パナソニックのスチームオーブンレンジ、ビストロのNE-BS907とNE-BS906は何が異なるのでしょうか。
違いは4つあります。わかりやすく紹介します。
次の記事では、ビストロの各モデルについて機能を一覧表で比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
4つの違い
NE-BS907は2020年モデルで、NE-BS906は2019年モデルです。
新モデルのNE-BS907では、次のような変更がありました。
- 大火力極め焼きヒーターの火力がアップし、「凍ったままグリル」に新メニューが追加。
- ワンボウルメニューに野菜の歯ごたえをほどよく残した副菜がつくれる「やみつき野菜」が追加。
- レシピ数が2個減った一方、自動メニュー数が20個増えた。
- 付属のチタンコートグリル皿が、ビストロスピードグリル皿に変更。
性能を表で比較してみましょう。
庫内容量 | 30 L (ワイド & フラット ) | |
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
発売年 | 2020 | 2019 |
画像 |
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参考価格 ブラック |
− | − |
ホワイト | − | − |
特徴 | 高精細・64眼スピードセンサーや、2品同時あたため機能、大火力極め焼きヒーターを搭載したハイグレードモデル。2020年モデルのBS907では、凍ったままグリルが火力アップし、やみつき野菜メニューが追加されたが、レシピ数は減り、付属皿はビストロスピードグリル皿になった。 | |
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
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レンジ | ||
自動出力 | 1000 W: 最大 約5分 (700 W) | |
センサー | 高精細・64眼スピードセンサー とろみ検知センシング | |
あたため | 2品同時あたため [エコナビ] (ねらって加熱) | |
解凍 | 芯までほぐせる解凍・サイクロンウェーブ | |
グリル | ||
加熱方式 | 大火力極め焼きヒーター/両面グリル | |
上ヒーター最高温度 | 535℃ | 490℃ |
少量時短加熱 | スピードエリア加熱 (ヒーター出力 最高 900 W) | |
スチーム | ||
発生方式 | タンク式 (650 mL)・過熱水蒸気 (スチームコントロール機能) | |
時短/低温 | スピードスチーム機構/60〜95℃ | |
あたため | スチームあたため | |
オーブン | ||
温度 | 70 〜 300℃ | |
発酵 |
スチームあり( 30 〜 45℃ ) スチームなし( 50 〜 65℃ ) |
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加熱方式 | 2段調理 コンベクションオーブン | |
スチームプラス | スチームプラス | |
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
レシピ数(自動メニュー数) | 290 (188) | 292 (168) |
自動メニュー | ||
時短調理 | 10分メニュー (こんがり8分/ 蒸し物10分・蒸し焼き10分) | |
凍ったままグリル | 12 メニュー | 16 メニュー |
便利機能 | 合わせ技セット [3カテゴリー] | |
かんたん調理 | かんたんピザ・パン /かんたん煮物/ 3素材×3ステップ | |
ワンボウルメニュー | パスタ・シチュー・中華・フレンチ・煮物 | |
やみつき野菜 | やみつき野菜 ( ワンボウルメニュー ) | – |
トースト(自動)/パン | 1枚両面 約3分50秒/パンのあたため/スチームトースト | |
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
使いやすさ | ||
スマホ連携 | – | |
ダンパー/ロック | ロック機能 | |
庫内 |
LED庫内灯(2か所)
「庫内を冷ます」コース |
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液晶 | 大型ホワイト[バックライト]液晶 | |
お手入れ | 庫内/天井 (オートクリーン加工)・脱臭/洗浄・水抜き/クエン酸洗浄・スチームお手入れ | |
付属品 | ビストロスピードグリル皿、角皿2枚 | チタンコートグリル皿、角皿2枚 |
外形寸法 | 幅 494 mm × 奥行 435 mm × 高さ 370 mm | |
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
違いについて、詳しく見てみましょう。
大火力極め焼きヒーター
グリルのヒーターの最高温度は、NE-BS906では490℃でしたが、NE-BS907では535℃に上がっています。
無負荷時の上ヒーター温度の変化を次に示します。
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
このグラフ中でNE-BS1600は、NE-BS906と同じグリル性能の機種で、NE-BS2700はNE-BS907と同じグリル性能の機種です。
焼き始めから12分くらいまでの温度はほぼ変わりませんが、その後はNE-BS2700の方が温度上昇が早いです。また、NE-BS1600は、16分で最高温度である490℃に到達し、その後は温度がそれ以上に上がりませんが、NE-BS2700では535℃まで上昇します。
NE-BS907ではこのようにグリルが早く温度上昇し、最高温度が高くなりました。
そのためかどうかわかりませんが、「鶏の塩焼き」メニューは、冷凍から焼く場合、NE-BS906では焼き時間の目安は20分ですが、NE-BS907では19分と短くなっています。
焼き時間が長いメニューで、焼き時間がすこし短くなるのは助かりますね。
またNE-BS907では、「凍ったままグリル」メニューに、野菜と肉が一緒のメニューが追加されました。
これはヒーターがより高温になったことで、冷凍野菜も水分が流出しないように、こんがり焼けるようになったからなのではないかと推測しています。
「凍ったままグリル」とは、レシピに掲載されているとおりに下ごしらえし、冷凍保存しておいたものを、食べたいときに冷凍状態のままグリルで焼くだけでごちそうになる、というメニューのことです。市販の冷凍食品を焼くためのものではありません。
凍ったままグリル「キャベツメンチカツ」(NE-BS2700)。(画像はパナソニックの公式ページより引用。)
「凍ったままグリル」で野菜と肉が一緒のメニューは、NE-BS906にはハンバーグの中に野菜が入ったものくらいしかありませんでしたが、NE-BS907では次のメニューが増えています。
- ポークトマト
- 肉巻き厚揚げ (焼き野菜添え)
メインのグリル料理に野菜も入れられるようになったのは嬉しいですね。
一方で、NE-BS906にはある次の「凍ったままグリル」メニューが、NE-BS907ではなくなっています。
- 手羽先焼き
- 鶏の照り焼き
- 鶏の黒酢照り焼き
- 鶏のレモン風味照り焼き
- 鶏のゆずこしょう焼き
-
鶏のかんたんから揚げ
メニュー数でみると、NE-BS2600は16メニューですが、NE-BS2700は12メニューとなり4メニュー減っています。
NE-BS907にも、鶏の塩焼きや、鶏の唐揚げメニューはありますので、それをアレンジすれば減ったメニューも作れますが、レシピ集からなくなっているのは残念です。
やみつき野菜
高精細・64眼スピードセンサーを搭載しているNE-BS900シリーズ以上の機種では、ワンボウルメニューが搭載されています。
ワンボウルメニューとは、下ごしらえした材料を耐熱ガラス製ボウルに入れてレンチンするだけで、とろみつきの中華やフレンチ、パスタ、カレーなどを作れるというメニューです。
2020年モデルのNE-BS2700とNE-BS907では、ワンボウルで野菜たっぷりの副菜を作ることができる「やみつき野菜」メニューが追加されました。
やみつき野菜メニュー例。(画像はパナソニックの公式ページより引用。)
次のメニューが作れます。
- レタスの中華風サラダ
- えのきのタイ風サラダ
- インドネシア風サラダ
- ズッキーニのチーズサラダ
- じゃがいものたらこマヨネーズ
- れんこんのカレーマヨきんぴら
- にんじんのハニーマスタード
- セロリとたこの酢みそあえ
- オクラの梅肉あえ
- ピーマンとツナの塩昆布あえ
- きのこのナムル
- 白菜の水キムチ風
野菜の分量はセンサーが検知して自動で加熱時間を調整するため、野菜は100 ~ 400 gの好きな分量を使うことができます。やみつき野菜コースでは、「ゆで野菜」コースと異なり、適度な歯ごたえを残してシャキッと加熱されます。
冷蔵庫に余った野菜を使って、かんたんにヘルシーな副菜を一品追加できるのは嬉しいですね。
なお、ワンボウルメニューは「直径約 25cm、容量 2.5L の耐熱ガラス製ボウルを使う」と指定されており、サイズが違うと加熱不足やふきこぼれの原因になる、ということですので、同等のボウルがない場合には、レンジと一緒に購入するのがおすすめです。
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イワキの耐熱ボウルは、ハリオのものよりも厚みがあり重いのですが、その分、丈夫で割れにくいのでおすすめです。
レシピ数と自動メニュー数
説明書に掲載のレシピ数と自動メニュー数は、NE-BS906では 292個と168個ですが、NE-BS907では 290個と188個です。NE-BS907では、レシピ数は2個減りましたが、自動メニュー数は20個増えています。
これは、「やみつき野菜」が追加されてメニューは増えた一方で、主にアレンジ料理が削除されてレシピ数が減ったということのようです。
たとえば、NE-BS906では鶏の塩焼きや鶏の照り焼きのアレンジとして、鳥の黒酢照り焼き、鳥のレモン風味照り焼き、鳥のゆずこしょう焼きのレシピがありますが、NE-BS907では鶏の塩焼きだけになっています。
NE-BS907でも自分で味付けをアレンジすればよいのですが、料理のヒントとしてレシピを残しておいてくれたら参考になるのになあと残念に思います。
レシピ集は、公式ページでダウンロードして見ることもできますので、具体的なレシピが気になる方は確認してみるのも良いでしょう。なおダウンロードには時間がかかります。
グリル皿
付属のグリル皿は、NE-BS906は「チタンコートグリル皿」でしたが、NE-BS907では2017年以前と同じくチタンコートのない「ビストロスピードグリル皿」に戻りました。
チタンコートグリル皿は、従来比2倍の高反射チタンコートが赤外線を反射して、上火の立ち上がりを補助する機能があります。
下火は高温フェライトが電子レンジのマイクロ波を吸収して発熱する方式です。2017年以前の旧スピードグリル皿と比べて、新しい高温フェライト素材が採用されており、約30℃温度を高くできるそうです。
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
一方のNE-BS907や、NE-BS1400以前のビストロスピードグリル皿は、チタンコートによる反射がありません。
NE-BS907のスピードグリル皿の型番は旧スピードグリル皿とは異なりますので、下火用の高温フェライトはNE-BS906と同じく新しい素材になっているかもしれませんが、詳細は不明です。
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
このようにグリル皿だけの性能を比較すると、NE-BS906のチタンコートグリル皿のほうが性能が上のようです。
しかし、NE-BS907は、上の項で説明したように、大火力極め焼きヒーターの火力がアップし、チタンコートのサポートなしでもより短い時間で焼けるようになりました。
上火の火力が強くなったNE-BS2700では、チタンコートグリル皿を使用するNE-BS2600よりも早く焼けますので、グリル性能全体としてはNE-BS2700のほうが性能がよいと言えます。
なお、どちらのグリル皿もフッ素加工されていますので消耗品です。フッ素コートに傷が付いて焦げ付くようになったら買い替えをしなければなりませんが、これらのグリル皿は6~9千円ほどします。
3年ほどで買い換える方が多いようですが、それくらいでグリル皿のコストがかかるということには注意しておきましょう。
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どちらがおすすめ?
ここまで、NE-BS907とNE-BS906の4つの違いについて見てきました。繰り返しになりますが、NE-BS907では次のような変更がありました。
- 大火力極め焼きヒーターの火力がアップし、「凍ったままグリル」に新メニューが追加。
- ワンボウルメニューに「やみつき野菜」が追加。
- レシピ数が2個減った一方、自動メニュー数が20個増えた。
- 付属のチタンコートグリル皿が、ビストロスピードグリル皿に変更。
レシピ数がアレンジメニューを中心に少し減ったのが残念ですが、グリル皿の変更はヒーターの火力アップでカバーされていますし、凍ったままグリルに肉と野菜が一緒になったメニューが2つ追加されたことや、やみつき野菜メニューが新設されたことは、野菜好きには嬉しい変更です。
そのため、野菜入りメニューが好きな方には NE-BS907がおすすめです。
一方で、変更された4点はそれほど大きな違いではありませんので、NE-BS906のほうが価格が安ければ、NE-BS906もおすすめです。
グリルの上火が強くなったとはいえ、焼き時間が1分変わるかどうかくらいですし、凍ったままグリルメニューは2つしか追加されていません。やみつき野菜メニューが増えたことが一番大きな変更ですが、作る予定がない場合や、作りたくなったら様子を見ながら手動でレンジ加熱すればよいと思う方は、NE-BS906でも良いでしょう。
私なら、価格が1万円以上安いならNE-BS906にすると思います。
価格は次のようになっています。
モデル | NE-BS907 | NE-BS906 |
発売年 | 2020 | 2019 |
画像 |
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参考価格 ブラック |
− | − |
ホワイト | − | − |
特徴 | 高精細・64眼スピードセンサーや、2品同時あたため機能、大火力極め焼きヒーターを搭載したハイグレードモデル。2020年モデルのBS907では、凍ったままグリルが火力アップし、やみつき野菜メニューが追加されたが、レシピ数は少し減り、付属皿はビストロスピードグリル皿になった。 |
まとめ
パナソニックのスチームオーブンレンジ、ビストロのNE-BS907では、NE-BS906と比べて、グリルヒーターの火力がアップし、やみつき野菜メニューが新設されましたが、レシピ数が少し減り、付属グリル皿がチタンコートグリル皿からビストロスピードグリル皿に変更になりました。
NE-BS907のほうが、やみつき野菜メニューがあるのが魅力的ですが、それほど大きな違いではないため、NE-BS906の価格が安ければNE-BS906もおすすめです。
家にビストロがあると、食材の温度を検知しながら自動で調理してくれますので、放ったらかしで時短調理ができるのが魅力です。
使いこなすには説明書やレシピ集をよく読む必要はありますが、従来の電子レンジとは異なる新しい調理家電としてキッチンに導入すると、料理がもっと楽しくなると思います。
次の記事では、ビストロの各モデルについて機能を一覧表で比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
以上、NE-BS907とNE-BS906の4つの違い!やみつき野菜が追加。でした。