L, Cを測ることを考える

LCを測る原理は、LC回路を発振させてその周波数を読むか、高周波をかけて電圧を読むか、ないしはパルスをかけて過渡現象をみるか。

LCを測るには、次の方法がある。

  • LCメータを買って使う。秋月のポケットLCメータ ~ 6000 円。ただし測定範囲が狭い。
  • LCメータを作って使う。前者の原理を使ったのが、フランクリン発振型のLCメータ。一般的にリファレンスのLCは固定して使うので,測定周波数も一点に限られ周波数特性は測れない。消耗部品代が1500円程度。
  • 高周波発振器とテスタあるいはオシロを利用して測る。私がちょくちょくやる方法。
    • インピーダンスは、jwL, – j/wCなので、被測定のLかCに、Rを直列につないで高周波をかけて、全体の電圧を測る。つぎにRにかかる電圧を読むと流れる電流値が知れるので、オームの法則から被測定物のインピーダンスがわかる。この方法は、周波数特性も測れる。電圧計の精度が許す範囲で。

発振器を組み立てるのがいつも面倒なので、フランクリン発振を利用したLCメータをつくろうと調べた。LM311コンパレータとか5V 1c接点リレーを使った例ばかり出てきたが、よく考えずにはじめに作った人の回路をトレースしているだけの人が多いのかもしれない。誰かがこの辺のことを考えて書いておいてくれたら自分では考えずに済んで楽なのですが。

机上で思ったのは、

  • リレーはいらないのでは。キャリブレーションと称して高精度のキャパシタを接続するが、どうせそのキャリブレーション用のキャパシタはつけっぱなしなのだから、それを直接使えば、リレーもキャパシタ一個も使わなくて良い。このLCメータの原理は、水晶で測った高精度のfと、高価で高精度のコンデンサを使って、未知パラメータのLとCまたはLのみを求めるという話なので。
  • 小さいLを測る機会が多いなら、被測定Lはコンデンサとおなじ並列につなげたらどうか。たとえば100 uHをreferenceに使うなら、50 uHくらい?までは並列のほうが敏感そう。小さいキャパシタを測るときも同様に直列につなぐとか。しかし定数をうまく選ばないと、周波数が大きくなりすぎてしまうか。300uH,10pFで3 MHzと大きい。一方、インピーダンスがreference値と被測定物値の和になるような接続だと、精度が出るのはreferenceの10/1から10倍までの範囲くらいである。
  • 発振させたいなら、74HCU04を使うほうが安いし、より高周波特性がよいのでは?発振特性の問題か?マイコン内蔵の発振端子は水晶で埋まるか。内蔵のコンパレータの特性は?

referenceのリアクタンスL0と,キャパシタンスC0の値を考えた.水晶発振子の精度がよいので,周波数fの測定精度を例えば0.1%などとすると,L0 = 50uH–1mH, C0 ~ 500–5000 pFのオーダーにすれば,調度良いみたいだ.fにはルートで効くので,精度を増すために変更するならオーダーを変える程度に変えないと効果がなさそう.微小測定値は,寄生容量・誘導で精度が悪くなることを考えると,その定数値が丁度良いのかも.あまり高周波で測るとreferenceも被測定物も特性が変わるので,低い周波数がよいが、可聴域には入れたくない.

よく考えたら,LCメータを作るほどLCを測る機会もないかなと思ったりした.今測りたいものは今までどおり高周波を印加して測ればよいしな.