ニキシー管 IN-17を光らせた

7年前に買ったニキシー管IN-17を光らせました。そのために、まず200 V/8 mAの電源を作りました。1本1.5 mA必要で、4本をstaticに駆動する予定なので、1.5 x 4 = 6 mAです。余裕を見て8 mAとしました。ニキシー管の駆動回路を調べると、ダイナミック駆動が流行りみたいですが、ON/OFFを繰り返すとニキシー管の寿命が縮まるので、スタティックの方が望ましいでしょう。

初めは5Vの電源から200VをNJM2360を使いスイッチング昇圧回路で作ろうとしました。手元のパワーMOS-FETだとON電圧が5Vですので、5V電源を使うなら、パワーバイポーラトランジスタをスイッチングに使うことになります。これだとONにするのに1.5Vでよいです。しかし、トランジスタはスイッチングが遅く、電力を浪費するのと、その分発熱をしヒートシンクが必要となったので、無負荷で一応200Vは出たものの、諦めました。スピードアップコンデンサを入れても、ターンオフ時間は1-3usでした。スピードアップ用CB間ダイオードは耐圧が足りなくて入れず。他のパワートランジスタもだいたいこれくらいの仕様値のようでした。

MOS-FETをスイッチングに使うため、12Vの電源に切り替えました。MOS-FETの場合もそのままではスイッチングが遅いので、ゲート容量を引き抜くために、PNPトランジスタとダイオードを使いました。負電圧で引きぬくというのはしていない。さらにPNPトランジスタのベース-エミッタ間に12 mA程度常時流すようにしたところ、ターンon/offともに100ns以下のスイッチング速度になりました。そうすると、200V 8mA供給している時の発熱も小さく、ヒートシンクが要らなくなりました。2 Wで定格温度の160 degC程度に上がるはずですが、すこし温かいくらいですので、1W以下に収まっているようです。


どこかでジャンクで買ってきたIN-2もちゃんと点灯して良い感じです。

回路定数のメモ。
C = 470 pF -> 50 kHz, on:off = 15us/5us -> output電圧が高いので、off時間内にLは完全に放電する。1000 pFだと25 kHz程度で、負荷が小さいとき間欠発振で12 kHz程度で可聴域に入って五月蝿い。330 pF,72kHzくらいに発振が早いとLは小さくてよいが、スイッチングのロスが多くなり発熱する。NJM2360だと、発振が早いとon/off時間が小さくなり(on時間が相対的に短くなり)、offで完全に放電する今回のoutput電圧では、単位時間あたりに送れる電力が減る。
L = 手巻き~330 uH -> ~2 A peak? Lを減らして6 A peakのときはMOS-FETの発熱がすごい。Lを増やして平均電流を減らすと(on時間のうちに充電する電流を減らすと)送れる電力が減るので、必要なoutput電圧が得られなくなる。手巻した線が細くて、70 degCくらいまで上がるので太い線の330 uHのを買ってくるとよい。
R2 = 470 Ohm, R1 = 100 Ohm, R_BE = 1 kOhm 抵抗を減らしてたくさん電流を流せるようにしたほうがスイッチングは早い。R1,R2が小さいと立ち上がりが早く、R_BEが小さいと立下りが早い。
2SA1015, 1S1588->ショットキーでも対して変わらない。
電圧フィードバック調整: 1 MOhm, 1 kOhm variable(~6 kOhm) 0.2 mA -> 2 MOhm, 2 kOhm variableでもよい。