REGZAの55Z870Nと55Z870Mは、Mini LEDバックライトと量子ドットを組み合わせた4K液晶テレビです。どちらもレグザエンジンZRを搭載し、Dolby Vision IQやタイムシフトマシンに対応しているため、映画や録画番組を高画質で楽しめます。これらの商品は何が異なるのでしょうか。わかりやすく紹介します。
6つの違い
55Z870Nは、55Z870Mの後継機種です。55Z870Mは、55Z870Nのいわゆる型落ちモデルに相当します。
発売日は次の通りです。
- 55Z870N: 2024年5月31日発売
- 55Z870M: 2023年4月21日発売
映像性能と調整機能、省エネ性能、ネット連携などが異なります。
- 画面の明るさ: 55Z870Nは従来比約30%高輝度の新Mini LEDパネル。55Z870Mは前世代パネル。
- 色再現制御: 55Z870Nは36色軸のカラーイメージコントロール。55Z870Mは28色軸。
- プロユース映像設定: 55Z870Nは搭載。55Z870Mは非搭載。
- ゲーミング機能: 55Z870Nはゲーミングメニューや暗部ガンマ調整を搭載。55Z870Mは記載なし。
- ネット連携機能: 55Z870Nは番組こねくと対応。55Z870Mは非対応。
- 省エネ性能: 年間消費電力量 55Z870Nは121 kWh/年。55Z870Mは125 kWh/年。
55Z870Nは映像を細かく追い込みたい方やネット連携を重視する方におすすめです。一方、55Z870Mは明るさや色調整をそこまで求めず、価格を抑えたい方に向いています。
一覧表で比較すると次のようになります。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
発売年月日 | 2024年5月31日 | 2023年4月21日 |
外観 | ![]() | ![]() |
画面の明るさ | ◎約30%高輝度 | 前世代パネル |
色再現制御 | ◎36色軸 | 28色軸 |
プロユース映像設定 | ◎搭載 | 非搭載 |
ゲーミング機能 | ◎ゲーミングメニュー搭載 | 記載なし |
ネット連携機能 | ◎番組こねくと対応 | 非対応 |
年間消費電力量 | ◎121 kWh/年 | 125 kWh/年 |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
違いの詳細
違いについて詳しく見ていきましょう。
画面の明るさ・HDR耐性
55Z870Nは新Mini LEDパネルで約30%高輝度です。55Z870Mは従来のパネルです。
55Z870Nのパネルはバックライトの発光効率を高め、HDR10+ AdaptiveやDolby Vision IQで最大輝度を高めています。HDRはハイダイナミックレンジの略で、明るい部分と暗い部分を同時に表現する技術です。明るいリビングで昼間に視聴する場合、画面のピーク輝度が高いほど映像が白く飛ばずに見やすくなります。55Z870MもMini LEDですが、ピーク輝度は55Z870Nより低く、高コントラスト表現で差が出るでしょう。
リビングが明るい環境やHDR映画を楽しみたい方には55Z870Nがおすすめです。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
画面の明るさ | 約30%高輝度 ◎ | 従来パネル |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
色再現制御
55Z870Nは36色軸制御です。55Z870Mは28色軸制御です。
36色軸カラーイメージコントロールは、色相と彩度を36方向に分割して補正する技術です。色が階調的に変化する自然映像やスポーツ中継で色つぶれが起きにくくなります。28色軸の場合でも一般視聴には十分ですが、カラーフィルターや量子ドットの個体差を細かく補正する場面では36色軸が有利です。
写真やアニメで色のニュアンスにこだわる方には55Z870Nが向いています。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
色再現制御 | 36色軸 ◎ | 28色軸 |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
プロユース映像設定
55Z870Nはプロユース映像設定を搭載しています。55Z870Mは搭載していません。
プロユース映像設定は、ガンマ、ホワイトバランス、色温度などを専門的に調整できる機能です。映像制作や写真編集で基準色を合わせたい場合に便利です。ライブラリに合わせてBT.709やBT.2020の色域を手動で微調整でき、外部キャリブレーションツールとも連携します。55Z870Mは標準の画質モードのみで、詳細なパラメータは変更できません。
映像制作を趣味にする方や色基準を整えたい方は55Z870Nを選ぶとよいでしょう。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
プロユース映像設定 | 搭載 ◎ | 非搭載 |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
ゲーミング機能
55Z870Nはゲーミングメニューを搭載します。55Z870Mは搭載しません。
ゲーミングメニューには暗部ガンマ調整、照準表示、入力遅延低減の項目があり、プレイ中に設定を切り替えられます。両機とも4K 120 Hz入力まで対応し、リフレッシュレートは同じですが、55Z870Nは視認性を高める補助機能が充実しています。
FPSやアクションゲームを快適に遊びたい方は55Z870Nがおすすめです。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
ゲーミング機能 | ゲーミングメニュー搭載 ◎ | 記載なし |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
ネット連携機能
55Z870Nは番組こねくとに対応します。55Z870Mは対応しません。
番組こねくとは、放送番組とネット動画を同じリストにまとめ、関連動画を提案する機能です。視聴履歴から好みを学習し、リモコンの決定ボタンで直接再生できます。55Z870Mはタイムシフトマシンやネット動画アプリが使えますが、番組こねくとの連携はありません。
テレビで放送とインターネット動画を一体的に楽しみたい方には55Z870Nが向いています。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
ネット連携機能 | 番組こねくと対応 ◎ | 非対応 |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
省エネ性能
55Z870Nは年間消費電力量が121 kWh/年です。55Z870Mは125 kWh/年です。
121 kWh/年は一般的な4K 55 V型テレビの平均より低く、消費電力314 Wに待機時0.4 Wの省エネ設計です。55Z870Mは定格291 Wですが、年間消費電力量はやや大きくなります。電気料金単価31円/kWhで計算すると、年間の差は約120円程度です。
電気代を少しでも抑えたい方は55Z870Nを選ぶとよいでしょう。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
年間消費電力量 | 121 kWh/年 ◎ | 125 kWh/年 |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
おすすめはどちら
2つの機種は次の点が異なります。
- 新Mini LEDパネルによる画面の明るさ
- 色再現制御の精度
- プロユース映像設定の有無
- ゲーミング補助機能の充実度
- 番組こねくと対応の有無
- 年間消費電力量
映画やHDR映像を明るい環境で楽しみたい方や、色調整と映像調整機能を追求したい方は55Z870Nがおすすめです。ゲーミングメニューや番組こねくとも便利で、家族全員が多彩なコンテンツを快適に楽しめます。
価格を抑えつつMini LEDの4K映像を楽しみたい方は55Z870Mが良いでしょう。基本性能とタイムシフトマシンは同じため、録画重視の方でも満足できるかもしれません。
どちらの製品も量子ドットによる広色域と60 Wの7スピーカー構成を備えており、映画や音楽ライブを臨場感豊かに再生できます。
55Z870N
- レグザ(Regza)
- 価格¥169,169(2025/09/19 05:50時点)
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55Z870M
- レグザ(Regza)
- 価格¥146,000(2025/09/19 05:48時点)
- Amazonで口コミ・レビューを見る
一覧表で詳細比較
主な仕様を一覧表で詳細に比較すると次のようになります。
項目 | 55Z870N | 55Z870M |
---|---|---|
発売年月日 | 2024年5月31日 | 2023年4月21日 |
外観 | ![]() | ![]() |
パネル方式 | 4K Mini LED液晶 ◎ | 4K Mini LED液晶 |
最大輝度 | 約30%向上 ◎ | 標準 |
色再現制御 | 36色軸 ◎ | 28色軸 |
プロユース映像設定 | 搭載 ◎ | 非搭載 |
ゲーミング機能 | ゲーミングメニュー ◎ | 記載なし |
ネット連携 | 番組こねくと ◎ | 非対応 |
画面解像度 | 3840 × 2160 | 3840 × 2160 |
HDR対応 | HDR10+ Adaptive、Dolby Vision IQ、HDR10、HLG | 同じ |
スピーカー出力 | 60 W (7スピーカー) | 60 W (7スピーカー) |
チューナー数 | 新4K衛星×2、地デジ×9、BS/110度CS×3 | 同じ |
HDMI端子 | 4 (HDMI 2.1) | 同じ |
年間消費電力量 | 121 kWh/年 ◎ | 125 kWh/年 |
外形寸法 (スタンド含む) | 幅167.4 cm × 高さ101.9 cm × 奥行35.1 cm | 幅167.4 cm × 高さ100.6 cm × 奥行35.0 cm |
質量 (スタンド含む) | 46.0 kg | 47.0 kg |
参考価格 | ¥169,169〜(2025/09/19 05:50) | ¥146,000〜(2025/09/19 05:48) |
共通の機能
55Z870Nと55Z870Mには、広色域量子ドット、レグザエンジンZR、タイムシフトマシンの機能が搭載されています。これらの機能について簡単にみてみましょう。
広色域量子ドット
量子ドットは直径数ナノメートルの半導体粒子で、光を当てると純度の高い赤・緑・青光を発します。この特性をバックライトに応用することで、両機は一般的な液晶テレビより広い色域を再現します。鮮やかな自然の風景やアニメーションを明るく表示できることが魅力です。
レグザエンジンZR
レグザエンジンZRは高性能映像処理プロセッサで、超解像やノイズ低減をリアルタイムに実行します。コンテンツの解像度を4Kに合わせて補間するため、地上波放送やインターネット動画も高精細に再生できます。操作レスポンスも同じで、リモコン入力に対する画面の反応が速いです。
タイムシフトマシン
タイムシフトマシンは、複数チャンネルを常時録画し、最大80時間程度さかのぼって番組を再生できる機能です。外出中に録画予約を忘れた番組も帰宅後に見られるため、テレビ番組の視聴スタイルが自由になります。
別売り品
Z870N と Z870M の録画機能を使う場合に必要となる USB ハードディスクが別売り品として販売されています。
品名 | 外観 | 説明 | 参考価格 |
---|---|---|---|
REGZA D シリーズ THD-250D2 | ![]() | タイムシフトマシン録画と通常録画に対応する USB ハードディスク。24 時間連続稼働に対応。ファンレス設計。 | ¥19,000〜(2025/09/19 05:48) |
REGZA D シリーズ THD-500D2 | ![]() | タイムシフトマシン録画と通常録画に対応する USB ハードディスク。24 時間連続稼働に対応。 | − |
REGZA D3 シリーズ THD-600D3 | ![]() | タイムシフトマシン録画と通常録画に対応する USB ハードディスク。ファンレス設計。縦置きと横置きに対応。 | ¥28,707〜(2025/09/19 05:48) |
まとめ
REGZAの55Z870Nと55Z870Mは、Mini LEDバックライトと量子ドットを組み合わせた4K液晶テレビで、広い色域と高音質スピーカーを共通で備えています。
選ぶ基準としては、より高輝度な映像、詳細な画質調整、ネット連携を求めるなら55Z870Nがおすすめです。価格を抑えつつMini LEDの4K映像とタイムシフトマシンを活用したいなら55Z870Mを検討するとよいでしょう。
参考文献
55Z870N
- レグザ(Regza)
- 価格¥169,169(2025/09/19 05:50時点)
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55Z870M
- レグザ(Regza)
- 価格¥146,000(2025/09/19 05:48時点)
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