シャープの空気清浄機KC-30T7とKC-J50は何が異なるのでしょうか。違いは5つあります。わかりやすく紹介します。
次の記事では、シャープの空気清浄機の各機種について比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
5つの違い
KC-30T7は、2020年発売のトーカ堂オリジナルモデルで、KC-J50は2018年発売のシャープ公式モデルです。KC-J50は、後継機種としてKC-L50が2019年に、KC-N50が2020年に発売されていますが、性能は同じですので、価格が手頃になっているKC-J50が人気です。
この2つの機種の特徴は、KC-30T7は性能は控えめながらコンパクトさを重視したモデルで、KC-J50はよく使う機能がバランス良く搭載されたロングセラーモデルです。KC-J50の方が高性能な機種です。どちらもプラズマクラスター7000を搭載しています。
2つの機種は次の点が異なります。
- 最大風量
- 集じん・脱臭フィルター
- 加湿量・水容量・給水方式
- センサー・モニター・モード
- サイズ・重量
違いはこの後で詳しく見ていきますが、ほとんどの面で性能が違います。KC-J50の方が、空気清浄力と加湿能力が圧倒的に高いので、加湿空気清浄機としての性能を重視する場合には、KC-J50がおすすめです。
本体の価格はKC-J50の方が高いですが、KC-30T7は集じん・脱臭フィルターの交換目安が2年と短いため、2年以上使う予定であればKC-J50の方が実質的に安く使えます。
性能を表で比較すると次のようになります。
モデル | KC-30T7 | KC-J50 | KC-L50 | KC-N50 |
発売年 | 2020 | 2018 | 2019 | 2020 |
画像 | ||||
参考価格 | − | ¥23,580〜(2024/10/13 08:49) |
¥26,413〜(2024/10/13 08:49) |
– |
特徴 | トーカ堂オリジナルモデル。コンパクトさを重視する方におすすめ。 | 10年交換不要の静電HEPAフィルターを搭載したロングセラーモデル。 | ||
プラズマクラスター | 7000 | 7000 | ||
おすすめ畳数 | ~11 畳 | ~13 畳 | ||
加湿量 | 370 mL/h | 500 mL/h | ||
モデル | KC-30T7 | KC-J50 | KC-L50 | KC-N50 |
---|---|---|---|---|
無線LAN機能 | – | – | ||
フィルター | 集じんフィルター(HEPA)(交換目安:約2年) | 静電HEPAフィルター (10年間交換不要) |
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脱臭フィルター | 脱臭フィルター(交換目安:約2年) | ダブル脱臭フィルター (10年間交換不要) |
||
プレフィルター | プレフィルター | プレフィルター 使い捨てプレフィルター |
||
センサー | 温湿度 汚れ |
ニオイ 温度 湿度 |
||
モード | 自動/強/中/静音 花粉 パワー浄化 |
自動/強/中/静音 花粉 おやすみ パワフル吸じん |
||
モデル | KC-30T7 | KC-J50 | KC-L50 | KC-N50 |
きれいモニター | ◯ | ◯ | ||
数値モニター | 湿度 温度 |
– | ||
3段階湿度モニター | – | ◯ | ||
3段階PM2.5モニター | – | – | ||
みはり機能 | ◯ | – | ||
チャイルドロック | – | – | ||
モニター明るさ切り替え | 点灯/消灯 | 点灯/消灯 | ||
後ろルーバー自動開閉 | – | – | ||
モデル | KC-30T7 | KC-J50 | KC-L50 | KC-N50 |
最大風量 | 3.2 ㎥/分 | 5.1 ㎥/分 | ||
8畳の空気清浄時間 | 19 分 | 12 分 | ||
消費電力(50/60Hz) | 26 W | 54 W | ||
運転音 | 49 dB | 52 dB | ||
水タンク容量(約) | 1.8 L (トレー式) | 2.5 L | ||
外形寸法(mm) | 幅380×奥行197×高さ570 |
幅399×奥行230×高さ613
|
||
質量 | 6.8 kg | 7.5 kg | ||
参考価格 | − | ¥23,580〜(2024/10/13 08:49) |
¥26,413〜(2024/10/13 08:49) |
– |
それでは、違いについて詳しく見ていきましょう。
最大風量
空気清浄機は言ってしまえば、ファンで吸い込んだ空気をフィルターに通すことで、空気中の汚れを濾し取るだけの機械で、機構は掃除機と変わりありません。ファンの最大風量とフィルター性能の2つが空気清浄能力を決定します。
シャープの空気清浄機は、型番の数字が最大風量を表しています。最大風量が大きいほど、短い時間で部屋の空気を清浄することができます。
KC-30T7の最大風量は 3.2 ㎥/分で、KC-J50は 5.1 ㎥/分です。KC-J50の方が6割ほど風量が大きく、広い部屋でも余裕をもって使えます。
8畳で使用したときの清浄時間は、KC-30T7は19 分で、KC-J50は12 分です。イメージとしては、部屋に花粉が浮遊していたとしても、この時間があれば部屋のほとんどの空気が一回はフィルターを通るので花粉が減るという感じです。
おすすめの使用床面積は、KC-30T7は11 畳までで、KC-J50は13 畳までとなっています。ただこれは参考程度の数値です。もし8畳の部屋で使用するという場合でも、素早くしっかり清浄したいという場合には、KC-J50の方がよいでしょう。うちでは10畳の部屋で、~23畳用の空気清浄機を使用しており、これでちょうど良いと感じています。それでも黄砂が多い日にはPM2.5センサーが反応して、空気清浄が追いついていませんでした。
FU-H30というシャープの加湿能力なしの空気清浄機は、最大風量が3.0 ㎥/分で、KC-30T7と同等ですが、これは子ども部屋や寝室用として販売されています。KC-30T7も、子ども部屋や寝室などの小さめの部屋で使用するのに向いているでしょう。
集じん・脱臭フィルター
空気清浄能力を決めるもう一つの要素であるフィルター性能についてです。集じんフィルターと脱臭フィルターの2種類があります。集じんフィルターは不織布が蛇腹状に成形してあり、花粉やホコリなどを濾し取ります。脱臭フィルターは主に活性炭により、匂いの原因物質を吸着します。
KC-30T7は、集じんフィルター(HEPA)と、脱臭フィルターが搭載されています。交換目安は2年です。
KC-J50は、静電HEPAフィルターとダブル脱臭フィルターが搭載されています。交換目安は10年です。
フィルター性能は、KC-J50の方が良いような名前がついていますが、集じんできるもの・脱臭できるもののリストを比較すると同じです。どちらもHEPAフィルターですので、0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つという点は安心です。
KC-30T7で使用するフィルターは、トーカ堂オリジナルモデル専用のフィルターです。集じん・脱臭フィルターをセットで買うと5,000 円ほどします。
フィルター代も考慮すると、2年以上使うのであればKC-J50の方が安く済みそうです。
加湿量・水容量・給水方式
加湿性能について見てみましょう。
加湿量は、KC-30T7では370 mL/h、KC-J50では500 mL/hです。KC-J50の方が多く加湿できます。
鉄筋コンクリートよりも木造の方が、同程度に加湿する場合でも高い加湿能力が必要になります。部屋が小さくても木造の建物で使う場合はKC-J50の方がおすすめです。
タンク容量は、KC-30T7は1.8 Lで、KC-J50では2.5 Lです。KC-J50の方が一度に多くの水を補給できます。同じ加湿量で使用した場合には、KC-J50の方が長持ちします。それぞれフルパワーで加湿した場合には、どちらも5時間ほどで水がなくなります。
給水方式はKC-30T7はトレー式で、KC-J50はタンク式です。トレー式は、トレーに直接水を注いで給水します。やかんで水を持ってくるか、トレーを蛇口のあるところまで運んで水を注ぐということになりますが、慣れていないと水がこぼれますので注意が必要です。タンク式は蓋が締められますのでこぼれにくいです。
トレー式は扱いにくいですが、構造が簡単で本体を小さくできるという利点があります。
センサー・モニター・モード
その他の細かい違いについて見てみましょう。
センサーについて、KC-30T7は、温湿度と汚れセンサーの2つが、KC-J50にはニオイと温度と湿度センサーの3つが搭載されています。
モニターについて、KC-30T7は、温度と湿度を数値で表示することができます。KC-J50は湿度が3段階で表示されるだけです。
モードについては、KC-30T7は花粉・パワー浄化モードがあり、KC-J50には花粉・おやすみ・パワフル吸じんモードがあります。
センサーやモニター、モードが色々あると面白いのですが、清浄能力にはあまり関係のない部分ですのでそれほど気にしなくても良いでしょう。購入してしばらくすると自動モードにしてほったらかしということになると思います。
KC-30T7は温湿度が数値で表示されるので、温湿度計代わりになって便利かもしれませんね。
サイズ・質量
KC-30T7のサイズは、幅380×奥行197×高さ570 (mm)で、質量は6.8 kgです。
KC-J50のサイズは、幅399×奥行230×高さ613 (mm)で、質量7.5 kgです。
KC-J50の方が、幅は2 cmほど、奥行きは3 cmほど、高さは4 cmほど大きいです。KC-30T7の方がひとまわり小さいですので、コンパクトなほうが良い場合には、KC-30T7がおすすめです。
どちらがおすすめか
以上のように、空気清浄能力と加湿能力はKC-J50の方が高いです。そのため、加湿空気清浄機としての能力を重視する場合には、KC-J50がおすすめです。KC-J50では、集じん・脱臭フィルターの交換目安が10年と長くランニングコストを抑えることができるのも利点です。
一方で、KC-30T7はコンパクトなのが特徴です。子ども部屋や寝室などそれほど広くない部屋で使用するのであれば、KC-30T7がおすすめです。2年後にはフィルター代がかかりますが、初期費用を抑えたいという方にはKC-30T7の方が手頃で良いでしょう。
価格はつぎのようになっています。KC-J50とKC-L50、KC-N50の性能は同じです。
モデル | KC-30T7 | KC-J50 | KC-L50 | KC-N50 |
発売年 | 2020 | 2018 | 2019 | 2020 |
画像 |
||||
参考価格 | − | ¥23,580〜(2024/10/13 08:49) |
¥26,413〜(2024/10/13 08:49) |
– |
特徴 | トーカ堂オリジナルモデル。コンパクトさを重視する方におすすめ。 | 10年交換不要の静電HEPAフィルターを搭載したロングセラーモデル。 |
まとめ
シャープのKC-30T7とKC-J50は、どちらもプラズマクラスター7000を搭載した加湿空気清浄機です。KC-30T7は本体がコンパクトなのが特徴ですので、それほど広くない子ども部屋や寝室での使用におすすめです。KC-J50は、ほどよい空気清浄能力と加湿能力を持っており、13畳程度までの部屋におすすめです。10年交換不要のフィルターを搭載しており、ランニングコストを抑えることもできます。
次の記事では、シャープの空気清浄機の各機種について比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
以上、KC-30T7とKC-J50の5つの違い!でした。