TP-LinkのTapo C520WSとC510Wは、屋外対応のパン・チルト型ネットワークカメラです。どちらも2Kクラスの解像度、スマートトラッキング、アクティビティゾーン、microSD(最大512GB)録画、双方向通話に対応します。アプリは同じTapoで、日常の見守りから防犯まで幅広く使えます。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
12の違い
Tapo C520WSは、C510Wの上位機種です。
発売日は次の通りです。
- C520WS:2023年9月14日
- C510W:2023年6月30日
違いを一言で言うと、C520WSは4MPスターライト・広角・多彩AI・有線LAN搭載で屋外性能を高めたモデルで、C510Wは3MP・やや狭角・人物中心AI・Wi-Fi専用のベーシックモデルです。
具体的に2つの機種は、次の点が異なります。
- 画質とセンサー:C520WSは4MP(2560×1440)のスターライトセンサー。C510Wは3MP(2304×1296)の通常センサー。暗所の色付き映像や細部重視ならC520WS。
- レンズと画角:C520WSは3.2 mm F1.6で水平約95°。C510Wは3.9 mm F2.0で水平約82.3°。広い範囲を一台で見たいならC520WS、特定ポイントを大きく映したいならC510W。
- 夜間撮影方式:C520WSはスターライトカラー+IR。C510Wはスポットライト併用カラー+IR。常夜灯が少ない場所ではC520WS。
- フレームレート:C520WSは最大30 fps(15/20/25/30)。C510Wは15 fps。動きの滑らかさ重視ならC520WS。
- デジタルズーム:C520WSは最大12倍。C510Wは非搭載。遠くの被写体を拡大して確認するならC520WS。
- AI検知:C520WSは人物・ペット・車両・ライン通過など多彩。C510Wは人物中心。通知の最適化や車両検知が必要ならC520WS。
- 有線LAN:C520WSはRJ45搭載。C510WはWi-Fi専用。通信を安定させたい場合はC520WS。
- 無線アンテナ:C520WSは外部デュアルアンテナ。C510Wは内部アンテナ。電波が弱い環境ではC520WS。
- 耐候性:C520WSはIP66。C510WはIP65。直接雨風が当たる場所はC520WS。
- サイレン音量:C520WSは93 dB。C510Wは90 dB。威嚇力を強めたいならC520WS。
- 最大消費電力:C520WSは最大7.65 W。C510Wは最大12 W。消費電力を抑えたいならC520WS。
- 電源仕様:C520WSは9 V/0.85 A。C510Wは12 V/1 A。
暗所や広い敷地、車両まで検知して通知を最適化したい方はC520WSが向いています。明るい玄関や通路で人物中心に見たい方、価格を抑えたい方はC510Wでも満足できるはずです。
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | C520WS | C510W |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年9月14日 | 2023年6月30日 |
外観 | ![]() | ![]() |
画質 | 4MP(2560×1440) | 3MP(2304×1296) |
センサー/レンズ/画角 | スターライト/3.2 mm F1.6/水平約95° | 通常/3.9 mm F2.0/水平約82.3° |
夜間撮影 | スターライトカラー+IR | スポットライト併用カラー+IR |
フレームレート | 最大30 fps(15/20/25/30) | 15 fps |
デジタルズーム | 最大12倍 | なし |
AI検知 | 人物・ペット・車両・ライン通過・タンパリング | 人物・モーション・タンパリング |
有線LAN | あり(RJ45) | なし |
無線アンテナ | 外部デュアル | 内部 |
耐候性 | IP66 | IP65 |
サイレン | 93 dB | 90 dB |
最大消費電力 | 7.65 W | 12 W |
電源仕様 | 9 V/0.85 A(ケーブル約3 m) | 12 V/1 A(ケーブル約3 m) |
参考価格 | ¥8,870〜(2025/09/02 11:23) | ¥7,799〜(2025/09/03 08:28) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
画質とセンサー
C520WSは4MPのスターライトセンサーで、C510Wは3MPの通常センサーです。
C520WSは2560×1440で、フルHD比で細部の再現力に余裕があります。スターライトセンサーは受光感度が高く、夜間でも色を保ちやすいのが特長です。C510Wは2304×1296で、表情やナンバーの判読性は設置距離次第ですが、明るい場所なら問題は少ないと思います。解像度差はトリミング時の余裕にも効きます。低照度でのノイズ感や色保持ではC520WSが一歩上です。
暗い路地や駐車場での見守りを重視するならC520WSが向いています。エントランスなど照明がある場所中心ならC510Wでも実用上は同じに感じることが多いでしょう。
- 暗所の色と細部重視=C520WS
- 明るい場所中心=C510Wでも十分
レンズと画角
C520WSは3.2 mm F1.6・水平約95°、C510Wは3.9 mm F2.0・水平約82.3°です。
C520WSは明るいレンズで広角寄りのため、死角の減少に寄与します。被写体は相対的に小さく写るので、遠距離の識別にはズーム併用が前提になります。C510Wはやや狭い画角で、同じ設置位置なら被写体が大きく写りやすい性質です。通路や門柱などピンポイント監視に合います。
広い敷地を1台でカバーしたいならC520WSが向いています。門や出入口など狙いを絞るならC510Wが合います。
- 広範囲=C520WS
- ポイント重視=C510W
夜間撮影方式
C520WSはスターライトカラー+IR、C510Wはスポットライト併用カラー+IRです。
スターライトは環境光がわずかでもカラー化しやすく、常時ライト点灯が不要な点が利点です。C510Wは内蔵スポットライトを点けてカラー化でき、来訪者への抑止にもなります。どちらも赤外線は約30 m級で、光の届かない場面ではモノクロに切り替わります。
街灯が少ない敷地や深夜帯の使用ではC520WSが安定します。ライト点灯で抑止したい、玄関灯がある、といった環境はC510Wでも見やすい映像になります。
- 環境光が乏しい場所=C520WS
- ライト抑止や常夜灯あり=C510W
フレームレート
C520WSは最大30 fps(15/20/25/30の切替)。C510Wは15 fpsです。
動きの速い被写体やパン・チルト中の映像の滑らかさは、フレームレートの差が効きます。録画容量は高フレームレートほど増えますが、被写体の軌跡を追いやすくなります。C510Wは静止気味のシーンや人物の出入り程度なら十分という考え方です。
滑らかさを重視する駐車場や道路向きはC520WSが向いています。出入口の確認中心ならC510Wでも支障は少ないでしょう。
- 滑らかさ重視=C520WS
- 最低限の動き記録=C510W
デジタルズーム
C520WSは最大12倍のデジタルズーム対応、C510Wは非搭載です。
デジタルズームは画素を補間して拡大するため、元の解像度と画質が重要です。C520WSは4MPなので、拡大時の情報量に余裕があります。遠方のナンバーや顔の確認で「あと少し寄りたい」場面に強いです。C510Wは非搭載のため、アプリ上の拡大は画面ズーム相当になります。
遠距離識別の頻度が高いならC520WSが向いています。近距離中心であればC510Wでも困る場面は少ないでしょう。
- 遠方の確認=C520WS
- 近距離中心=C510W
AI検知
C520WSは人物・ペット・車両・ライン通過・タンパリングなどに対応し、C510Wは人物・モーション・タンパリング中心です。
対象を分類して通知できると誤通知を減らしやすく、必要な映像だけ振り返れます。ライン通過は敷地境界の越境を検知するのに便利です。車の往来が多い環境やペットの動きを分けて知りたいときはC520WSの柔軟性が効きます。
通知の精度や使用ルールを作り込みたい方はC520WSが向いています。人物が映ったら分かればよい、という使い方ならC510Wで十分です。
- 通知の最適化=C520WS
- 基本の人物検知で足りる=C510W
有線LAN
C520WSはRJ45搭載、C510WはWi-Fi専用です。
屋外は電波の減衰や干渉が起きやすく、距離や壁材の影響も受けます。有線は物理的に安定し、映像の途切れや遅延を抑制できます。PoE給電には対応しないため電源は別配線が必要です。Wi-Fiで使う場合は、2.4 GHz帯の電波状況とルーター位置が重要になります。
ルーターから遠い、金属フェンスや外壁が遮る環境はC520WSの有線が安心です。近距離で電波が良好ならC510Wでも安定動作が期待できます。
- 通信安定性重視=C520WS
- 施工の手軽さ重視=C510W
無線アンテナ
C520WSは外部デュアルアンテナを備え、C510Wはアンテナは外部にはなく内部に埋め込まれているようです。
外部アンテナは利得と指向性の調整余地があり、到達距離や安定性で有利なことが多いです。障害物が多い敷地や複数台同時接続の環境では差が出る場合があります。
電波が弱い、ルーターが屋内奥にあるなどの環境ではC520WSが向いています。電波が十分ならこの差は気にしなくてもよいでしょう。
- 弱電界の設置=C520WS
- 良好電界=どちらでもよい
耐候性
C520WSはIP66、C510WはIP65です。
どちらも防塵・防水に対応していますが、IP66は強い噴流水にも耐える等級です。海風や横殴りの雨、砂ぼこりの多い環境では保護性能の差が出やすいと考えられます。軒下など半屋外なら両者の差は小さいでしょう。
ポール直付けや屋根のない場所はC520WSが安心です。玄関軒下やベランダならC510Wでも十分です。
- 風雨が強い環境=C520WS
- 半屋外=C510W
サイレン音量
C520WSは93 dB、C510Wは90 dBです。
3 dBの差は体感では小さめですが、至近距離の抑止効果はわずかにC520WSが上です。どちらも音量や発報条件を調整でき、近隣への配慮もしやすいです。
抑止を強めたい設置はC520WSが向いています。住宅密集地ならどちらも控えめ設定がよいでしょう。
- 抑止重視=C520WS
- 近隣配慮=どちらも調整前提
最大消費電力
C520WSは最大7.65 W、C510Wは最大12 Wです。
連続運転時の電源容量設計や、屋外ボックスの放熱検討に関係します。消費電力が小さいほど電源アダプターの余裕度が高くなりやすいです。
消費電力を抑えたい場合はC520WSが向いています。既設12 V系の余裕があるならC510Wでも問題は少ないでしょう。
- 省エネ志向=C520WS
- 既設電源に余裕=C510W
電源仕様
C520WSは9 V/0.85 A、C510Wは12 V/1 Aです。
付属ケーブル長はどちらも約3 mです。
- 施工前にコンセントの位置を確認
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- 画質・暗所性能(4MPスターライト vs 3MP)
- 画角(約95°の広角 vs 約82.3°)
- 夜間撮影方式(スターライトカラー vs スポットライト併用カラー)
- フレームレート(最大30 fps vs 15 fps)
- デジタルズーム(12倍 vs なし)
- 通信・設置(有線LAN+外部アンテナ vs Wi-Fi専用+内部アンテナ)
- 耐候・サイレン・電力・電源仕様
暗所のカラー映像、車両まで分類する通知、滑らかな映像、安定通信を重視するならC520WSが第一候補です。明るい玄関や通路の見守り中心でコストを抑えたいならC510Wが合います。どちらもパン・チルト、アクティビティゾーン、microSD録画など基本機能は同じなので、設置環境と通知の精度要件で選ぶとよいでしょう。
Tapo C520WS
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Tapo C510W
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- 価格¥7,799(2025/09/03 08:28時点)
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一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
主な仕様 | C520WS | C510W |
---|---|---|
発売年月日 | 2023年9月14日 | 2023年6月30日 |
外観 | ![]() | ![]() |
最大解像度 | 4MP(2560×1440) | 3MP(2304×1296) |
フレームレート | 15/20/25/30 fps | 15 fps |
イメージセンサー | スターライト 1/3型 | 1/2.8型 |
レンズ/絞り | 3.2 mm F1.6 | 3.9 mm F2.0 |
画角(約) | D112°/H95°/V53° | D97.23°/H82.3°/V45.31° |
夜間撮影 | スターライトカラー/IR 850 nm | スポットライト併用カラー/IR 850 nm |
IR到達距離 | 約30 m | 約30 m |
デジタルズーム | 最大12倍 | なし |
スマート検知 | 人物/ペット/車両/ライン通過/タンパリング | 人物/モーション/タンパリング |
パトロール/追尾 | あり/あり | あり/あり |
アクティビティゾーン | あり | あり |
有線LAN | 10/100 Mbps(RJ45) | なし |
無線 | 2.4 GHz IEEE 802.11b/g/n | 2.4 GHz IEEE 802.11b/g/n |
無線アンテナ | 外部デュアル | 内部 |
RTSP/ONVIF | 対応 | 対応 |
内蔵サイレン | 93 dB | 90 dB |
オーディオ | 双方向(ノイズ低減) | 双方向(ノイズ低減) |
ストレージ | microSD(最大512 GB)/Tapo Care | microSD(最大512 GB)/Tapo Care |
耐候性 | IP66 | IP65 |
動作温度 | -30〜60℃ | -30〜60℃ |
外形/質量 | 123.8×123×90 mm / 約397 g | 123.8×123×90 mm / 約364 g |
最大消費電力 | 7.65 W | 12 W |
電源 | 9 V/0.85 A(ケーブル約3 m) | 12 V/1 A(ケーブル約3 m) |
参考価格 | C520WS: ¥8,870〜(2025/09/02 11:23) C510W:¥7,799〜(2025/09/03 08:28) |
まとめ
TP-LinkのTapo C520WSとC510Wは、パン・チルト、トラッキング、アクティビティゾーン、ローカル録画など基本機能は同じです。どちらも屋外の見守りに使いやすい構成です。
選ぶ基準は、暗所の色付き映像や通知の細かさ、通信の安定性、設置環境の厳しさです。暗所・広角・多彩なAI・有線接続まで必要ならC520WS、明るい場所で人物中心の見守りならC510W、と考えるとよいでしょう。
参考文献
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c520ws/
- https://www.tp-link.com/jp/home-networking/cloud-camera/tapo-c510w/
Tapo C520WS
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Tapo C510W
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