アマチュア無線でアンテナの調整に用いられるSWR計のSWRとは何か?どのくらいの値までなら大丈夫か?について紹介しています。
SWRとは
無線では、トランシーバーからアンテナに電力を送り(進行波, FWD)、アンテナ上で定在波を作って、電力を電波として空中に放出します。
ここで、トランシーバーとアンテナの整合状態が悪いと、電力がアンテナからトランシーバーへ戻って来てしまいます(反射波, REF)。
反射波が大きすぎるとトランシーバーが故障したり、電波障害が発生したりすることがあります。
アンテナの整合状態を表すのがSWR(Standing Wave Ratio, 定在波比)で、次の式で表せます。
ここで、Pfが進行波電力、Prが反射波電力です。
SWRはどのくらいまで大丈夫?
SWR値はどのくらいまで上がっても良いのでしょうか。
SWRは1以上の値になることが数式からわかります。
反射波が0のとき、SWRは1で、進行波が全て反射波として戻ってきたとき、SWRは無限大になります。
市販のアンテナの場合、SWRは1.5未満で使うことが勧められています。
SWR1.5というのはどのくらいの値なのでしょうか。
そして、入力電力がどれだけ大きくてもSWR1.5未満なら大丈夫なのでしょうか。
SWR値と反射波電力の割合
SWR 1~2
次に示すのは、SWR(変数x)と反射波電力の割合(f(x), Pr/Pf %)を示すグラフです。
このグラフからSWR1.5では、進行波電力の4%が反射波電力となっていることが分かります。
100W入力した場合は、4Wが返ってくるくらいですので、それぐらいなら大丈夫ということなのでしょう。
しかし、1 kWを入力した場合には、SWRが1.5でも40Wが返ってくることになります。
40Wが返ってくると、電波障害やリグの故障などの問題が生じる可能性があるかもしれません。
逆に極端なことをいえば、1Wの入力の場合は SWRが無限大でも、電波障害やリグの故障の心配は少ないでしょう。(ただ、1W程度ではSWRを測ることが難しいですが。)
つまり、SWR値はどの値だったら大丈夫というわけではなく、反射波電力がどれくらいか?ということを気にすることが大切です。
反射波電力はSWR値から求めることもできますが、通常のSWRパワー計だと、反射波電力も同時に測ることができますので、その値を読み取ればよいことになります。
SWR 1~6
もうすこし広い範囲のSWRで、反射波電力の割合の図を作成すると次のようになります。
SWRが、2では11%が、3では25%もの電力が空中に放出されず戻ってきてしまいます。
SWRが1.5から2になると、0.5増えただけですからなんとかなるだろうと考えるかもしれませんが、SWR1.5と比べて約3倍の電力が戻ってきてしまっているわけです。
アンテナの調整は、SWRパワー計を使って、いつも万全にしておきたいものですね。
数式
なお、このグラフを作成するのに使った数式は次のとおりです。
電卓でも計算できますので、やってみてくださいね。
例 SWR1.5の場合: ((1.5 – 1) / (1.5 + 1))^2 = (0.5 / 2.5)^2 = (0.2)^2 = 0.04 = 4 %
おすすめのSWR計とSWR計一覧
SWR計はいろいろな種類があるので、どれを選んだら良いかわかりにくいですよね。
一台だけおすすめするならば、幅広い周波数帯で使え、挿入損失の小さいダイヤモンド製のSX1100がおすすめです。
長く使うものなので、予算はすこし多めに考えておいたら、後々買い直す必要がなくなってよいと思います。
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目的に合った一台を探したい方は、次の記事でSWR計の一覧とおすすめを紹介していますので参考にしてみてくださいね。
アマチュア無線用SWR計の選び方とダイヤモンド・コメット・ダイワの製品一覧。おすすめは?
まとめ
SWR値は、市販のアンテナでは1.5未満での使用が勧められていることが多いです。
しかし、入力電力が大きいとSWRが1.5でも問題になることがありえます。
SWRだけでなく、反射波電力の大きさがどれくらいか見ることが大切です。
以上、SWR値はどのくらいまで大丈夫?SWR値から分かる反射波電力の割合。でした。