ソニーのデジタル一眼カメラVLOGCAM ZV-E10とZV-E10L、ZV-E10Yは何が異なるのでしょうか。違いは一つあります。わかりやすく紹介します。
[参考記事] ZV-E10・α6400におすすめのレンズ保護フィルター。
目次
1つの違い
標準ズームレンズSELP1650
ZV-E10とZV-E10L、ZV-E10Yは、次のように付属するレンズだけが異なります。
- ZV-E10には、レンズは付属しない。
- ZV-E10Lには、薄型・軽量の標準ズームレンズ「SELP1650」が付属する。
- ZV-E10Yには、SELP1650に加えて、望遠ズームレンズ「SEL55210」が付属する。
本体は同じです。
違いを表で比較すると、次のようになります。
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
---|---|---|---|
名称 | ボディ | パワーズームレンズキット | ダブルズームレンズキット |
発売年 | 2021/9 | 2021/9 | 2023/5 |
外観 |
|||
付属レンズ数 | 0本 |
1本
|
2本
|
付属レンズ | ‐ | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS 望遠ズームレンズ SEL55210 E 55-210mm F4.5-6.3 OSS |
付属キャップ | ボディキャップ | レンズキャップ | レンズキャップ |
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
参考価格 ブラック |
¥85,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥99,800〜(2024/11/02 02:07) |
¥120,000〜(2024/11/02 02:07) |
ホワイト | ¥92,727〜(2024/11/02 02:07) |
¥96,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥117,000〜(2024/11/02 02:07) |
違いについて、詳しく見てみましょう。
パワーズームレンズ SELP1650の特徴
パワーズームレンズ SELP1650は、ZV-E10LとZV-E10Yに付属します。
このレンズは、エントリークラスのレンズですので高価なレンズと比べて画質は悪いと言われますが、軽量・コンパクトさはずば抜けていますし、カメラとセットで購入すると1万円程度ととても安いです。そのため、他のレンズの購入を検討している方でも、とりあえずこのレンズが付属するZV-E10Lをおすすめします。
特徴を詳しく紹介します。
薄型・軽量
薄型軽量なのが特徴で、ZV-E10の携帯性の良さを阻害しません。長さは29.9 mmで、重さは約 116 gです。
次の画像のように、レンズが本体からそれほど出っ張りません。
Eマウント純正ズームレンズで、この薄さ・軽さのレンズは他にありません。
普段からカメラをカバンに入れておいて、気になったものがあったときに気軽に撮影したい、という方におすすめのレンズです。
使いやすい画角・ズーム
焦点距離は 16-50 mmです。35mm判へ換算すると1.5倍して、24-75mmになります。iPhone 11~14の広角レンズの換算焦点距離が26 mmですので、だいたいiPhoneの1倍から、3倍ズームまでをカバーしています。
このような焦点距離をカバーするレンズは、標準ズームレンズと呼ばれており、風景からポートレート・スナップ写真・街撮りにと使いやすい一本です。
明るさは普通
レンズの明るさを表すF値は3.5-5.6であり、それほど明るいレンズではありません。
明るいレンズであれば暗い室内でもISO感度をそれほど高くしなくてよくなるため、ノイズが出にくくなります。また広角でも背景がボケやすくなり、雰囲気のある写真が撮れやすくなります。
ズームのできない単焦点レンズではF1.4やF1.8、F2.8などの明るいレンズがあります。しかし、ズームレンズに限ればF3.5-5.6というのは普通です。
高価なズームレンズでは、通しで(どの画角でも)F4というものもありますが、それだけ光を多く入れられる分、レンズが大きくなります。
レンズのコンパクトさや、ZV-E10のISO感度を上げてもノイズが入りにくいという性能を考えると、このF値は妥当だと思います。
一方で、ボケの強い写真を撮りたい場合には、単焦点レンズを検討すると良いでしょう。標準画角で使いやすい単焦点レンズはSEL35F18です。
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手ぶれ補正付き
SELP1650は、光学式手ブレ補正機能を内蔵しています。ソニーのレンズ内手ぶれ補正はOSSと呼ばれます。
ZV-E10やその上位機種α6400にはカメラ「本体」に手ぶれ補正機能が入っていませんので、レンズ側だけでも手ブレ補正が入っていると暗所や屋内での撮影に心強いです。
特に動画を撮りたい場合は、静止画よりも手ブレが気になります。電子式手ブレ補正機能(アクティブモード)が搭載されているZV-E10でも、レンズにも手ブレ補正が入っていると使いやすいです。
価格が安い
SELP1650を単体で購入すると、2023/5の実勢価格で2.7万円ほどします。
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しかし、SELP1650が付属するZV-E10Lは、ボディだけのZV-E10と比べて1万円ほどしか高くなく、実質1万円でSELP1650を購入できることになります。
SELP1650の中古品は執筆時点で1万円ほどで売買されていますので、より高価なレンズに乗り換えることになったら売ってしまえばほぼ損はしないということなります。
そのため、すでに他のレンズを持っていて、このレンズを使うかどうかわからないという方でも、とりあえずレンズ保護カバーのかわりくらいの気持ちで、SELP1650が付属するZV-E10Lを購入するのがおすすめです。
シャープさ(解像度)はエントリークラス
SELP1650は、より高価なレンズと比べると画面の端がソフトになる(くっきりとシャープにならない)傾向にあります。
そのため、カメラに熱中している方の中には「このレンズは買ってはいけない」という人もいます。
もしサブ機としてZV-E10を購入する方で、自分の撮影スタイルが決まっているのでしたら、その通りでより高価なレンズを選択するほうが良いと思います。
一方で、SELP1650はコスパがよいレンズですから、これまで携帯カメラやコンパクトデジカメしか触ったことのない方が、はじめてのミラーレス一眼として購入する場合には、とりあえずこのレンズが付属するセットを選ぶのが良いと思います。
ゆくゆくは単焦点レンズ一本でやっていきたいという方でも、自分の撮影スタイルにあった画角が35 / 50 / 75 mmのどれなのか、レンズの長さはどのくらいまで許容できるのか探す間だけでも、このレンズを使って、不要になったら売ればよいと思います。
SELP1650のまとめ
このようにSELP1650はスリムで軽量なのが特徴のレンズで、セットで購入すると1万円程度ととても安いです。
カメラにコンパクトさを求める方は、とりあえずくらいの気持ちで1本持っておいてよいと思いますし、サイズは気にせず他のレンズの購入を検討している方でも、焦点距離やF値・シャープさを検討する基準として、はじめにこのレンズがあると有用なのではないでしょうか。
そのため、ZV-E10かZV-E10Lかで迷っている場合は、このレンズが付属するZV-E10Lをおすすめします。
私もZV-E10Lを購入しました。
(購入時にZV-E10が売り切れでした。)
家の小物や飲み物をただ撮るだけでも美麗な絵になるので、インスタをしている方にもおすすめです。
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
---|---|---|---|
名称 | ボディ | パワーズームレンズキット | ダブルズームレンズキット |
発売年 | 2021/9 | 2021/9 | 2023/5 |
外観 |
|||
付属レンズ数 | 0本 | 1本 | 2本 |
付属レンズ | ‐ | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS 望遠ズームレンズ SEL55210 E 55-210mm F4.5-6.3 OSS |
付属キャップ | ボディキャップ | レンズキャップ | レンズキャップ |
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
参考価格 ブラック |
¥85,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥99,800〜(2024/11/02 02:07) |
¥120,000〜(2024/11/02 02:07) |
ホワイト | ¥92,727〜(2024/11/02 02:07) |
¥96,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥117,000〜(2024/11/02 02:07) |
次の記事ではSELP1650に適合するレンズ保護フィルターを紹介しています。
望遠ズームレンズ SEL55210の特徴
望遠ズームレンズ SEL55210は、ZV-E10Yにのみ付属します。
ZV-E10とZV-E10Lは2021年に発売されたカメラですが、ダブルズームレンズキットのZV-E10Yは2023年5月に追加されたセットです。
ZV-E10を購入する動機が、風景やスナップ写真ではなく、野鳥・鉄道・子供の運動会などである場合には、ズームレンズを購入するのがおすすめです。
安価な望遠ズームレンズ
SEL55210は安価な望遠ズームレンズであり、ZV-E10本体が8万円なのに、さらにレンズに8万円前後もかけられないという場合は唯一の選択肢となります。
ただこのダブルズームレンズキット(ZV-E10Y)について言えば、SEL55210の単品の価格が2.7万円で、ZV-E10LとZV-E10Yの差額も2.7万円弱なので、もうSEL55210を購入することを決めているという方以外は、このキットを選ぶ必要はないかもしれません。
SEL55210は、中古では1.7万円ほどで売買されていますので、中古を購入するのも手です。
SEL55210の焦点距離は、55-210mm(換算で82.5-315mm)、明るさは F4.5-6.3、手ブレ補正OSSあり、全長108mm、重さ345 gです。
望遠レンズとしては軽いほうです。
シャープさについては、高価なレンズと比べるとやはり画面の端がソフトになりやすいです。とはいえ、撮った画像を拡大して比較するとソフトだという話ですので、SNSにアップロードするような解像度であればこれで十分かもしれません。また望遠で撮ると背景はボケますので、周辺解像度は必要ないという意見もあります。商品紹介の写真作例を見て、解像度が気にならなければこれで良いでしょう。
他の望遠レンズを検討しても
一方で、上で紹介した標準ズームレンズのSELP1650はスリムさが他のレンズにない特徴でしたが、SEL55210の特徴は価格くらいですので、よりよいシャープさ(画質)のために8~10万円のレンズも検討できる場合には、ほかのレンズも検討してみても良いでしょう。
例えば次のようなものがあります。
SEL70350Gは、Gレンズという上位シリーズの望遠ズームレンズです。解像度が高いです。手ブレ補正もあります。全長142 mm、重さ625gと大きめですが、ズームレンズとしてはコンパクトな方です。同等の望遠距離では、SEL55210よりも解像度が一つ良いレンズがこのレンズになります。
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SEL18135は望遠ズームというより、広角から中望遠までをカバーする高倍率ズームレンズです。18-135 mmを1本でカバーします。設計が新しいレンズであり、価格の割にシャープです。望遠端は135 mm(換算202 mm)ですが、SEL55210の210 mm(換算315 mm)よりもシャープに写ってしまうので、このSEL18135の135 mmで撮ってトリムするほうが綺麗な写真になるとされます。RAWでは歪がありますが、JPEGではカメラ内部で補正がかかって綺麗になります。長さは88 mm、重さは325gで比較的コンパクトです。
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SEL18200も高倍率ズームレンズで、E18-200 mmの範囲をカバーします。解像度はSEL55210と同等とされます。レンズを付け替えなくても広角側も撮れるというのが利点です。重さはSEL55210よりあります。
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どれがおすすめか
このように、ZV-E10とZV-E10L、ZV-E10Yの違いは付属レンズだけです。
場合に応じたおすすめの機種は、次のようになります。
- すでに他にレンズを持っているとか、使いたいレンズが決まっている方にはZV-E10がおすすめです。
- 初めてのミラーレスカメラだという方には、コンパクトでコスパのよい標準ズームレンズが付属するZV-E10Lがおすすめです。
- 鳥・鉄道・運動会を撮りたいという方で、望遠レンズに追加で10万円もかけられないという方には、ZV-E10Yがおすすめです。
ZV-E10はAPS-Cサイズのエントリーモデルにもかかわらず、24メガピクセル (6000×4000ピクセル)という高密度センサーを搭載しています。ZV-E1という30万円ほどする上位機種はフルサイズセンサーですが、解像度は12メガピクセル(4240 x 2832ピクセル)であり、実は解像度は落ちます。
ZV-E10は良いセンサーを搭載しているため、GMレンズやGレンズなどの良いレンズを取り付けるととても綺麗な写真が撮れます。キットレンズに慣れたら、ぜひ他のレンズも試してみてくださいね。
価格と機能を表で比較
価格と機能を表で比較すると次のようになります。
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
---|---|---|---|
名称 | ボディ | パワーズームレンズキット | ダブルズームレンズキット |
発売年 | 2021/9 | 2021/9 | 2023/5 |
外観 |
|||
付属レンズ数 | 0本 | 1本 | 2本 |
付属レンズ | ‐ | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS | パワーズームレンズ SELP1650 E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS 望遠ズームレンズ SEL55210 E 55-210mm F4.5-6.3 OSS |
付属キャップ | ボディキャップ | レンズキャップ | レンズキャップ |
型番 | ZV-E10 | ZV-E10L | ZV-E10Y |
参考価格 ブラック |
¥85,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥99,800〜(2024/11/02 02:07) |
¥120,000〜(2024/11/02 02:07) |
ホワイト | ¥92,727〜(2024/11/02 02:07) |
¥96,000〜(2024/11/02 02:07) |
¥117,000〜(2024/11/02 02:07) |
まとめ
ZV-E10とZV-E10L、ZV-E10Yの違いは付属レンズです。ZV-E10は本体のみ、ZV-E10Lは標準ズームレンズが付属、ZV-E10Yは標準ズームレンズと望遠ズームレンズが付属します。
以上、ZV-E10とZV-E10L、ZV-E10Yの一つの違い。でした。
[参考記事]
参考
ZV-E10 ボディ
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- 価格¥92,727(2024/11/02 02:07時点)
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ZV-E10L パワーズームレンズキット
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- SONY(ソニー)
- 価格¥96,000(2024/11/02 02:07時点)
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ZV-E10Y ダブルズームレンズキット
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