エルゴトロンLX長身ポールの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。

「エルゴトロンLX長身ポール」は、デスクモニターアームの定番商品です。「とりあえずエルゴトロンを買っとけば間違いない。」とは言われるものの、可動範囲はそれほど広いわけではありません。そのため購入前には、モニタを置きたい場所までアームが届くか、アームやベースが壁や机に干渉しないかを確認することが必要です。

ここでは、エルゴトロンLX長身ポールの正確な寸法を使って、出せる高さや、奥行き、横移動範囲、壁当て時の奥行きを紹介します。

 

LXとMXVについては、次のページで紹介しています。

高さ・上下方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

最大高さ

エルゴトロンLX長身ポールの最大高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、562 mmです。(= 272 + 100 + 190 mm)

「エルゴトロンLX」の440 mmと比べると、122 mm高くすることが出来ます。

これはモニタを垂直に設置した場合です。モニタを上向きにすると、アームヘッドの厚み分だけわずかですが持ち上がります。

 

実際にアームを一番上まで上げたときに、モニタの上端・下端がどの高さになるかは、モニタのサイズやVESAマウントの位置に依ります。お持ちのモニタのVESAマウントの位置を測定しておきましょう。

23.7インチ

例えば23.7インチのLG 24MD4KL-Bの場合、モニタ高さは329 mmで、VESAマウントはほぼ中央にありますので、次のようになります。

上端: 562 + 329/2 = 726 mm
下端: 562 – 329/2 = 398 mm

 

23.7インチの液晶をデュアルディスプレイで上下に並べたい場合は、モニタ高さが 329mmなのに対し、下端が398 mmですので、2枚入ることがわかります。

27インチ

27インチの液晶LG 27UQ850-Wだと、モニタ高さが364 mmあり、VESAマウントはほぼ中央にありますので、次のようになります。

上端: 562 + 364/2 = 744 mm
下端: 562 – 364/2 = 380 mm

 

27インチの液晶も、モニタのVESAマウントが中央にあれば、上下にギリギリ並べられますね。

31.5インチ

31.5インチのLG 32UN880-Bだと、モニタ高さは420 mmです。

上端: 562 + 420/2 = 772 mm
下端: 562 – 420/2 = 352 mm

最小高さ

ポールの下端に第一アームを固定したとき

エルゴトロンLX長身ポールの最小高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、-14 mmです。(= 51 + 100 – 330/2 mm)

そのため、モニタの下端が机表面に当たるまで下げることができますし、アームが干渉しないようにすれば机より下にモニタを配置することもできます。

ポールの上端に第一アームを固定したとき

最大高さを出すためにポールの上端に第一アームを取り付けているとき、第二アームだけを動かしてモニタを下げた場合、最小高さは 207 mmです。(= 272 + 100 – 330/2 mm)

高さ329 mmの23.7インチ液晶では、モニタの下端が4 cmほど机表面から浮くことになります。

9 kgを超えるモニタのとき

9 kgを超える( 最大 11.3 kgまで )モニタを取り付ける場合は、下方向の移動が最大114 mm制限されます。

その場合の最小高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、100 mmとなります。(= 51 + 100 – 330/2 + 114 mm)

ポールの上端に第一アームを固定したときは、321 mmとなります。(= 272 + 100 – 330/2 + 114 mm)

ただ、最近のLEDバックライトの液晶では、31.5インチLG 32UN880-Bでも 6.5 kgしかありません。
 

奥行き・前後方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

 

大きく前方向に動かすときは、アームは、ポールとモニタの間に位置して干渉しにくく、あまり注意することはありません。一方で、モニタを壁やポール近くで動かしたいときには、アームが干渉しないように注意する必要があります。

最大奥行き

  

奥行きは、アームを最大限伸ばしたとき、デスクマウント後ろからVESAマウントまでで、650 mmです。( = 40 + 231 + 293 + 86 mm)

モニタ表面までだと、これにモニタの厚みが加わります。

 

また第二アームを水平ではなく上下に動かしている場合、奥行きは最大で78 mm短くなります。最高点・最下点まで動かしているとき、最大奥行きは572 mmです。( = 40 + 231 + 215 + 86 mm)

壁当て時の最小奥行き

アームヘッドの厚みが98 mmありますので、壁にビタ付けする場合でも、これとモニタの厚み分だけ出っ張ります。

45 mm厚のモニタ(LG 27UQ850-W)の場合、143 mm (= 98+45 mm)出っ張ります。

このモニタのVESAマウントは凹んでいるので厳密にはあと数ミリ小さくなります。しかし、モニタ付属スタンドの出っ張りが 180 mmくらいですので、あまりかわりませんね。

 

左右方向の項で説明していますが、壁当て時は左右の自由度についても注意してください。

机より後ろにモニタを配置する

ポールと第一アームの接続軸と、第一アームと第二アームの接続軸は360度回転しますので、机よりも後ろ(マウントより後ろ)にモニタを配置することも可能です。

 

ただ、アームを畳んだ状態でモニタを机の後ろ側に配置したい場合は、ポール・アーム・モニタが相互に干渉しないかは確認しておきましょう。

というのは、下の画像のようにアームを畳んだ状態からモニタを後ろに動かしていくと、モニタサイズによっては、モニタの下端とポールやアームが当たります。

 

第一アームと第二アームを一番上まで上げれば、回避できる場合もあります。

「LX長身ポール」だとポールが長い分、通常ポールよりもモニタに干渉しやすくなります。

横移動・左右方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

左右に動かすときも、机のすぐ後ろに壁があるときにはアームがぶつからないよう注意が必要です。

マウントを机の横に設置するとき

デスクマウントを机の横に設置して、モニタを机中央に持ってきて正面に向けるとき、左右の最大距離(マウントの端からVESA中央までの最大距離)は、564 mmです。( = 40 + 231 + 293 mm)

奥行きは650 mmまで行けるのになぜかというと、アームヘッドの厚みが86 mmあるからです。アームヘッドを90度曲げると、奥行きの場合と異なり、この86 mmの長さが失われてしまいます。

 

ですので、横幅120 cmの机を使っている場合は、中央まで持ってくるのに36 mm足りません。

 

また第二アームを水平ではなく上下に動かしている場合、奥行きの場合と同様に最大で78 mm短くなります。最高点・最下点まで動かしているとき、最大横距離は486 mmです。( = 40 + 231 + 215 mm)

横幅60cmのモニタだと、あまり横に移動しないなと感じるかもしれません。

壁当て時は、左右の自由度に注意

モニタを壁に付けて設置したい場合、アームの配置は上の2つの画像のように、アームを伸ばすか、アームを畳むかのいずれかになります。

どちらの場合でも、アームが壁に干渉するため、モニタを壁に付けたまま左右に動かすことはできません。

モニタは、第一アームと第二アームの接続部分を中心とした円に沿ってしか動きません。この状態では接続部分が横にあるため、モニタは前後にしか動きません(cos(theta)の微分がtheta=0で0ですので)。

 

左右に動かしたい場合は、第一アームと第二アームの接続部分をモニタより相対的に後ろにずらす必要があります(前にずらすとモニタに当たります)。

結局、左右に自由に動かしたい場合は、モニタを最大293 mm追加で前に出す(第二アームの長さ)か、机を壁から最大191 mm離す(231 – 40 mm)ことになります。

 

そのため、壁付けで設置する場合には、デスクマウントは左右位置を考慮して固定しましょう。穴をあけるグロメットマウントの場合は、穴あけ前に要確認です。

モニタマウント・仰俯角・チルト

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

VESAマウントサイズ

75mm角と100mm角のVESAマウントに対応しています。

仰俯角

上70度、下向きは5度です。これはLXと同じ可動範囲です。

「エルゴトロンMXV」だと上下90度動きますので、タブレットタイプの液晶を真上に向けたいとか、寝転がりながらモニタを見上げたいという場合には、そちらがおすすめです。

エルゴトロン MXV デスクモニターアーム スリムタイプ マットブラック 34インチ(3.2~9.1kg)まで対応 45-486-224

チルト・回転

チルト方向は360度回ります。

実際には、モニタのケーブルが絡まらないところまでということになります。

ポール

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

ポールの長さ

「エルゴトロンLX長身ポール」のポールの長さは 337 mmです。(机表面からポール上面までの高さ。)

エルゴトロンLXのポールの長さは、200 mmですから、それと比べ137 mm短いです。

 

「あと1 cmだけ上げたい」という場合は、マウント部に1 cmの板(ダイソーのMDF板など)を挟んで嵩上げする方法もあります。

ポールの太さ

直径35 mmのポールが使われています。

LX長身ポールのポールだけは販売されていません。「LXで長さが足りなくなったから、長いポールを使用したい」という場合には直径35 mmのサードパーティのポールを選ぶことになります。

 

ただ、LXとLX長身ポールの違いは、ポールの長さだけではありません。LX長身ポールのほうが、しっかりしたマウントが使われています。LXのマウントのまま、長いポールに交換して使うと、マウントの強度が不足する恐れがあります。

デスククランプ・グロメットマウント

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

設置可能な机の厚み

デスククランプ

デスククランプが取り付け可能な机の厚みは10~66 mmです。

机の厚みに合わせて、クランプの金具の位置も移動させます。

グロメットマウント

グロメットマウントでは直径 8~50 mmのグロメット用の穴が必要で、76 mmまでの作業面までの厚さの机に取り付け可能です。

本体色ホワイトには、グロメットマウントが付属しません。

机の表裏の必要スペース

デスククランプ

机の表面に、175×123 mmのスペースが必要になります。

裏側は、机を挟むプレートが78 mm内側に入るスペースが必要です。また、取っ手部分で91 mmが必要です。

 

 

結構大きなスペースが必要です。

机の横でクランプをしようという場合は、机脚が横にあることが多いので、クランプと干渉しないか確認する必要があります。

グロメットマウント

グロメットマウントの場合は、前方に72 mm、後方に48 mmのスペースが必要です。

まとめ

エルゴトロンLX長身ポールの寸法図を使って、モニタの可動範囲を紹介しました。

エルゴトロンLX長身ポールは最大34インチのモニターを動かすのに丁度よい寸法になるように設計されていますが、可動範囲は完全に自由自在というわけではありません。そのため購入前には、モニタを置きたい場所までアームが届くか、アームやベースが壁や机に干渉しないかを確認することが必要です。

 

以上、エルゴトロンLXの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。でした。

 

LXとMXVについては、次のページで紹介しています。

参考

 

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026