アイリスオーヤマの充電式ドライバドリルJCD28と、充電式インパクトドライバJID80は、手頃な価格が人気です。これらは何が異なるのでしょうか。違いは3つあります。わかりやすく紹介します。
3つの違い
アイリスオーヤマのJCD28は「充電式ドライバドリル」で、JID80は「充電式インパクトドライバ」です。
ドライバドリルは、家具の組み立てなど、傷をつけずにキレイに組み立てたいもののネジ締めに使う工具です。手でねじを締めるのは大変だから電動工具が欲しいという方は、このドライバドリルを選びましょう。
もう一方のインパクトドライバは、回転とともに打撃を加えて、ネジをパワフルに「打ち込む」ための工具です。堅い木材に対しても木ネジを早く大量に打ち込むことができるので、ウッドデッキやベッドの製作に向いています。大工さんが家を建てるときに「チュィーン、タタン!」と音をたてながらネジを打つところを見たことがあるかもしれませんが、そのような作業に使う工具がインパクトドライバです。庭にウッドデッキを作りたいという方は、こちらを選びましょう。
JCD28とJID80は、このように用途が異なる工具ですが、性能を比較するなら次の点が異なります。
- 締め付けトルクと回転数
- トルク調節可能か
- チャック形状
表で比較すると次のようになります。
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
---|---|---|
外観 |
||
最大締め付けトルク | 28 N・m | 80 N・m |
回転数 | 二段階切り替え 無負荷回転数1(低速) 0-350 min-1 無負荷回転数2(高速) 0-1300 min-1 |
無負荷回転数 0-2000 min-1 打撃数 0-3500 min-1 |
クラッチ | 13 段階にトルク調節可能 | なし |
チャック | 最大把握径 10 mm (6.35 mm 6角軸も取り付け可) |
6角軸(2面幅6.35 mm) |
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
参考価格 | ¥5,636〜(2025/01/15 11:51) |
¥7,800〜(2025/01/15 11:51) |
違いについて詳しく見てみましょう。
締め付けトルクと回転数
最大締め付けトルクは、JCD28は 28 N・mで、JID80は 80 N・mです。
締め付けトルクのある方が、堅い木材に長いネジを打ち込むことができます。ただ、パワーがあればどんな作業でも使えるというものでもなく、小さいネジに対して強すぎるパワーを加えると、ネジ山を潰したり、ネジを折ったりする結果になりますので、インパクトドライバは繊細な作業には向いていません。作業にあった工具選択をすることが重要です。
マキタの10.8 Vドライバドリルの最大締め付けトルクは22 N・m程度ですから、JCD28の28 N・mという値は、このクラスのドライバドリルとして小さいわけではありません。
JCD28のスピード調整機能
回転数については、JCD28は2段階で回転数を切り替えるスイッチがあります。無負荷時の回転数は、低速選択時は、0-350 min-1で、高速選択時は0-1300 min-1です。低速の350 min-1でも、1秒間に約6回 回転します。
JID80は、回転数の切り替えスイッチはなく、無負荷回転数は 0-2000 min-1です。打撃数は、0-3500 min-1です。
どちらの機種も、トリガースイッチの握り方によって回転数が変わりますので、JID80でも慣れればゆっくり回すこともできます。通常は、始めはゆっくり回し、ネジが入ったら高速で回すようにします。
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
---|---|---|
最大締め付けトルク | 28 N・m | 80 N・m |
回転数 | 二段階切り替え 無負荷回転数1(低速) 0-350 min-1 無負荷回転数2(高速) 0-1300 min-1 |
無負荷回転数 0-2000 min-1 打撃数 0-3500 min-1 |
トルク調節
JCD28のトルク調節機能
ドライバドリルのJCD28には、トルク調節機能が付いています。13 段階にネジを締める強さを調整することができ、ネジを強く締めすぎて家具を壊すということを防ぐことができます。
繊細な作業向けのドライバドリルならではの機能です。
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
---|---|---|
クラッチ | 13 段階にトルク調節可能 | なし |
チャック形状
チャックの形状も異なります。
次の画像はJCD28のチャック形状です。
10 mmまでの丸軸ビットや、対角6.35 mmの6角軸ビットを使用することができます。
次の画像は、JID80のビット形状です。
対角6.35 mmの6角軸ビットを使用することができます。
JID80では丸軸のビットは使えません。どちらにせよ6角でないと、打撃でビットが滑らないか心配になりますね。
どちらがおすすめか
このように、ドライバドリルのJCD28は、そこそこのトルクと回転数があり、回転数の高低の切り替えや、トルク調節機能があります。一方で、インパクトドライバのJID80は、パワフルなトルクと回転数があります。回転数は、トリガースイッチの握り方によって調整します。
ドライバドリルのJCD28は、次のような方におすすめです。
- 家具の組み立てなどの、繊細な作業に使用したい。
- キレイに組み立てたい。ネジを締め込むのに失敗して、木材が傷つくと困る。
- 手でねじを締めるのは大変なので、電動でネジ締めができる工具を探している。
インパクトドライバのJID80は、次のような方におすすめです。
- ネジをパワフルに素早く大量に打ち込みたい。
- 堅い木材に対して長い木ネジを打ち込みたい。
- ウッドデッキやベッドの製作に使いたい。
- キレイさよりもスピード重視。ネジの打ち込みに失敗しても、もう一本打ち込めばよい。
インパクトドライバは、「ドライバドリルはすでに持っているけど、それでウッドデッキを作るのはパワーが足りなくて無理そうなので、インパクトドライバを欲しい。」という流れで購入を検討することが多いですので、ドライバドリルとインパクトドライバの間で迷うことはないと思います。
そのため、ドライバドリルとインパクトドライバのどちらを買うか迷っている場合は、ドライバドリルを選んでおけば大抵は間違いないです。
アイリスオーヤマのドライバドリルやインパクトドライバは、価格が手頃なのが魅力です。細かい使い勝手や耐久性については、やはりマキタなどの他社製品に軍配が上がりますが、価格は倍くらいします。
ときどき使用したいという用途であれば、アイリスオーヤマのドライバドリル・インパクトドライバでも十分な機能・性能を備えています。JCD28やJID80は、はじめてドライバドリルやインパクトドライバを買うという方におすすめです。
性能を一覧表で比較
JCD28とJID80の価格や仕様を、一覧表にまとめました。
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
---|---|---|
外観 |
||
参考価格 | ¥5,636〜(2025/01/15 11:51) |
¥7,800〜(2025/01/15 11:51) |
用途 | トルク調整が可能。傷をつけずにキレイに組み立てできる。家具の組立など、繊細さが必要とされるネジ締め向き。 | 回転と打撃(インパクト)の組み合わせで、厚みのある堅い木材でもパワフルにネジ締めできる。ウッドデッキやベッドの製作など、パワーの必要なDIY向き。 |
主な機能 | LEDライト ワンタッチ正逆転切替 握った分だけスピード調整 13段階トルク調節 回転数二段階切り替え |
LEDライト ワンタッチ正逆転切替 握った分だけスピード調整 |
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
最大締め付けトルク | 28 N・m | 80 N・m |
回転数 | 二段階切り替え 無負荷回転数1(低速) 0-350 min-1 無負荷回転数2(高速) 0-1300 min-1 |
無負荷回転数 0-2000 min-1 打撃数 0-3500 min-1 |
クラッチ | 13 段階にトルク調節可能 | なし |
チャック | 最大把握径 10 mm (6.35 mm 6角軸も取り付け可) |
6角軸(2面幅6.35 mm) |
機種 | ドライバドリル JCD28 | インパクトドライバ JID80 |
定格電圧 | DC 10.8 V | DC 10.8 V |
充電池容量 | 1500 mAh | 1500 mAh |
充電池 | リチウムイオン電池 | リチウムイオン電池 |
充電時間 | 1 時間 | 1 時間 |
付属ビット数 | 10 種類 (プラスビット:PH1/PH2×2本/PH3;マイナスビット:4.0/5.0/6.0㎜;六角ビット:H4/H5/H6) |
10 種類 (プラスビット:PH1/PH2×2本/PH3;マイナスビット:4.0/5.0/6.0㎜;六角ビット:H4/H5/H6) |
本体サイズ | 幅200x奥行70x高さ210 mm | 幅180x奥行70x高さ210 mm |
重さ | 本体 830 g バッテリー 220 g |
本体 800 g バッテリー 220 g |
付属品 | 充電式リチウムイオン電池(1個)、ACアダプター、充電器(1個)、ビットセット(10種) | 充電式リチウムイオン電池(1個)、ACアダプター、充電器(1個)、ビットセット(10種) |
本体サイズと重さも異なりますが、違いはわずかです。
共通性能
共通の機能についてみてみましょう。
充電式
充電式なので、高い場所や狭い場所、屋外でも、電源コードの取り回しに気を使わずに作業することができます。
LEDライト
LEDライトが付いているので、本棚の内側など暗い部分でも、見やすく快適に作業することができます。
ワンタッチ正逆転切替
手元にある正逆転切替スイッチで、ワンタッチで回転方向を切り替えることができます。
10種類のビットが付属
プラスビット4本、マイナスビット3本、六角ビット3本が付属していますので、追加購入の必要なくすぐに作業に使うことができます。もちろん市販のビットを使用することもできます。
まとめ
アイリスオーヤマのJCD28はドライバドリルで、家具の組み立てなど繊細なネジ締めにおすすめです。JID80はインパクトドライバで、ウッドデッキの製作などパワフルなネジ締めにおすすめです。
以上、JCD28とJID80の3つの違い。ドライバドリルとインパクトドライバ。でした。
参考
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