エルゴトロンLXの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。

エルゴトロンLXは、デスクモニターアームの定番商品です。「とりあえずエルゴトロンを買っとけば間違いない。」とは言われるものの、可動範囲はそれほど広いわけではありません。そのため購入前には、モニタを置きたい場所までアームが届くか、アームやベースが壁や机に干渉しないかを確認することが必要です。

ここでは、エルゴトロンLXの正確な寸法を使って、出せる高さや、奥行き、横移動範囲、壁当て時の奥行きを紹介します。

 

LX長身ポールとMXVについては次の記事で紹介しています。

 

高さ・上下方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

最大高さ

エルゴトロンLXの最大高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、440 mmです。(= 150 + 100 + 190 mm)

これはモニタを垂直に設置した場合です。モニタを上向きにすると、アームヘッドの厚み分だけわずかですが持ち上がります。

 

実際にアームを一番上まで上げたときに、モニタの上端・下端がどの高さになるかは、モニタのサイズやVESAマウントの位置に依ります。お持ちのモニタのVESAマウントの位置を測定しておきましょう。

23.7インチ

23.7インチのLG 24MD4KL-Bの場合、モニタ高さは329 mmで、VESAマウントはほぼ中央にありますので、次のようになります。

上端: 440 + 329/2 = 604 mm
下端: 440 – 329/2 = 276 mm

 

23.7インチの液晶をデュアルディスプレイで上下に並べたい場合は、モニタ高さが 329mmなのに対し、下端が276 mmなので、エルゴトロンLXでは無理なのがわかります。LX長身ポールか、デュアルモニタ用のエルゴトロンを選択することになります。

27インチ

例えば 27インチの液晶LG 27UQ850-Wだと、モニタ高さが364 mmあり、VESAマウントはほぼ中央にありますので、次のようになります。

上端: 440 + 364/2 = 622 mm
下端: 440 – 364/2 = 258 mm

 

 私の場合は、MacBook Pro 16インチを27インチモニタの下に配置したいと思っていましたが、macbookのモニタの上端は250 mm程度で、アームの下端は258mmですので、余裕はないですがギリギリ設置できることがわかりました。

31.5インチ

31.5インチのLG 32UN880-Bだと、モニタ高さは420 mmです。

上端: 440 + 420/2 = 650 mm
下端: 440 – 420/2 = 230 mm

 

高さが足りない場合には、「エルゴトロンLX長身ポール」を選択しましょう。

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

最小高さ

ポールの下端に第一アームを固定したとき

エルゴトロンLXの最小高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、-14 mmです。(= 51 + 100 – 330/2 mm)

そのため、モニタの下端が机表面に当たるまで下げることができますし、アームが干渉しないようにすれば机より下にモニタを配置することもできます。

ポールの上端に第一アームを固定したとき

最大高さを出すためにポールの上端に第一アームを取り付けているとき、第二アームだけを動かしてモニタを下げた場合、最小高さは 85 mmです。(= 150 + 100 – 330/2 mm)

高さ329 mmの23.7インチ液晶でも、モニタの下端が机表面に当たるまで下げることができます。

9 kgを超えるモニタのとき

9 kgを超える( 最大 11.3 kgまで )モニタを取り付ける場合は、下方向の移動が最大114 mm制限されます。

その場合の最小高さは、机表面から VESAマウントの中央までで、100 mmとなります。(= 51 + 100 – 330/2 + 114 mm)

ポールの上端に第一アームを固定したときは、199 mmとなります。(= 150 + 100 – 330/2 + 114 mm)

ただ、最近のLEDバックライトの液晶では、31.5インチLG 32UN880-Bでも 6.5 kgしかありません。
 

奥行き・前後方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

 

大きく前方向に動かすときは、アームは、ポールとモニタの間に位置して干渉しにくく、あまり注意することはありません。一方で、モニタを壁やポール近くで動かしたいときには、アームが干渉しないように注意する必要があります。

最大奥行き

奥行きは、アームを最大限伸ばしたとき、デスクマウント後ろからVESAマウントまでで、650 mmです。( = 40 + 231 + 293 + 86 mm)

モニタ表面までだと、これにモニタの厚みが加わります。

 

また第二アームを水平ではなく上下に動かしている場合、奥行きは最大で78 mm短くなります。最高点・最下点まで動かしているとき、最大奥行きは572 mmです。( = 40 + 231 + 215 + 86 mm)

壁当て時の最小奥行き

アームヘッドの厚みが98 mmありますので、壁にビタ付けする場合でも、これとモニタの厚み分だけ出っ張ります。

45 mm厚のモニタ(LG 27UQ850-W)の場合、143 mm (= 98+45 mm)出っ張ります。

このモニタのVESAマウントは凹んでいるので厳密にはあと数ミリ小さくなります。ただモニタ付属スタンドの出っ張りが 180 mmくらいですので、あまりかわりません。

 

左右方向の項で説明していますが、壁当て時は左右の自由度についても注意してください。

机より後ろにモニタを配置する

ポールと第一アームの接続軸と、第一アームと第二アームの接続軸は360度回転しますので、机よりも後ろ(マウントより後ろ)にモニタを配置することも可能です。

 

ただ、アームを畳んだ状態でモニタを机の後ろ側に配置したい場合は、ポール・アーム・モニタが相互に干渉しないかは確認しておきましょう。

というのは、下の画像のようにアームを畳んだ状態からモニタを後ろに動かしていくと、モニタサイズによっては、モニタの下端とポールやアームが当たります。第一アームと第二アームを一番上まで上げれば、回避できる場合もあります。

「LX長身ポール」だとポールが長い分、モニタに干渉しやすくなります。

 

例えば高さ364 mmの27インチ液晶を最高位置でホールドした場合はポールに干渉せず、モニタ面を机の端と合わせることができます。

横移動・左右方向

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

左右に動かすときも、机のすぐ後ろに壁があるときにはアームがぶつからないよう注意が必要です。

マウントを机の横に設置するとき

デスクマウントを机の横に設置して、モニタを机中央に持ってきて正面に向けるとき、左右の最大距離(マウントの端からVESA中央までの最大距離)は、564 mmです。( = 40 + 231 + 293 mm)

奥行きは650 mmまで行けるのになぜかというと、アームヘッドの厚みが86 mmあるからです。アームヘッドを90度曲げると、奥行きの場合と異なり、この86 mmの長さが失われてしまいます。

 

ですので、横幅120 cmの机を使っている場合は、中央まで持ってくるのに36 mm足りません。

 

また第二アームを水平ではなく上下に動かしている場合、奥行きの場合と同様に最大で78 mm短くなります。最高点・最下点まで動かしているとき、最大横距離は486 mmです。( = 40 + 231 + 215 mm)

横幅60cmのモニタだと、あまり横に移動しないなと感じるかもしれません。

壁当て時は、左右の自由度に注意

モニタを壁に付けて設置したい場合、アームの配置は上の2つの画像のように、アームを伸ばすか、アームを畳むかのいずれかになります。

どちらの場合でも、アームが壁に干渉するため、モニタを壁に付けたまま左右に動かすことはできません。

モニタは、第一アームと第二アームの接続部分を中心とした円に沿ってしか動きません。この状態では接続部分が横にあるため、モニタは前後中心にしか動きません(cos(theta)の微分がtheta=0で0ですので)。

 

左右に動かしたい場合は、第一アームと第二アームの接続部分をモニタより相対的に後ろにずらす必要があります(前にずらすとモニタに当たります)。

結局、左右に自由に動かしたい場合は、モニタを最大293 mm追加で前に出す(第二アームの長さ)か、机を壁から最大191 mmほど離す(231 – 40 mm)ことになります。

 

そのため、壁付けで設置する場合には、デスクマウントは左右位置を考慮して固定しましょう。穴をあけるグロメットマウントの場合は、穴あけ前に要確認です。

モニタマウント・仰俯角・チルト

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

VESAマウントサイズ

75mm角と100mm角のVESAマウントに対応しています。

仰俯角

上70度、下向きは5度です。これはLX長身ポールと同じ可動範囲です。

「エルゴトロンMXV」だと上下90度動きますので、タブレットタイプの液晶を真上に向けたいとか、寝転がりながらモニタを見上げたいという場合には、そちらがおすすめです。

エルゴトロン MXV デスクモニターアーム スリムタイプ マットブラック 34インチ(3.2~9.1kg)まで対応 45-486-224

チルト

回転方向は360度回ります。

実際には、モニタのケーブルが絡まらないところまでということになります。

ポール

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

ポールの長さ

エルゴトロンLXのポールの長さは、200 mmです。(机表面からポール上面までの高さ。)

「エルゴトロンLX長身ポール」のポールの長さは 337 mmですから、それと比べ137 mm短いです。

もう少し高さを出したいときには、「LX長身ポール」を選択すると良いでしょう。あるいは「あと1 cmだけ上げたい」という場合は、マウント部に1 cmの板(ダイソーのMDF板など)を挟んで嵩上げする方法もあります。

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 長身ポール アルミニウム 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-295-026

ポールの太さ

直径35 mmのポールが使われています。

LX長身ポールのポールだけは販売されていません。「LXで長さが足りなくなったから、サードパーティの長いポールを使用したい」という場合には直径35 mmのポールを選ぶことになります。

 

ただ、LXとLX長身ポールの違いは、ポールの長さだけではありません。LX長身ポールのほうが、しっかりしたマウントが使われています。LXのマウントのまま、長いポールに交換して使うと、マウントの強度が不足する恐れがあります。

デスククランプ・グロメットマウント

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224

 

設置可能な机の厚み

デスククランプ

デスククランプが取り付け可能な机の厚みは10~60 mmです。

机の厚みに合わせて、クランプの金具の位置も移動させます。

グロメットマウント

グロメットマウントでは直径8~50mmのグロメット用の穴が必要で、57mmまでの厚さの机に取り付け可能です。

机の表裏の必要スペース

デスククランプ

机の表面に、156×111 mmのスペースが必要になります。

裏側は、机を挟むプレートが78 mm内側に入るスペースが必要です。また、取っ手部分で91 mmが必要です。

 

結構大きなスペースが必要です。

机の横でクランプをしようという場合は、机脚が横にあることが多いので、クランプと干渉しないか確認する必要があります。

グロメットマウント

グロメットマウントの場合は、前方に72 mm、後方に48 mmのスペースが必要です。幅は156 mmと同じです。

まとめ

エルゴトロンLXの正確な寸法を使って、モニタの可動範囲を紹介しました。

エルゴトロンLXは最大34インチのモニターを動かすのに丁度よい寸法になるように設計されていますが、可動範囲は完全に自由自在というわけではありません。そのため購入前には、モニタを置きたい場所までアームが届くか、アームやベースが壁や机に干渉しないかを確認することが必要です。

 

以上、エルゴトロンLXの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。でした。

 

LX長身ポールとMXVについては次の記事で紹介しています。

参考

 

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム マットブラック 34インチ(3.2~11.3kg)まで対応 45-241-224