過熱水蒸気オーブンレンジを購入するにあたり、ビストロかヘルシオかどちらにしようか迷っているという方も多いと思います。私は迷った挙げ句ビストロのNE-BS2700を購入しました。どうしてビストロを選んだのか紹介します。
ビストロかヘルシオか
ビストロはパナソニックの過熱水蒸気オーブンレンジ、ヘルシオはシャープのウォーターオーブンです。電子レンジは長く使うものですので、最上位機種から選ぶことにしました。
ちなみに、他のメーカーの電子レンジには、東芝の石窯ドームと日立のヘルシーシェフがあります。石窯ドームはオーブンで350℃まで出せてフランスパンを焼くのに向いているのと、おまかせ深皿調理ができるのが魅力ですが、故障の口コミがかなり多いので選択肢から外しました。他社が350℃のオーブンを出さないのは本体が持たないからなのかもしれません。
ヘルシーシェフは性能ではなく価格で勝負しているようですので、これも選択肢から外しました。
それで、ビストロのNE-BS2700か、ヘルシオのAX-XA20のどちらにするか迷いました。
ヘルシオの利点と欠点
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ヘルシオは業務用のウォーターオーブンを家庭でも使えるようにしたもので、加熱水蒸気で調理できるのが特徴です。
ヘルシオについて、私が魅力に感じたのは次の点です。
- ウォーターオーブン機能で、過熱水蒸気だけで調理できる。
これはヘルシオだけの機能。過熱水蒸気調理は油や塩分が落ちて、ヘルシー。 - 加熱水蒸気で焼くので、冷凍のものも常温のものも一緒に焼ける。
- 加熱時間指定が不要の、まかせて調理ができる。
- あぶり焼き機能で、焦げも作れる。
- ウォーターオーブンの煮込み機能もある。
ビストロには、煮込み自動メニューはありますが、手動の煮込み機能はありません。ビストロでもオーブン機能で煮込みはできますが。 - 低温蒸し調理(75~95℃)は45分まで、低温ウォーターオーブン1時間35分まで使える。
ビストロのスチームは一度に30分までですので、ヘルシオの方が長く調理できます。
このように感じて、「もうヘルシオを買うか」と思いつつ、口コミをYoutubeやブログで調べていると、次のような欠点が見えてきました。(私は最終的にビストロを選びましたので、マイナス面が強調されているかもしれません。)
- ウォーターオーブンとしては火力が足りない。
家庭用コンセントの1500 Wでは、十分な過熱水蒸気を出すのは不可能。これはヘルシオの開発者がインタビューで言っていました。うまく焼くには、工夫する必要があります。 - あぶり焼きは、中央部しか焼けない。
火力が不足するため、食品全体に火をまわして焦げ目を作ることはできません。そこで、食品に直接過熱水蒸気を吹き付けて焦げ目を作るあぶり焼き機能が開発されたということです。焦がしたいものを中央部に寄せられるなら、これで良さそうです。 - 片面しか焼けない。
ヘルシオの動画を見ていると「途中で裏返している」動画が多いです。食品を網に乗せてることで裏面も焼けるようにしますが、火力が足りず上手く焼けません。揚げ物を作ってみた動画では、裏が焼けておらず、べちょべちょしています。シャープの公式動画の鶏もも肉の照り焼きを見ると、裏側が焼けてなくて、肉汁が流出しています。途中で裏返すのが手間でなければ良さそうです。 - 油と塩分が落ちるけど、美味しい肉汁も落ちるような。
油や塩分を制限しなくてはならない方には嬉しい機能ですが、そうでない方の場合は、一般的に言われるように高火力で肉の表面をまず焼いて、肉汁が流出しないようにしたほうが美味しいのではないかと思います。 - 網や角皿を洗うのが手間。
シャープの公式動画でも、鶏照り焼きやエビフライが焼き網にくっついているのがわかります。網は、食洗機に入らないサイズだと思いますので、使うたびに洗うのが大変そうです。角皿はアルミホイルを敷けば、洗わずに済みそうです。 - 焼き網から食品が落ちやすい。
きのこ類など小さいものは網から落ちやすいので、アルミホイルでトレイを作って乗せるか、ザルに乗せるなどをする必要があります。 - 過熱水蒸気調理は時間がかかる。
ちょっと温めたいだけでも10分、ちゃんと1品をつくろうとすると30分ほどかかります。もう1~2品を作りたいとなると、コンロで作る必要があります。加熱途中で、子供が空腹で泣いたりすると大変です。ヘルシオ+電子レンジの二台持ちがおすすめされています。 - レンジ機能はおまけ。
もともとのヘルシオはウォーターオーブン専用の調理器で、電子レンジ機能はありませんでした。レンジ機能はあとから付けたこともあり、あたためムラが大きいとか、センサー性能が悪いなど、最上位機種としてはレンジ機能は良くありません。これは仕方ないのかもしれません。 - トーストを焼くのに時間がかかる。
食パンのトーストは7分くらいかかります。トースターや魚焼きグリルを使えばよいです。 - 庫内コーティング剥がれが起きることも。
庫内コーティングに不良がある個体が一部あり、1年ほどでコーティングが剥がれてしまうことがあります。正しい使い方で起きたのであれば無償交換になるようですので、それほど気にすることではありません。検索するとたくさんヒットします。 - デザイン。
私にはヘルシオのデザインが前衛的過ぎて、キッチンに置いたときに浮くような気がしました。これは好みの問題で、ヘルシオのデザインが好きという方もいらっしゃると思います。 - ココロキッチンがしゃべる。
しゃべる機能はいらないです。アレクサなどのスマートスピーカーを使ったことのある方にはわかっていただけると思いますが、このような機能は誤認識が多くてストレスになります。ただココロキッチンは設定で無効にできるようです(加熱完了音も消えるようですが)。
このようにヘルシオのウォーターオーブン機能を使うには、時間や手間がかかり、工夫も必要になります。ヘルシオは食品をポンと入れれば、美味しいものができるわけではなく、本などでヘルシオの特性を学んで使いこなす努力をすると、これまで以上に美味しい料理が作れるという調理器具です。料理教室に複数通うくらい料理を研究するのが好きで、新しい調理方法に挑戦したいという方におすすめです。
一方で、例えばいまお持ちのオーブンレンジのオーブン機能を、使うのが面倒でほとんど使っていない、という方は、ヘルシオのウォーターオーブン機能も使わなくなってしまうと思われますので、ヘルシオはあまりおすすめしません。
私は新しいものやピーキーなものが好きな方ですので、このような欠点も納得した上で購入しようかと思いましたが、直前にどうしてもデザインとココロエンジンが気になってしまい購入に至りませんでした。
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ビストロの利点と欠点
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ビストロは、グリルの火力があることと、レンジのセンサーが賢いこと、時短調理メニューが多いことが特徴です。
ビストロについて、私が魅力に感じたのは次の点です。
- グリル火力が強い。
グリル火力が強いので、焼き物や揚げ物は焦げ目をつけて仕上げられます。前機種のNE-BS1600よりも火力が上がっています。ヘルシオ関係の記事で「オーブンで作る揚げ物が上手くできないのはそういうものだと思ってください」と書かれていましたが、ビストロでは市販の冷凍カツの揚げ物をしてみたらサクサクに仕上がりました。 - 両面焼きできる。
下火はレンジ(マイクロ波)でグリル皿が加熱され、上面のグリルヒーターと合わせて両面焼きをすることができます。食品を裏返す必要がありません。下火がレンジ加熱であることと、グリル皿の上段がギリギリまで上面ヒーターに寄っているために、家庭用1500 Wでも高火力で調理できるのだと思います。上面だけ、下面だけを焼くこともできます。網を使わなくてよいので、洗い物が少なくて済みます。 - トーストも現実的な時間でできる。
食パンのトーストは1枚3~4分でできますので、単機能トースター代わりとして十分に使えます。裏返さず両面を焼くことができます。スチームトースト機能は調理時間が2分長くなりますが、中がもっちりして美味しいです。 - レンジのセンサーが賢い。
温度制御の難しい、とろみをつける調理もすることができます。2品あたため機能では、冷凍と冷蔵のものを入れて通常通り加熱スタートするだけで、2品あることを自動で認識して、片方だけ強めにレンジ加熱してくれます。ヘルシオは冷凍品を含むと2品あたためできません。あたためスタート後に温度設定をすることもできます。冷凍グリルメニューでは、冷凍品だと認識しすると自動で焼き時間を長くしてくれます。 - ワンボウルメニューなど時短メニューが充実している。
耐熱ボウルに材料を入れてスタートするだけで、野菜サラダ、パスタ、カレー、中華、フレンチ、煮物などを時間おまかせのレンジ調理で素早く作ることができます。昼ごはんのパスタや、サラダや煮物の副菜を一品追加したいときに活躍します。購入してからは毎日使用しています。ヘルシオのワンボウルメニューと異なり、カレーの肉・野菜は角切りでも調理できます。 - レンジのおまかせあたためは-10℃から90℃まで5℃刻みで設定可能。
ヘルシオは-10℃、20~90℃ですので、ビストロのほうが-5~15℃も設定できる点が優れています。この温度範囲は、例えば冷えて固くなったクリームチーズを柔らかくするのに使えます。 - 60℃のスチームも可能。
スチームは60~100℃(5℃刻み)で温度設定が可能です。スチーム発酵(スチーム+オーブン)の30~65℃と合わせると幅広い温度設定が可能です。ヘルシオは、ソフト蒸し(65~95℃)+蒸し物(~100℃)+スチーム発酵(30~45℃)ですので、ビストロは50~60℃も設定できる点が優れています。低温調理にこだわりがある方にはおすすめです。 - オーブンは70~300℃(10℃刻み)と発酵30~65℃(5℃刻み)の温度設定が可能。
30~300℃の幅広い範囲でオーブンを使用できます。ヘルシオはオーブン・ウォーターオーブン(100~250℃、300℃)と発酵(30~45℃)ですので、50~95℃、260~290℃のオーブンも使えるのがビストロの利点です。 - 好きなタイミングでスチームを入れられる。
オーブン、グリルの途中でスチームショットを入れることができます。ケーキ、シュー、パンを焼くときに便利です。 - ユーザーインターフェースが使いやすい。
カタログからは見えにくいところですが、パナソニック製品は電子レンジに限らず、使いやすさが重視されています。自動メニューを選択したときに、画像がパッと出てくるのは良いです。ヘルシオも画像を選択しさえすれば出てきます。 - 庫内奥が出っ張っていないので広く使える。
これは当たり前といえばそうなのですが、ヘルシオでは出っ張っています。 - グリル皿、庫内はテフロン加工されていて、汚れが簡単に落ちる。
おかけで気楽にグリルメニューを使えます。ビストロのお手入れは簡単だと口コミでよく言われています。角皿はコーティングされているようにも見えますが、パンを焼いたら普通にくっつきましたので、オーブンシートを敷くほうが良いです。 - レシピが薄味でよい。
ビストロを購入した後に気づいたことですが、付属メニューは、辻調理師専門学校という関西では有名な調理学校が監修しているものが多いせいか、パナソニックの拠点が大阪で関西風の薄めの味付けなせいか、薄味レシピが多く、うちの味覚ではちょうどよい味に仕上がります。「きょうの料理」のレシピでは、調味料は0.7倍してちょうどよいと感じます。
欠点に感じたのは次の点です。
- オーブンやスチームに、おまかせ調理がない。
自分で考えたメニューではおまかせ調理ができません。ただオートメニューで大抵の料理は網羅されているので、同じ食材・調理法のメニューを選べば自動調理ができます。 - ワンボウルメニューでは焼き目はつかない。
ワンボウルメニューは便利ですが、レンジ加熱のため焼き目をつける料理は作ることができません。肉に焼き目がつかないのでカレーなどは少し物足りません。 - 両面焼きだけど、裏が焼けないこともある。
裏面はグリル皿に接触している面しか焼けません。ただ焼き足りない場合は、下面だけ、上面だけを選んで追加加熱することもできます。 - アプリ連携できるものの、加熱完了のお知らせはない。
レシピの確認、送信ができるキッチンポケットアプリは便利ですが、加熱の残り時間がアプリから確認できるようになったらなお良いと思います。
なお、オーブン・グリル使用直後のレンジの自動あたため・おまかせあたためができないのがビストロの欠点とされることもありますが、これはヘルシオも同じです。赤外線センサーが庫壁の温度に反応するためです。赤外線センサーを使わないあたため、時間を指定する手動加熱は、どちらの機種ももちろんできます。
ドアの半開きをして、スチーム使用後に乾かしておくことも、どちらの機種もできます。
ビストロは庫内のニオイが気になるという口コミもありましたが、これは購入時の空焼きを不要としているためです。ヘルシオでは購入直後に空焼きが必要ですが、ビストロも空焼きを行うことでニオイがなくなります。
ビストロはウォーターオーブン機能はないものの、センサーやグリルの火力はヘルシオよりも優れている印象です。特に時短メニューが便利です。
ビストロは、料理を研究するのが好きというわけではなく、時短調理をしたい、楽に美味しいものを作りたい、片付けは嫌いという方におすすめです。
私は時短調理をしたいと考えたのが新しい電子レンジを探すきっかけでしたので、ビストロのほうが合っていると思い、最終的にビストロを購入しました。
ビストロが来てから、ワンボウルメニューのおかげでとても時短になっていて、隙間時間で掃除・洗濯物たたみをしたり、仕事をしたりできています。
あと、冷凍おかずレシピも思ったより便利です。時間のあるときに材料に味付けして冷凍しておけば、当日はグリルするだけで完成という時短メニューです。冷凍や冷蔵の作りおき用に真空パック機も追加購入したくらいです。
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今までのレンジではオーブン・グリルは面倒でほぼ使っていなかったのですが、ビストロは加熱が早く美味しく仕上がるので大活躍しています。面倒なときには、塩コショウした肉と野菜を入れて焼くだけでも美味しいです。後片付けも、グリル皿はさっと水で流すだけで大抵の汚れが落ちるので気楽です。(じゃがいも細切り、ベーコン、しいたけ、トマト、ソーセージなどを並べて、塩・コショウ・オリーブオイルをかけて焼くイングリッシュブレックファースト風のものは、以前はフライパンで作っていたのですが、ビストロが来てからは本場同様にグリル・オーブンで作っています。)
ビストロのレビューで、家族にここはホテルか、と言わるほど料理のクオリティが上がったと紹介されていましたが、確かにそんな感じで、うちも料理のクオリティは上がりました。ロールパン、蒸しプリン、チーズケーキ、クッキーなども作りましたが、今まで同様に作っているつもりでも、ビストロだと売り物のように綺麗に仕上がります。
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まとめ
ヘルシオはウォーターオーブン機能が使えるのが特徴です。料理を研究するのが好きで、新しい調理方法に挑戦したいという方におすすめです。
ビストロは、センサーが賢く、ワンボウルメニューを始めとした時短調理メニューが充実しているのが特徴です。楽に美味しいものを作りたい、片付けは嫌いという方におすすめです。
- シャープ(SHARP)
- 価格¥115,000(2024/12/03 11:09時点)
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どちらの機種を購入するにせよ、今使っている電子レンジは捨てずにとっておくのがおすすめです。オーブン・グリル調理の最中に、冷やごはんをあたためたいというときに電子レンジが役立ちます。コンセントは別系統から引っ張ってくる必要はあります。(あとレンジの上に、別のレンジや物を乗せることはできません。)
以上、ビストロとヘルシオどちらがおすすめか。ビストロを選んだ理由。でした。