[2019/1] 芥川賞の授賞・候補 6作品が収録された本と作者の経歴を紹介!

2019年01月16日に、第160回(2018年下半期)の芥川賞の受賞者2者が発表されました。

ここでは、受賞作品や候補作品を含む雑誌・単行本を紹介しています。

芥川賞

芥川賞(正式には芥川龍之介賞)は、純文学の新人に与えられる文学賞です。

各新聞や雑誌に発表された純文学短編・中編が選考の対象となります。

選考は、文藝春秋社内の日本文学振興会によってなされます。

日本文学振興会 (公式) 

第160回(2018年下半期)受賞作品

第160回芥川賞は、上田岳弘さんの「ニムロッド」と町屋良平さんの「1R 1分34秒」が授賞作に決まりました。

上田岳弘「ニムロッド」

第160回芥川賞受賞 ニムロッド

146ページ
講談社 (2019/1/26)
群像 12月号に掲載。

それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。
あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。
新時代の仮想通貨小説。

仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……

 

上田岳弘(うえだ たかひろ)さんは、1979年生まれの39歳。

早稲田大学法学部卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となっていらっしゃるそうです。

これまでに、新潮新人賞、三島由紀夫賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞しています。

  • 2013年 『太陽』で第45回新潮新人賞受賞
  • 2014年 『太陽』で第27回三島由紀夫賞候補。
  • 2015年 『惑星』で第152回芥川龍之介賞候補。
  • 2015年 『私の恋人』で第28回三島由紀夫賞受賞
  • 2016年 『異郷の友人』で第154回芥川龍之介賞候補。
  • 2016年  Granta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出
  • 2016年 『異郷の友人』で第38回野間文芸新人賞候補。
  • 2017年 『塔と重力』で第39回野間文芸新人賞候補。
  • 2018年 『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞(平成29年度)受賞

上田岳弘 – Wikipedia

町屋良平「1R(いちらうんど)1分34秒」

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒

140ページ
新潮社 (2019/1/25)
新潮 11月号に掲載。

なんでおまえはボクシングやってんの? 青春小説の新鋭が放つ渾身の一撃。デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。当たったかもしれないパンチ、これをしておけば勝てたかもしれない練習。考えすぎてばかりいる21歳プロボクサーのぼくは自分の弱さに、その人生に厭きていた。長年のトレーナーにも見捨てられ、変わり者のウメキチとの練習の日々が、ぼくを、その心身を、世界を変えていく――。

 

町屋良平(まちや りょうへい)さんは、1983年生まれ。埼玉県立越ヶ谷高校卒。

2016年にデビューして、3年で今回の芥川賞受賞となりました。

  • 2016年 「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞
  • 2017年 「青が破れる」で第30回三島由紀夫賞候補。
  • 2018年 「しき」で第159回芥川賞候補。
  • 2018年 「しき」で第40回野間文芸新人賞候補。

町屋良平 – Wikipedia

候補作品

他の候補作品は次の4作品あります。

古市憲寿「平成くん、さようなら」

平成くん、さようなら

187ページ
文藝春秋 (2018/11/9)
文學界 9月号に掲載

社会学者・古市憲寿、初小説。
安楽死が合法化された現代日本のパラレルワールドを舞台に、平成という時代と、いまを生きることの意味を問い直す、意欲作!

平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられ、現代的な生活を送る「平成くん」は合理的でクール、性的な接触を好まない。だがある日突然、平成の終わりと共に安楽死をしたいと恋人の愛に告げる。
愛はそれを受け入れられないまま、二人は日常の営みを通して、いまの時代に生きていること、死ぬことの意味を問い直していく。
なぜ平成くんは死にたいと思ったのか。そして、時代の終わりと共に、平成くんが出した答えとは――。
『絶望の国の幸福な若者たち』『保育園義務教育化』などで若者の視点から現代日本について考えてきた著者が、軽やかに、鋭く「平成」を抉る!

 

古市憲寿(ふるいち のりとし)さんは、1985年生まれ。

慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2013年第4回日本学術振興会「育志賞」受賞。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。

  • 2011年 『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』で新書大賞7位。
  • 2012年 『絶望の国の幸福な若者たち』で第11回新潮ドキュメント賞候補。

他にも、新書の著作・雑誌エッセイ・テレビのコメンテーターおよび司会・行政の委員などで活躍されています。

小説は、本作「平成くん、さようなら」と『文學界』2018年4月号掲載の「彼は本当は優しい」の二作が発表されています。

古市憲寿 – Wikipedia

 

芥川賞の受賞は逃しましたが、単行本の売れ行きランキングでは受賞作品同等の上位に入っているようです。

鴻池留衣 「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」

ジャップ・ン・ロール・ヒーロー

152ページ
新潮社 (2019/1/31)
新潮 9月号に掲載。

我々に可能なのは、盗むことだけ――。「ポスト真実」の時代を射貫く話題作。1980年代に海外進出を果たしたバンド「ダンチュラ・デオ」は実在したのか? 原曲を丸パクりして証明すると嘯くギタリストの喜三郎に惹かれる僕。慶大生バンドの戯れは、やがて歴史的陰謀の情報戦へと巻き込まれてゆく。フェイクがオリジナルを炙り出し、真実がウィキペディア的に編集される時代の狂騒と不気味を描く。

 

鴻池留衣 (こうのいけ るい)さんは、1987年生まれ。男性。慶應義塾大学文学部中退。

  • 2016年「二人組み」で第48回新潮新人賞を受賞。

第48回 新潮新人賞

鴻池留衣 (@kounoikerui) | Twitter

砂川文次「戦場のレビヤタン」

戦場のレビヤタン

161ページ
文藝春秋 (2019/1/31)
文學界 12月号

風が吹いている。おれは、その風を肌でしっかりと感じながら、
レンジローバーの後部座席で揺られている。

英国系の石油プラントを守るため、イラクの紛争地帯に進んで身を投じた武装警備員のKは、キルクークからアルビルへ伸びる国道を北上していた。
荒涼とした紛争地。戦火はおさまったかに見える地で、わき上がる問いに答えは出ない。
なぜこの地にやってきたのか、戦争とは何か、何が戦争を作り出すのか。敵は誰なのか。

大義なき戦争、警察国家が撤退した後の世界の風景を淡々と乾いた筆致で描き出す21世紀の戦争文学。著者デビュー作「市街戦」を併録。

 

砂川文次(すなかわ ぶんじ) さんは、1990年生まれ。神奈川大学卒。元自衛官。都内区役所勤務。

  • 2016年 「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞

高山羽根子「居た場所」

居た場所

160ページ
河出書房新社 (2019/1/17)
文藝 冬季号

かつて実習留学生としてやってきた私の妻・小翠(シャオツイ)。表示されない海沿いの街の地図を片手に、私と彼女の旅が始まる。記憶と存在の不確かさを描き出す、第160回芥川賞候補作。

高山羽根子(たかやま はねこ)さんは、1975年生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。

  • 2010年 「うどん キツネつきの」が第1回創元SF短編賞の佳作に選出。
  • 2016年 『うどん キツネつきの』で第36回日本SF大賞最終候補。
  • 2016年 「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞受賞。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

第160回(2018年下半期)の芥川賞の受賞作品や候補作品を含む雑誌・単行本を紹介してきました。

他のページも参考にしてみてくださいね。

以上、[2018年下半期] 芥川賞の授賞作・候補作 6作品が収録された本を紹介!でした。

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