kernel_taskのCPU使用率が高い問題は、Macbook Proの分解掃除で解決した。

Youtubeを見ているときに、kernel_taskのCPU使用率が上がり、Macbook Pro 16 inch (2019)が暴走・発熱するようになりました。これはソフトウェアが原因ではなく、ファンにホコリが溜まっていてMacbookの冷却が追いついていないためとのこと。半信半疑で分解掃除をしたところ、問題が完全に解決しましたので、その方法を紹介します。

問題

ChromeでYoutubeを数分ほど見ていると、macbookが激重になり動画がカクカクになります。ファンがまわり発熱します。

アクティビィティモニタをみると、kernel_taskのCPU使用率が上がっていることがわかりました。

Youtubeを停止してしばらくするとこれは収まり、再生して少しするとまたkernel_taskが暴走します。

原因

kernel_taskは、インデックス作成や何かしらのアップデートにより、CPUを使用することがありますが、今回はyoutubeの視聴と連動しているので原因が異なるようです。

外部ディスプレイをつないでいるせいか、Chromeの拡張機能のせいか、Adobe acrobatのせいかと思ったのですが、これらの有無を切り替えても、kernel_taskの暴走はやみませんでした。

 

調べてみると、Apple 公式のヘルプに次のような記載がありました。

kernel_task は、その機能の 1 つとして、CPU を集中的に使うプロセスの CPU 使用率を下げるというやり方で、温度管理を助けています。つまり、kernel_task は、Mac 本体の温度が高く感じられない場合でも、CPU の温度が上がり過ぎる原因となる状況に対処するプロセスです。それ自体がその状況を引き起こしているわけではありません。CPU の温度が下がれば、kernel_task の活動は自動的に治まります。

つまり、kernel_taskはなにか処理をしているわけではなく、「CPU温度が下がるまで他のプロセスの処理を妨害するために、CPU使用率を専有している」ということです。(延々とnop命令を打っているということでしょうか..。)

これはバッドノウハウな気もしますが、とにかくMacbookが十分に冷却できていないのが問題のようです。(intel CPUの場合は、「Intel Power Gadget」というアプリでCPU温度を確認できます。)

購入当初はYoutubeぐらいではファンが回っていなかった気がするので、ファンにホコリが溜まって冷却能力が落ちたようです。

対策

Macbook proの裏蓋を開けるのは億劫ですので、まずはキャニスター式の掃除機を使って、Macbook proの左右と後ろにある給排気口とキーボードから、フルパワーでホコリを吸い取りました。

耳が痛くなるくらい大きな風切り音を出してホコリを吸い取りましたが、結果は変わりませんでした。

 

仕方なくMacbook用の特殊ドライバーを購入して、裏蓋を開けてホコリを掃除したら、問題が解決しました。作業時間は30分程度でした。

方法を紹介します。

特殊ドライバーを購入

次のドライバーを購入しました。Macbook Pro 16インチ (2019)も、他のmacbook pro同様に、1.2 mmの5溝(星型)ドライバーが適合しました。

アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特殊 5溝 1.2mm No.3470-G

なお、iPhone用の0.8 mm 星型ドライバーやトルクスドライバーは持っていましたが、適合しませんでした。

裏蓋のネジを外す

裏蓋のネジ 上 2 本と下 4 本をはずします。上二本が長いです。

わざわざドライバーを買っただけあって、簡単に外れました。

裏蓋を開ける

下部(マウスパッドの裏辺り)にガムテープを貼って、蓋を1 mmほど持ち上げます。

隙間にそのへんに転がっていたレゴブロックの「ブロック外し」を差し込みます。これはカー用品の内張り外しでもなんでも、ご家庭にあるプラスチック板なら良いと思います。Macbook本体はアルミなので、マイナスドライバーだと本体を傷つける恐れがあります。

レゴ LEGO ブロックはずし

左右の爪を外す

左右の爪で裏蓋が止まっています。

プラスチック板を爪の近くまで移動して、そこで裏蓋をテコで持ち上げて、ポコポコと爪を外します。

次の画像のブロック外しが刺さっている場所あたりに爪があります。

 

爪が外れると、下部で裏蓋が1 cmくらい持ち上がるようになります。

上部の爪を外す

上部(タッチバーの裏辺り)は水平にスライドして外すタイプの爪がありますので、このまま裏蓋を持ち上げると裏蓋が曲がります。

下部にできた1 cmくらいの隙間に指をいれて、裏蓋を下にヨイショと引っ張ります。

上部に次のように隙間ができます。

すると、裏蓋が外れます。

ホコリを掃除機で吸う

ファンに2年半分のホコリが塊となって溜まっていました。

外からハイパワーの掃除機で吸っても全く吸えていなかったわけです。

 

このホコリを掃除機で吸い取りました。素人作業なのでエアダスターでも良いと思います。

エレコム エアダスター 逆さ使用OK 350ml ECO (フロンガス不使用) ダストブロワー AD-ECOMT 3本

ただエアダスターは「ホコリをより奥に押し込む道具」ですので、吹く方向に気をつけないと状況を悪化させます。

 

きれいになりました。ファンにこびりついた細かいホコリはそのままにします。1ヶ月もしたらこれくらいはまた溜まると思いますので。

 

蓋をもとに戻す

蓋をもとに戻して完了です。

直った

嘘のようですが、この作業の直後からYoutubeを再生しても、全くkernel_taskが登場しなくなりました。

「なんとなく直った気がする」ではなく、完全に問題が発生しなくなりました。ファンはあまり回ることがなくなり、ファン音はサーという高い音になりました。

まとめ

半年くらい前からときどきkernel_taskの暴走に悩まされていて、春になって症状が恒常化したので掃除しましたが、ドライバーさえ買えば30分でできる作業でしたので、もっと早くにやっておけばよかったです。

ノートパソコンもデスクトップ同様、ときどき掃除する必要がありますね。

 

アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特殊 5溝 1.2mm No.3470-G

参考