パナソニックのSR-VSA100とSR-SPA109は、スチームと可変圧力を搭載したIHジャーです。
これらは何が異なるのでしょうか。違いは6つあります。わかりやすく紹介します。
次の記事では、パナソニックのIHジャーについて一覧表で機能を比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
目次
6つの違い
SR-VSA100とSR-SPA109は、どちらもスチーム機能が付いた高級モデルですが、SR-VSA100が2020年モデルで、SR-SPA109が2019年モデルです。
SR-VSA100を、SR-SPA109と比べたときの違いは次の通りです。
- Wおどり炊きの強火時間が長い。
- 鮮度センシングがある。
- 加圧追い炊きが、加圧追い炊きplusになった。
- 銀シャリ炊き分けの種類数が1つ少ない。
- 炊込みコースが新制御になった。
- タッチキーで、ロック機能がある。
SR-VSA100の方が、鮮度センシング機能が付いて、炊飯制御が新しくなっています。
表で比較すると次のようになります。
モデル | SR-VSA100 | SR-SPA109 |
---|---|---|
発売年 | 2020 | 2019 |
画像 |
||
炊飯容量 | 0.5 ~ 5.5 合 | |
参考価格 ブラック系 |
− | ¥83,800〜(2024/12/03 03:56) |
特徴 | 2020年スチーム付き高級モデル。炊き技は上位モデルと同等で、お米の鮮度を検知する「鮮度センシング機能」や、お米の芯までしっかり加熱する「加圧追い炊きplus」を搭載。銘柄炊き分け機能がなくなり、食感炊き分けは5種類になる。赤飯コースがおこわコースにまとまる。 | 2019年スチーム付き高級モデル。高温スチームで仕上げることで、お米に旨味を閉じ込める。スチーム保温やスチーム再加熱にも対応。2020年モデルと比べ、炊き技の「鮮度センシング機能」と「加圧追い炊きplus」がなくなり、タッチキーとロック機能もなくなる。 |
モデル | SR-VSA100 | SR-SPA109 |
美味しさ | ★★★★★ ★ (6) | |
炊き技 −おどり |
高速交互対流/可変圧力 (強火時間アップ)
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高速交互対流/可変圧力
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−鮮度 | – | |
−加圧 |
加圧追い炊き
(スチームあり)
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炊き分け −銘柄 |
– | – |
−食感 |
銀シャリ炊き分け
5種類
銀シャリ、かため、やわらか、もちもち、しゃっきり
|
銀シャリ炊き分け
6種類
銀シャリ・かため・やわらか・もちもち・しゃっきり・少量
|
−玄米 |
玄米炊き分け 2種類 (「玄米ごはん」コース/「玄米高速」コース)
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内釜 |
ダイヤモンドかまど窯
ダイヤモンドハードコート 厚さ2.4 mm |
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モデル | SR-VSA100 | SR-SPA109 |
スチーム | ||
IH段数 | ||
うまみ | ||
コース | ||
おこげ/
炊込み(新制御)
/すし・カレー/おかゆ/おこわコース
|
おこげ/炊込み/すし・カレー/おかゆ/おこわコース
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|
メニュー数 |
13
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保湿 | ||
再加熱 | ||
モデル | SR-VSA100 | SR-SPA109 |
使い易さ |
タッチキー/グレー大型液晶/タイマー予約2メモリー/ロック機能
|
グレー大型液晶/タイマー予約2メモリー
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お手入れ |
ワンタッチふた加熱板/フラット天面パネル/ステンレスクリアフレーム
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エコ |
エコ炊飯コース/電気代目安表示/
エコナビ保温
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|
消費電力 | 1,210 W | 1,210 W |
外形寸法 | 幅27.5 × 奥行36.1 × 高さ23.4 cm | 幅26.6 × 奥行33.8 × 高さ23.3 cm |
質量 | 7.7 kg | 6.8 kg |
寸法と重さは、SR-VSA100の方が幅と奥行きがわずかに大きく、重いです。
ここからは、違いについて詳しく見ていきましょう。
Wおどり炊きの強火時間
2020年モデルのSR-VSA100では、「Wおどり炊き」の炊き上げ工程で強火時間が長くなり、ごはんのハリが約 10 %向上しています。
ごはんのハリとは、ごはん粒の付着性が低く、べとつかない状態のことです。
炊飯工程には、次の4工程があります。
前炊き → 炊き上げ → 沸騰維持 → 追い炊き・蒸らし
この中で「炊き上げ」は、強火で加熱し激しく蒸気が出て沸騰している状態を作り、お米の吸水・糊化を促進することが理想です。
旧来のかまど炊きでは、釜から吹きこぼしながら強火で加熱しますが、炊飯器では吹きこぼすことができません。
そのため、2019年モデルのSR-SPA109では、「蒸気センサー」で蒸気温度を測定し、沸騰を検知したら火力を早めに弱めていました。
SR-VSA100では「圧力センサー」を活用し正確に沸騰を検知することで、吹きこぼれない限界のところまで強火で加熱することができ、強火での加熱時間を約 25 秒長く維持できるようになりました。
炊飯プログラムのイメージを次に示します。
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
これにより、SR-VSA100では一粒一粒をしっかりおどらせることができ、粒表面が崩れず、炊き上がりのごはんのハリが約10%向上しています。
SR-VSX100ではより美味しいごはんが炊けるようになったのは嬉しいですね。
鮮度センシング
SR-VSA100には鮮度センシング機能が搭載されていますが、SR-SPA109には搭載されていません。
これが、2つのモデルの一番大きな違いです。
鮮度センシングとは、お米の鮮度を「圧力センサー」で検知して、鮮度に合わせた炊き方に自動で調整する機能です。
精米したお米を常温で保存すると、どんどん乾燥していってしまいます。
精米後2週間以内で食べ切ることや、冷蔵庫の中などの冷暗所で保存することが大切ですが、なかなか難しいものです。
SR-VSA100の鮮度センシング機能を使うと、次の図のように、乾燥米のパサつきを約 16%改善し、甘さ低下を約 15%改善します。
(画像はパナソニック公式ページより引用)
(画像はパナソニック公式ページより引用)
白米を冷蔵庫などの冷暗所で保管できない場合や、常温保管で2週間以内に食べきることができない場合には、鮮度センシング機能があると、乾燥米でも新米のように炊き上がるので良いですね。
加圧追い炊きplus
SR-VSA100には加圧追い炊きplus機能が、SR-SPA109には加圧追い炊き機能が搭載されています。
加圧追い炊きは、炊飯工程後半の「追い炊き」時にも釜内を加圧・高温化する機能です。
高温状態を維持することで、米の芯まで熱を伝え米のα化を促進し、加圧追い炊き非搭載機より甘みが約 10%、もちもち感(ねばり)が約 9%向上します。
SR-VSA100の加圧追い炊きplusでは、従来の加圧追い炊きよりも微細な圧力で制御し、お米の芯までしっかり加熱します。
表面のハリを残したまま、米粒を約10%大きく炊き上げることができます。
加圧追い炊きplusは米粒が大きくなるだけですので、甘みやもちもち感を引き出せるSR-SPA109の加圧追い炊きでも十分な気もします。
銀シャリ炊き分け
銀シャリ炊き分け機能とは、炊きあがりの食感を調整する機能です。
オムライスではかため、親子丼ではやわらかめ、お弁当ではもちもちなどとメニューに合わせて炊き分けたり、自分の好みの食感に調整できます。
SR-VSA100では、銀シャリ、かため、やわらか、もちもち、しゃっきりの合計5通りの食感から選ぶことができます。
SR-SPA109では、銀シャリ、かため、やわらか、もちもち、しゃっきり、少量の合計6通りの食感から選ぶことができます。
SR-SPA109の方が、「少量」が多いです。少量では、0.5~1.5合の少ない量のご飯を美味しく炊くことができます。
他のコースでも0.5合から炊くことができますが、少量で炊くことが多い方は、少量専用の炊き分けがあると良いでしょう。
他の食感の詳細は次のようになっています。
かため : 歯ごたえのあるパラっと硬めのごはん
やわらか : 粒全体のハリ全体を抑えたしっとりやわらかなごはん
もちもち : 粘りと弾力の強いもっちりとしたごはん
しゃっきり: ハリが強く、しっかり粒感のあるごはん
炊込みコースの制御
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
どちらのモデルにも炊き込みご飯コースが搭載されています。
ただ、パナソニックによれば、SR-SPA109などの2019年モデルの炊き込みご飯コースでは「ごはんがべたつく、味が染み込みにくい」という声があったということです。
SR-VSA100では、「前炊き工程」と「沸騰維持工程」が次のように見直されています。
- 前炊き工程: 低温で長時間浸漬
- 沸騰維持工程: 火力を10 %アップ
(画像はパナソニック公式ページより引用。)
この工程の見直しにより、一粒一粒がほぐれやすく、味の染み込んだ炊込みごはんが炊けるようになりました。
具体的には、ごはんのハリが約 25%アップし、粒内部への塩分の染み込みが約 10%増加しているということです。
SR-SPA109の炊き込みご飯がべたつくというのは残念ですが、SR-VSA100では改善されているということで嬉しいですね。
タッチキーとロック機能
SR-SPA109の操作ボタンは通常の凹凸のあるボタンですが、SR-VSA100では平らな静電容量式のタッチキーです。
通常のボタンだと長年使っていると表面が剥がれてくることもありますが、タッチキーならその心配がありません。
ただ、タッチキーは、押したときの感触がないのが欠点です。
また、SR-VSA100にはロック機能が付いています。
子供が触れられる場所に炊飯器を置く予定であれば、ロック機能があると安心です。
これらの違いは、特にこだわりがなければ気にしなくても良いでしょう。
どちらがおすすめか
以上のように、SR-VSA100はSR-SPA109と比べて、鮮度センシング機能があり乾燥したお米も新米のように炊くことができます。
炊き上げと追い炊き工程、炊込みコースの制御は新しくなっており、ご飯のハリがアップしたり、粒の大きさが10%アップするなどしています。
使いやすさの面では、タッチキーやロック機能が搭載されました。
一方で、炊き分け機能から、0.5~1.5合用の少量炊き分けがなくなりました。
この中で、SR-VSA100の一番大きな変化は、鮮度センシング機能が付いたことだと思います。
鮮度センシング機能があると、乾燥米のパサつきや甘さ低下を抑えて炊くことができます。
白米を冷蔵庫で保管できない場合や、常温保管の場合は2週間以内に食べきることができないことが多いという方には、乾燥米も美味しく炊けるSR-VSA100がおすすめです。
しかし執筆時点では、価格は2.5万円ほどSR-VSA100の方が高いです。
これくらいの価格差があるなら、SR-SPA109の方がコストパフォーマンスが良くおすすめです。
精米されたお米は、1~2 kgほどの量をこまめに買うか、1回分ごとが袋に小分けされているものを買うようにして、乾燥を避けるようにすると良いでしょう。
私なら、SR-VSA100とSR-SPA109の価格差が1万円未満なら、SR-VSA100を選ぶと思います。
迷うところですが、どちらのモデルも内釜は厚さ2.4 mmでダイヤモンドハードコートをした高級なものですし、220℃ 高温スチームや、全面発熱6段IH、うまみ循環タンクを備えています。パナソニックの美味しさ指数はどちらも星6ですので、違いはわずかと言えます。
スチームや圧力式ではない炊飯器から買い換える場合には、どちらを選んでもこれまでより美味しいご飯が炊けるでしょう。
価格は次のようになっています。
なお、2019年モデルのSR-SPA109は生産終了になっていますので、SR-SPA109が良い場合には早めに手に入れると良いでしょう。
モデル | SR-VSA100 | SR-VSA180 | SR-SPA109 | SR-SPA189 |
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発売年 | 2020 | 2019 | ||
画像 |
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炊飯容量 | 0.5 ~ 5.5 合 | 1 ~ 10 合 | 0.5 ~ 5.5 合 | 1 ~ 10 合 |
参考価格 | − | − | ¥83,800〜(2024/12/03 03:56) |
− |
まとめ
パナソニックのスチームと可変圧力を搭載したIHジャーSR-VSA100とSR-SPA109の違いは、SR-VSA100は鮮度センシング機能が付いて、炊飯制御が新しくなったことや、キーがタッチキーになり、ロック機能が付いたことです。
乾燥米も美味しく炊けるSR-VSA100の方がおすすめですが、価格差が大きいようであれば2019年モデルのSR-SPA109の方がコストパフォーマンスが良くおすすめです。
次の記事では、パナソニックのIHジャーについて一覧表で機能を比較していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
以上、SR-VSA100とSR-SPA109の6つの違い!でした。