TP-LinkのTapo C520WSとTapo C500は、屋外対応のパン・チルト型Wi-Fiカメラです。スマホアプリで首振り操作や録画の確認ができ、動体検知や自動追尾、microSDカード録画に対応します。どちらも防水防塵仕様で、夜間の見守りにも強いモデルです。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
8つの違い
Tapo C520WSは、Tapo C500の上位モデルです。発売日は次の通りです。
- Tapo C520WS:2023年9月14日
- Tapo C500:2023年4月20日
違いを一言で言うと、C520WSは2K・スターライト・IP66・有線LAN・多彩なAI検知の上位モデルで、C500は1080p・IP65・Wi-Fi専用の基本モデルです。
具体的には2つの機種は、次の点が異なります。
- 画質・解像度: C520WS 2K QHD(2560×1440)。C500 1080p(1920×1080)。遠くの文字やナンバーまで記録したい方はC520WSが良いでしょう。
- 夜間性能: C520WSはスターライトセンサー+F1.6レンズ+スポットライト。C500はカラーナイト/赤外線の基本構成。暗い環境でフルカラーに近づけたいならC520WSです。
- 防水防塵: C520WS IP66。C500 IP65。吹き付ける雨や粉じんが多い場所ではC520WSが安心です。
- ネットワーク: C520WSはWi-Fi/有線LAN対応+外部デュアルアンテナ。C500はWi-Fiのみ。配線で安定接続したい場合はC520WSです。
- AI検知の種類: C520WSは人物/ペット/車両+ライン通過/タンパリング。C500は人物/タンパリング。通知の使い分けを重視する方はC520WSが便利です。
- 視野角(固定画角): C520WS 112°/95°/53°(対角/水平/垂直)。C500 85.5°/73.5°/41°。一度に広く写したいならC520WSです。
- サイレン音量: C520WS 93 dB。C500 90 dB。威嚇を強めたいならC520WSがやや良いでしょう。
- 重量: C520WS 約400 g。C500 364 g。差は小さいです。
高精細さ・暗所の色記録・有線LANの安定性・検知の細かな使い分けを重視する方はC520WSがおすすめです。費用を抑えつつ玄関や通路の見守りを始めたい方はC500が良い選択だと思います。
比較表
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C520WS | Tapo C500 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年9月14日 | 2023年4月20日 |
外観 | ![]() | ![]() |
解像度 | 2K QHD 2560×1440 | 1080p 1920×1080 |
夜間性能 | スターライト+F1.6+スポットライト/IR最大約30 m | カラーナイト/IR最大約30 m |
防水防塵 | IP66 | IP65 |
ネットワーク | Wi-Fi または 有線LAN(RJ45) / 外部デュアルアンテナ | Wi-Fiのみ/ 内部アンテナ |
AI検知 | 人物/ペット/車両/ライン通過/タンパリング | 人物/タンパリング |
視野角(固定) | 112°/95°/53° | 85.5°/73.5°/41° |
サイレン音量 | 93 dB | 90 dB |
重量 | 約400 g | 364 g |
参考価格 | ¥8,870〜(2025/09/02 11:23) | ¥7,170〜(2025/09/02 19:08) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
画質・解像度
C520WSは2K QHD(2560×1440)、C500は1080p(1920×1080)です。
2KはフルHD比で約1.7倍の画素数があり、デジタル拡大時の輪郭の崩れが少なくなります。駐車場の区画番号や車のナンバー、来訪者の名札などの判読性が上がることがあります。保存容量は条件が同じなら増えますが、どちらもmicroSDは最大512GBに対応するため、保存日数はカード容量と画質設定で調整できます。
遠目の被写体をはっきり残したい場所や、後から映像を拡大して確認することが多い使い方にはC520WSが向いています。玄関先のように被写体が近い場所ならC500でも十分です。
- 画質で選ぶならC520WS
- 近距離中心ならC500
夜間性能(スターライト/スポットライト/IR)
C520WSはスターライト対応の1/3型センサーとF1.6の明るいレンズを採用し、スポットライトでカラー記録にも切り替えられます。C500は基本のカラーナイト/赤外線撮影に対応します。
スターライトは低照度で色を出しやすい撮像素子の総称で、明るいレンズと組み合わせると暗所でもノイズが少なく、色のりが良くなります。赤外線(IR)は最長約30 mで、屋外の敷地でも十分届くことが多いです。周囲に外灯が少ない場所や広い敷地ではC520WSの方が記録が安定するでしょう。
暗い環境でカラー映像を残したいならC520WS。商店の軒先などもともと明るい場所ならC500でも見やすい映像になります。
- 暗所の色記録重視はC520WS
- 明るい場所中心ならC500
防水防塵(耐候性)
C520WSはIP66、C500はIP65です。
IP66は「あらゆる方向からの強い噴流水」に耐える等級、IP65は「噴流水に対する保護」です。どちらも屋外設置に適していますが、風雨をまともに受ける場所や粉じんの多い環境では、等級の高いC520WSが少し安心だと思います。
吹きさらしや海沿いなどはC520WS。庇下や軒下中心ならC500でも十分です。
- 露天・粉じん環境はC520WS
- 軒下中心はC500
ネットワーク(有線LAN/アンテナ)
C520WSはWi-Fiに加えて有線LAN(RJ45)に対応し、外部デュアルアンテナを搭載します。C500は有線LANポートはなくWi-Fi専用です。外部アンテナはありません。
屋外は壁やシャッターなどで電波が弱くなりがちです。C520WSならLANケーブルで直接つなげるので、遠隔ライブビューや連続録画を安定させやすくなります。アンテナが外側にあるため、Wi-Fi接続時の電波状況にも余裕が出やすいです。
電波が弱い、または有線を引ける環境ならC520WS。配線を増やしたくない近距離設置ならC500でも十分使えます。
- 接続の安定性重視はC520WS
- 配線を増やさず設置したいならC500
AI検知の種類
C520WSは人物・ペット・車両の識別に加え、ライン通過やタンパリング(いたずら)検知にも対応します。C500は人物とタンパリングに対応します。
検知を細かく使い分けると、不要な通知を減らせます。例えば、車両だけ通知する、ペットの出入りだけ通知する、敷地境界のラインを越えた時だけ通知する、といった使い方がしやすくなります。
通知を最適化したい方や使い分けを重視する方はC520WS。人物検知が中心でシンプルに使うならC500で足ります。
- 通知の最適化を追求するならC520WS
- シンプルな使用ならC500
視野角(固定画角)
C520WSは対角112°/水平95°/垂直53°、C500は対角85.5°/水平73.5°/垂直41°です。
パン・チルトで広く見渡せますが、固定画角が広いほど一度に写る範囲が広く、巡回(パトロール)時の死角が減ります。建物の角や駐車場の見通しをよくしたいなら広角のC520WSが便利です。
1台で広い範囲をカバーしたいならC520WS。通路などのピンポイント用途ならC500で十分です。
- 広範囲を1台で見るならC520WS
- 局所監視ならC500
サイレン音量
C520WSは93 dB、C500は90 dBです。
どちらもライトと音の警告に対応します。数値差は小さいため体感差は設置環境の騒音に左右されますが、威嚇を強めたいならC520WSが一歩上です。
静かな住宅街でも使いやすい音量です。音での威嚇を重視する場合のみC520WSを選ぶとよいでしょう。
- 威嚇をやや強めたいならC520WS
- 音量差は小さくどちらでも可
重量
C520WSは約400 g、C500は364 gです。
両機種とも台座固定で設置し、パン・チルトの動作も同じなので、この重量差では違いは出ないでしょう。強風時の共振を抑えるため、取り付け面をしっかり固定し、付属のネジ・アンカーを正しく使用することが大切です。
- 数十グラム差で実用上の違いは小さい
- 取り付け強度と固定の方が重要
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- 2K/QHDと1080pの画質
- 夜間の色記録能力(スターライトの有無)
- IP等級(IP66とIP65)
- 有線LANと外部デュアルアンテナの有無
- AI検知の種類
- 画角の広さ
- サイレン音量
- 重量
駐車場や敷地全体を高精細に残したい、真っ暗でもカラーに近い映像を取りたい、接続をより安定させたい方にはC520WSがおすすめです。
玄関や通路の見守りが中心で、価格を抑えて基本機能をしっかり使いたい方にはC500が良いでしょう。
どちらもmicroSD(最大512GB)やTapoアプリの操作感は同じなので、設置場所の明るさ・電波状況・必要な検知の種類を基準に選ぶとよいと思います。
Tapo C520WS
- Tapo(タポ)
- 価格¥8,870(2025/09/02 11:23時点)
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Tapo C500
- Tapo(タポ)
- 価格¥7,170(2025/09/02 19:08時点)
- Amazonで口コミ・レビューを見る
一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | Tapo C520WS | Tapo C500 |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年9月14日 | 2023年4月20日 |
外観 | ![]() | ![]() |
イメージセンサー | 1/3型 CMOS(スターライト対応) | 1/3型 CMOS |
レンズ | 3.2 mm F1.6 | 3.89 mm F2.0 |
視野角(固定) | 対角112°/水平95°/垂直53° | 対角85.5°/水平73.5°/垂直41° |
パン/チルト範囲 | 水平360°・垂直130° | 水平360°・垂直130° |
最大解像度 | 2560×1440(2K, 4MP) | 1920×1080 |
フレームレート | 15/20/25/30 fps(初期値15 fps) | 15 fps |
デジタルズーム | 12倍 | なし |
画像補正 | 3DNR、WDR | 3DNR、WDR |
夜間撮影 | スターライト+スポットライト/IR最大約30 m | カラーナイト/IR最大約30 m |
スポットライト | 内蔵 | 内蔵 |
音声 | 双方向(ノイズリダクション) | 双方向(ノイズリダクション) |
サイレン音量 | 93 dB(10 cm) | 90 dB(10 cm) |
AI検知 | 人物/ペット/車両/ライン通過/タンパリング | 人物/タンパリング |
アクティビティゾーン | あり | あり |
追尾(スマートトラッキング) | あり | あり |
ストレージ | microSD(最大512GB)、Tapo Care | microSD(最大512GB)、Tapo Care |
ネットワーク | Wi-Fi または 有線LAN(RJ45) | Wi-Fi |
無線 | 2.4 GHz(IEEE 802.11b/g/n)、外部デュアルアンテナ | 2.4 GHz(IEEE 802.11b/g/n) |
RTSP/ONVIF | 対応(サポート対象外) | 対応(サポート対象外) |
防水防塵 | IP66 | IP65 |
動作環境 | −30〜60℃ 目安 | −30〜60℃ 目安 |
重量 | 約400 g | 364 g |
参考価格 | ¥8,870〜(2025/09/02 11:23) | ¥7,170〜(2025/09/02 19:08) |
まとめ
TP-LinkのTapo C520WSとTapo C500は、屋外対応、パン・チルト、自動追尾、microSD最大512GB、アプリ操作など共通点が多いモデルです。
最終的には、暗所の色再現や解像度、有線LANの有無、AI検知の使い分けといったポイントで選ぶとよいでしょう。電波や照度の条件が厳しい場所や記録性重視ならC520WS、費用重視で玄関・通路の見守りならC500がバランスが良いと思います。
別売品
- microSDカード 256GB以上:連続録画時間を長く確保できます。耐久タイプだと常時録画に適します。
- microSDカード 512GB:高解像度・常時録画での保存日数をさらに伸ばせます。
- KIOXIA
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参考文献
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c520ws/
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c500/
Tapo C520WS
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Tapo C500
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