、台座類、ネジ/アンカー、防水シール等 | 電源アダプター、台座類、ネジ/アンカー、防水テープ等 |
参考価格 | ¥7,799〜(2025/09/02 04:42) | ¥7,170〜(2025/09/02 19:08) |
※C500はハードウェアV2で仕様が更新されています。お手元の個体のハードウェアバージョンは本体ラベルやアプリのデバイス情報で確認できます。
まとめ
TP-LinkのTapo C510WとC500は、屋外向けの首振りカメラとして必要な機能を一通り備えています。IP65の防塵防水、人物検知や動体検知、アプリからの操作、microSD/クラウド保存、RTSP/ONVIF対応などは共通です。
最後は重視点を整理し、細部解像や夜のカラー映像を重視するならC510W、動きのなめらかさや価格重視ならC500(V2)を選ぶとよいでしょう。
参考文献
- 公式製品ページ(C510W)
https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c510w/ - 公式製品ページ(C500)
https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c500/
Tapo C510W
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- 価格¥7,799(2025/09/02 04:42時点)
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Tapo C500
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