LG Nano IPS Blackモニター27UQ850-Wの購入後レビュー。

2022年9月下旬に発売されたLGの27UQ850-Wを購入しましたのでレビューします。

製品概要

27UQ850-Wは、DCI-P3に対応したクリエイター向け27インチ4Kモニタです。

27UP850-Wの後継機種です。前機種がIPS液晶だったのに対して、これはNano IPS Black液晶が採用されたのが大きな違いで、ほかの性能はほぼ同じです。

[参考] 27UQ850-Wと27UP850N-W(あるいは27UP850-W)の7つの違い。

価格は8万円前後です。

1ヶ月ほど使用しましたが、液晶の隅の光もれ、バックライトムラは普通にあるので、5万円前後で売られている前機種でよかった感じがします。このあたりは、たとえLGパネルを使用していてもEIZOやNEC製のディスプレイはちゃんと調整してあってえらいと思います。

開梱

Amazon.co.jpで購入しました。外箱ダンボールに伝票がはられて届きました。

雨でした。

スタンド・ケーブル類とパネルの2層で入っています。

内容物は、27UP850N-Wや27UL850-Wなどの旧製品と同じです。

850シリーズはUSB Type-C一本で接続できるのが売りで、そのような使いかたをするとほとんどのケーブルは余ります。

ACアダプターはかなり大きいです。

さらに重いですので上下昇降デスクを使っている場合、机の裏に貼ったりするのは困難です。

おなじ100WアダプタでもAppleのmacbook pro ACアダプタは半分くらいのサイズですので、appleはお金をかけてるんだと思います。

パネルはすりガラス状のアンチグレアパネルです。

27UP850-Wと比べると、パネル下の「LG」ロゴの色が薄くなっているのが私としては好印象です。

設置

スタンドはドライバーいらずで組み立てできて、液晶パネル裏にパチっとはめるだけです。

macbook pro 16インチを、どれだけスタンドに干渉せず近くにおけるか試してみると、十分近づけることができました。

この位置でmacbookのモニタを広げると、LGモニタの下にあたって80度くらいまでしかひろがらないので、実際使うときにはmacbookをもっと手前に置くことになります。

奥行き60cm 幅120cm のflexispotデスクに置くと次のようになりました。

macbook pro 16インチの上に外部モニタを置くスタイルです。顔を上に動かすのが疲れますが、マウスポインタの移動量が少ないのと、スピーカーの中央とモニタの中央が一致するのが利点です。

LGモニタは最も高い位置にあげていますが、LGモニタの下フレームにmacbook pro 16インチのモニタが少し当たるくらいになります。LGモニタがあと2~3 cm上がればmacbookをもう少し後ろにおけるのですが無理でした。

手前が狭いですが、肘掛け付きのチェアを使うなら肘を椅子に任せられるので、この配置でもなんとか使える感じです。

ノートや本などアナログなものを使う場合は左右に置くことになります。

あるいは、LGモニタを左右どちらかに配置するスタイルなら、macbookはより後ろに置くことが可能で、机は広く使えます。

外部ディスプレイを見上げなくてよいのと、普通のスタンドでもできるで、そのほうが普通の置き方のようですね。

でも私は上に置いて使用したいと思うので、結局エルゴトロンのモニターアームを購入しました。

エルゴトロンだとmacbook pro 16インチのモニタより2 cmほど上まで上げられますので、macbookを好きなだけ後ろに置くことができます。また、外部ディスプレイを机の後ろギリギリに持っていくこともできますので、机手前を広く使うことができます。

LXの長身ボールではないバージョンが丁度良いサイズでした。長身ボールだとポールが液晶に干渉して動かしにくくなります。

コントラスト・黒さ

旧製品の27UP850-Wとどちらにするか迷っている方が気になるのが画質だと思いますが、27UQ850-Wの画質も宣伝されているほど良くはないです。

Nano IPS Black液晶とはいいますが、コントラスト比の2000:1というのはVA液晶と同等で、普通に使っていると従来のIPS液晶との違いはわかりません。左右に並べて同じ映像を表示して、暗い部屋で比較しないとわからないと思います。

有機ELパネルやmini LEDパネルのような、誰が見ても違いがわかるようなものを期待しているとがっかりすると思います。

Nano IPS Black液晶でも、黒色は明るく灰色です。

27UQ850-Wで黒を表示して、照明を消してカーテンを閉めて、iphoneで写真をとると、次のようになります。

4隅から光がばっちり漏れていて、黒色どころではありません。

また少しバックライトムラもあります。アンチグレア液晶ですので、照明をつけると、照明が散乱してさらに白っぽくなります。

そのため、この製品はDCI-P3に対応している4K液晶というだけで、それ以上の画質の良さを求めてはいけない感じです。

色

27UQ850-Wは、nano IPSでオレンジがまざらず赤みの表現が正確、ということですが、macbook pro 16(2019)の色と比べると、赤みが強く出ます。

どちらが正確かはわかりませんが、macbook pro 16インチ(2019)とは色が一致しません。

3万円くらいのハードウェアキャリブレーションツールを買ってもよいのですが、キャリブレーションしたところでそれほど変わらないような気もするのでこのまま使っています。経時変化が気になってきたら、キャリブレーションするつもりです。

解像度

macのretina displayでは218~226ppiが一般的で、27インチでは5Kになりますが、これは4Kで~183ppi程度です。

183 ppiでも十分細かいだろう、と思っていたのですが、普通に使う距離からでも文字のジャギーが気になります。

でも27インチ5Kモニタは価格が2倍の16万円~になりますので、この価格差なら画面の粗さは目をつぶって、この安い液晶を二枚買ったほうが良いかと思います。

また解像度が1.2倍と中途半端に違いますので、モニタ間でウィンドウを動かしたときの実サイズをきっちり合わせることはできません。

macbookと合わせて使いたいなら、24インチになりますが、次の24MD4KLの方が良かった感じはします。

まとめ

LGの27UQ850-Wは、コントラスト比が従来のIPSよりも高いnano IPS Blackを採用したのが売りのモニタですが、宣伝ほど画質が良いわけではありません。執筆時点では、旧製品の27UP850-Wのほうが3万円ほど安く売られていますので、旧製品の方がおすすめです。

新製品 27UQ850-W

旧製品 27UP850N-W

以上、LG Nano IPS Blackモニター27UQ850-Wの購入後レビュー。でした。

• 27UQ850-Wと27UP850N-W(あるいは27UP850-W)の7つの違い。
• 27UP850N-Wと27UP850-Wの1つの違い。USB PDの電力。
• エルゴトロンLXの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。
• エルゴトロンLX長身ポールの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。
• エルゴトロンMXVの詳細な寸法。高さ・長さ・壁当て時の奥行き。

参考

• 27UQ850-W 公式ページ
• 27UP850N-W 公式ページ
• 27UP850-W 公式ページ