東芝の過熱水蒸気オーブンレンジ、ER-WD80とER-VD80は、よく似ていますが何が異なるのでしょうか。違いは、8つあります。わかりやすく紹介します。
[参考] 東芝 電子レンジ28台の性能を一覧表で比較![石窯ドーム]
目次
8つの違い
石窯ドームのER-WD80とER-VD80はどちらも庫内容量26 Lの過熱水蒸気オーブンレンジです。
ER-WD80は、ER-VD80の後継機種です。ER-WD80は2022年1月発売予定で、ER-VD80は2020年発売です。ER-VD80がいわゆる型落ち機種です。ER-WD80の発売は2021年10月が予定されていましたが、延期になっています。
ER-WD80は、ER-VD80と比べると、次の点が違います。
- 上ヒーターが管ヒーターから、平面ヒーターになりお手入れが楽になった。その代わり、トーストに時間がかかるようになった。
- 赤外線センサーの位置が上がって、深さのある容器に入った食品でも温度検知しやすくなった。
- 液晶と操作パネルが縦並びになった。液晶にバックライトが付き、ダイヤル操作式になったが、タッチメニューボタンはなくなった。
- 庫内コーティングが、庫内よごれプロテクトになった。
- 「のみものあたため」でコーヒーも温められるようになった。
- 角皿の底が平らになった。
- 総レシピ数が5つ増えた。
- 本体はブラック色になり、庫内サイズはわずかに大きくなった。
ER-WD80は、平面ヒーターになったのが一番大きな変更点で、その他にも細かいところが使いやすくなっています。
違いを表で比較すると次のようになります。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
発売年 | 2022/1予定 | 2020 |
外観 |
||
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
スチームトースト | 9分30秒(約6分で裏返し) | 8分(約5分で裏返し) |
のみものあたため | 牛乳・コーヒー・お酒 | 牛乳・お酒 |
赤外線センサーの位置 | 天面 | 側面 |
庫内コーティング | 庫内よごれプロテクト ( 扉部、底面を除く ) |
遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
角皿 | フラット | 凸型 |
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
操作パネル | 縦パネル | 横パネル |
総レシピ数 | 142 | 137 |
【主なレシピ内訳】(重複あり) | ||
パン・スイーツ | 60 | 60 |
ノンフライ | 10 | 10 |
時短・お手軽 | 65 | 64 |
ABC | 8 | 9 |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
参考価格 | ブラック: ¥63,580〜(2021/09/24 17:55) | グランホワイト: − |
違いについて詳しく見てみましょう。
上ヒーター形状
ER-WD80は上ヒーターが管ヒーターから、平面ヒーターになり、お手入れが簡単になりました。
ER-VD80では次のように、天面にヒーター管があります。
(画像は東芝公式ページより引用。)
管と天面の隙間の汚れを拭くのは大変ですし、ヒーター管はガラスですので、周りの焦げを落とそうとして強くこするのも少し怖いです。
一方で、ER-WD80の上ヒーターは、平面ドームヒーターになり埋め込まれています。
(画像は東芝公式ページより引用。)
こちらは汚れをさっと拭くことができて、便利です。
平面ヒーター自体は新しい技術ではなく、下面ヒーターには従来から採用されています。これまで、上ヒーターに平面ヒーターが採用されてこなかった理由は、火力が弱くなってしまうという欠点があるからです。
上も平面ヒーターを採用したER-WD80では、その欠点を補うため、オーブンヒーター出力は200Wアップの1350Wに、グリルヒーター出力は300Wアップの1100Wに変更されています。本体の重さは3 kgアップしています。
それでも、ヒーターの瞬発力が必要とされるグリル料理では、わずかですが火力が低下しているようです。6枚切食パン2枚のトーストにかかる時間は、ER-VD80では 5分45秒でしたが、ER-WD80では6分5秒に長くなりました。
とはいえ、これくらいの違いでしたら、平面ヒーターの方が利点が多いと思います。上位機種は全て平面ヒーターとなっていますので、素直にアップグレードと捉えることができます。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
スチームトースト | 9分30秒(約6分で裏返し) | 8分(約5分で裏返し) |
消費電力(W)/ヒーター出力(W) | 1350/オーブン1350・グリル1100・スチーム350 | 1220/オーブン1150・グリル800・スチーム350 |
質量 | 約17kg | 約14kg |
赤外線センサーの位置
ヒーター管がなくなったことで、レンジ用の赤外線センサーを側面から天面に移動することができました。
次の画像のように、ER-VD80では側面に赤外線センサーがありますが、ER-WD80では天面にあります。
(画像は東芝公式ページより引用。)
容器が深いときに、ER-VD80の側面にある赤外線センサーでは、容器表面の温度を多く見てしまい、食品温度を正しく測れないことがあります。
ER-WD80では、天面にあるセンサーによって、食品温度を正しく測りやすくなりました。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
赤外線センサーの位置 | 天面 | 側面 |
液晶と操作パネル
ER-VD80では操作パネルが横並びでしたが、ER-WD80では操作パネルが縦並びになりました。また液晶は、バックライトなしの液晶から、バックライト付きのブラック液晶になりました。
次の画像は、ER-VD80の操作パネルです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
液晶の左側にオートメニューを呼び出すボタンが並んでおり、液晶右側は手動調理用ボタンがあります。あたためスタートボタンはダイヤルではなくただのボタンです。液晶は大きめです。
次の画像は、ER-WD80の操作パネルです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
こちらでは、オートメニューを呼び出すボタンがなくなりました。代わりに、あたためスタートボタンが、ダイヤル兼用になりました。オートメニュー番号を選ぶ時に、上・下ボタンを何回も押す必要がなく、ダイヤルを回して番号を選ぶことができるのは便利です。また、ブラックバックライト液晶になり、スタイリッシュなデザインになりました。
これについては、ER-VD80の方がタッチメニューがあって良いとか、白っぽいデザインのほうが好きという方もいらっしゃるかもしれませんね。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
操作パネル | 縦パネル | 横パネル |
庫内コーティング
ER-VD80の庫内コーティングは、遠赤・脱臭ブラックコートです。このコーティングには、高温時にニオイを分解する脱臭効果があります。
ER-WD80の庫内コーティングは、撥水・撥油性能のある庫内よごれプロテクトです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
ER-WD80は汚れがつきにくくなっているのは嬉しいですね。
なお、遠赤効果はどちらの機種にもあります。ER-VD80では底・奥・左右の4面ですが、ER-WD80では扉を除く5面です。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
庫内コーティング |
庫内よごれプロテクト |
遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
角皿
(画像は東芝公式ページより引用。)
ER-VD80の各皿は、凸型になっていました。これは歪を抑えるためにこうしているのだと推測されます。ただ、端に容器を置くと傾いてしまう欠点がありました。
ER-WD80の各皿では、フラットになり、容器を並べて置いても傾かなくなりました。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
角皿 | フラット | 凸型 |
「のみもの」あたため
ER-VD80の「のみもの」あたため機能は、牛乳とお酒だけしか自動加熱できず、コーヒーは手動のレンジ機能で加熱する必要がありました。
ER-WD80では、コーヒーも「のみもの」あたため機能で温められるようになりました。1杯150 mlを基準分量として、1, 2杯を指定して加熱することができます。
コーヒーを温め直す機会が多い方には嬉しい変更ですね。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
のみものあたため | 牛乳・コーヒー・お酒 | 牛乳・お酒 |
レシピ数
ER-WD80は、ER-VD80と比べて総レシピ数が5つ増えました。自動メニュー数は同じです。
変更があった主なレシピには次のようなものがあります。
【新しく追加されたレシピ】
- 塩さば
- 栗おこわ
- かぶの浅漬け ゆずこしょう風味(時短レシピ)
- 切り干し大根の煮物
- かぼちゃとひき肉の煮物
- さといもの煮物
【なくなった手動レシピ】
- 照り焼きれんこんハンバーグ(ABCクッキングレシピ)
- 銀だらの蒸し物
【自動メニューでなくなり、手動になったレシピ】
- 石窯パン
このようにレシピには、それほど違いはありません。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
総レシピ数 | 142 | 137 |
【主なレシピ内訳】(重複あり) | ||
パン・スイーツ | 60 | 60 |
ノンフライ | 10 | 10 |
時短・お手軽 | 65 | 64 |
ABC | 8 | 9 |
本体色・庫内サイズ
ER-WD80では、本体色はホワイトからブラックになり、庫内寸法はわずかに大きくなりました。
次の画像はER-VD80です。
次の画像はER-WD80です。
庫内寸法は、幅が8ミリ、奥行きが3ミリ、高さが17ミリ広がりました。
本体寸法(外形寸法)は同じです。
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
庫内有効寸法(mm) | 384(幅)×323(奥行)×215(高さ) | 376(幅)×320(奥行)×198(高さ) |
どちらがおすすめか
このように、ER-WD80では平面ヒーターになり、赤外線センサーが天面に付き、ダイヤル操作になったことが主な変更点です。上位機種の特徴が取り入れられて、使い勝手がよくなっています。
そのため、価格が同等なら、ER-WD80の方がおすすめです。
しかしながら執筆時点の価格はER-WD80は発売されたばかりということもあり割高です。より上位機種の旧モデルの方が安く手に入ります。
購入検討時のER-WD80とER-VD80の価格差が、平面ヒーターやダイヤル操作だけの価値があるかどうかを考えて、機種を選ぶと良いでしょう。
なお昨年2020年は、一年前の2019年モデルER-TD80は早めに在庫が少なくなり、価格が上昇していました。ER-WD80の発売は延期されたものの、ER-VD80は既に生産終了になっています。ER-VD80が良い場合には、早めに手に入れると良いでしょう。
価格と性能を一覧表で比較
ER-WD80とER-VD80の価格と性能を一覧表で比較すると次のようになります。
タイプ | 過熱水蒸気オーブンレンジ | 過熱水蒸気オーブンレンジ |
庫内容量 | 26L (ワイド&フラット庫内) | 26L (ワイド&フラット庫内) |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
---|---|---|
発売年 | 2022/1予定 | 2020 |
外観 |
||
特徴 | 過熱水蒸気・スチーム調理が可能。冷凍トースト・おつまみ1分メニューを搭載。 | |
参考価格 | ブラック: ¥63,580〜(2021/09/24 17:55) | グランホワイト: − |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
オーブン・グリル | ||
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
オーブン温度 |
100~250℃(250℃は約5分まで。その後200℃。予熱は最大200℃。)
|
|
深皿調理 | − | − |
過熱水蒸気調理 |
100~250℃
|
|
ハイブリッド調理 | − | − |
ノンフライ調理 |
●
|
|
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
グリル調理 |
大火力石窯ドームグリル
|
石窯グリル
|
便利なあたため | ||
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
スチームトースト | 9分30秒(約6分で裏返し) | 8分(約5分で裏返し) |
発酵 | 30・35・40・45℃ | |
スチーム発酵 | − | − |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
レンジ | ||
レンジ出力(W) | 1000/600・500連続 200相当、100相当(1000Wは3分まで。その後600W。) | |
センサー | 赤外線センサー/温度センサー | |
あたため機能(抜粋) | ごはん/おかず/ お好み温度 / スチームあたため /牛乳・コーヒー/お酒/ゆで野菜/コンビニ弁当 | ごはん/おかず/ お好み温度 / スチームあたため /牛乳/お酒/ゆで野菜/コンビニ弁当 |
解凍 | お急ぎ解凍/スチーム全解凍/さしみ・半解凍 | |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
スチーム | ||
スチーム方式 |
給水カセット式
|
|
スチーム調理 |
低温蒸し(自動メニューのみ)
|
|
スチームレンジ | ● | |
総レシピ数(自動メニュー数) | 142(99) | 137(99) |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
お手入れ | ||
庫内コーティング | 庫内よごれプロテクト ( 扉部、底面を除く ) |
遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
手間なしお手入れコース | ●(10分) | |
使いやすさ | ||
IoT機能 | − | − |
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
型名 | ER-WD80 | ER-VD80 |
付属品 | 角皿(鉄板ホーロー・溝つき)39.5×30.5 cm 1枚/取扱説明書 兼 料理集 |
角皿(鉄板ホーロー)38.8×30cm 1枚/取扱説明書 兼 料理集 |
外形寸法(mm) | 480(幅)×390(奥行)×350(高さ) | |
庫内有効寸法(mm) | 384(幅)×323(奥行)×215(高さ) | 376(幅)×320(奥行)×198(高さ) |
設置寸法 | 背面ピッタリ 左1.5cm、右4.5cm、上方10cm以上 |
|
質量 | 約17kg | 約14kg |
消費電力(W)/ヒーター出力(W) | 1350/オーブン1350・グリル1100・スチーム350 | 1220/オーブン1150・グリル800・スチーム350 |
消費電力(W)/高周波出力(W) | 1430/1000 | |
年間消費電力量 | 69.2kWh/年 | 73.4kWh/年 |
まとめ
東芝の過熱水蒸気オーブンレンジER-WD80は平面ヒーターになり、赤外線センサーが天面に付き、ダイヤル操作になったことが、ER-VD80からの主な変更点です。上位機種の特徴が取り入れられて、使い勝手がよくなっていますので、価格が落ち着いたらおすすめです。
以上、ER-WD80とER-VD80の8つの違い。でした。
参考
ER-WD80
ドーム
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26 L
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- 東芝(TOSHIBA)
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