東芝の角皿式スチームオーブンレンジ、ER-WD70とER-VD70は、よく似ていますが何が異なるのでしょうか。違いは、8つあります。わかりやすく紹介します。
[参考] 東芝 電子レンジ28台の性能を一覧表で比較![石窯ドーム]
目次
8つの違い
石窯ドームのER-WD70とER-VD70はどちらも庫内容量26 Lの角皿式スチームオーブンレンジです。
ER-WD70は、ER-VD70の後継機種です。ER-WD70は2022年1月発売予定で、ER-VD70は2020年発売です。ER-VD70がいわゆる型落ち機種です。ER-WD70の発売は2021年10月が予定されていましたが、延期になっています。
ER-WD70は、ER-VD70と比べると、次の点が違います。
- 上ヒーターが管ヒーターから、平面ヒーターになりお手入れが楽になった。その代わり、トーストに時間がかかるようになった。
- 赤外線センサーの位置が上がって、深さのある容器に入った食品でも温度検知しやすくなった。
- 液晶と操作パネルが縦並びになった。液晶にバックライトが付き、ダイヤル操作式になったが、タッチメニューボタンはなくなった。
- 庫内コーティングが、庫内よごれプロテクトになった。
- 「のみものあたため」でコーヒーも温められるようになった。
- 角皿の底が平らになった。
- 総レシピ数が4つ増え、自動メニューは2つ増えた。
- 庫内サイズがわずかに大きくなった。
ER-WD70は、平面ヒーターになったのが一番大きな変更点で、その他にも細かいところが使いやすくなっています。
違いを表で比較すると次のようになります。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
発売年 | 2022/1予定 | 2020 |
外観 |
||
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
のみものあたため | 牛乳・コーヒー・お酒 | 牛乳・お酒 |
赤外線センサーの位置 | 天面 | 側面 |
庫内コーティング | 庫内よごれプロテクト ( 扉部、底面を除く ) |
遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
角皿 | フラット | 凸型 |
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
操作パネル | 縦パネル | 横パネル |
自動メニュー数 | 96 | 94 |
総レシピ数 | 123 | 119 |
【主なレシピ内訳】(重複あり) | ||
パン・スイーツ | 50 | 50 |
ノンフライ | 8 | 8 |
時短・お手軽 | 64 | 63 |
ABC | 5 | 7 |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
参考価格 | ホワイト: ¥51,480〜(2021/09/24 17:55) | グランホワイト: ¥43,980〜(2024/10/15 16:57) |
参考価格 | ブラック: ¥51,480〜(2021/09/24 17:55) | ブラック: ¥39,980〜(2024/10/15 16:57) |
違いについて詳しく見てみましょう。
上ヒーター形状
ER-WD70は上ヒーターが管ヒーターから、平面ヒーターになり、お手入れが簡単になりました。
ER-VD70では次のように、天面にヒーター管があります。
(画像は東芝公式ページより引用。)
管と天面の隙間の汚れを拭くのは大変ですし、ヒーター管はガラスですので、周りの焦げを落とそうとして強くこするのも少し怖いです。
一方で、ER-WD70の上ヒーターは、平面ドームヒーターになり埋め込まれています。
(画像は東芝公式ページより引用。)
こちらは汚れをさっと拭くことができて、便利です。
平面ヒーター自体は新しい技術ではなく、下面ヒーターには従来から採用されています。これまで、上ヒーターに平面ヒーターが採用されてこなかった理由は、火力が弱くなってしまうという欠点があるからです。
上も平面ヒーターを採用したER-WD70では、その欠点を補うため、オーブンヒーター出力は200Wアップの1350Wに、グリルヒーター出力は300Wアップの1100Wに変更されています。本体の重さは3 kgアップしています。
それでも、ヒーターの瞬発力が必要とされるグリル料理では、わずかですが火力が低下しているようです。6枚切食パン2枚のトーストにかかる時間は、ER-VD70では 5分45秒でしたが、ER-WD70では6分5秒に長くなりました。
とはいえ、これくらいの違いでしたら、平面ヒーターの方が利点が多いと思います。上位機種は全て平面ヒーターとなっていますので、素直にアップグレードと捉えることができます。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
消費電力(W)/ヒーター出力(W) | 1350/オーブン1350・グリル1100・スチーム350 | 1220/オーブン1150・グリル800・スチーム350 |
質量 | 約17kg | 約14kg |
赤外線センサーの位置
ヒーター管がなくなったことで、レンジ用の赤外線センサーを側面から天面に移動することができました。
次の画像のように、ER-VD70では側面に赤外線センサーがありますが、ER-WD70では天面にあります。
(画像は東芝公式ページより引用。)
容器が深いときに、ER-VD70の側面にある赤外線センサーでは、容器表面の温度を多く見てしまい、食品温度を正しく測れないことがあります。
ER-WD70では、天面にあるセンサーによって、食品温度を正しく測りやすくなりました。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
赤外線センサーの位置 | 天面 | 側面 |
液晶と操作パネル
ER-VD70では操作パネルが横並びでしたが、ER-WD70では操作パネルが縦並びになりました。また液晶は、バックライトなしの液晶から、バックライト付きのブラック液晶になりました。
ER-VD80/70の操作パネルは次のようなものです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
液晶の左側にオートメニューを呼び出すボタンが並んでおり、液晶右側は手動調理用ボタンがあります。あたためスタートボタンはダイヤルではなくただのボタンです。液晶は大きめです。
ER-WD80/70の操作パネルは次のようなものです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
こちらでは、オートメニューを呼び出すボタンがなくなりました。代わりに、あたためスタートボタンが、ダイヤル兼用になりました。オートメニュー番号を選ぶ時に、上・下ボタンを何回も押す必要がなく、ダイヤルを回して番号を選ぶことができるのは便利です。また、ブラックバックライト液晶になり、スタイリッシュなデザインになりました。
これについては、ER-VD70の方がタッチメニューがあって良いという方もいらっしゃるかもしれませんね。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
操作パネル | 縦パネル | 横パネル |
庫内コーティング
ER-VD70の庫内コーティングは、遠赤・脱臭ブラックコートです。このコーティングには、高温時にニオイを分解する脱臭効果があります。
ER-WD70の庫内コーティングは、撥水・撥油性能のある庫内よごれプロテクトです。
(画像は東芝公式ページより引用。)
ER-WD70は庫内に汚れがつきにくくなっているのは嬉しいですね。
なお、遠赤効果はどちらの機種にもあります。ER-VD70では底・奥・左右の4面ですが、ER-WD70では扉を除く5面です。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
庫内コーティング |
庫内よごれプロテクト |
遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
角皿
(画像は東芝公式ページより引用。)
ER-VD70の各皿は、凸型になっていました。これは歪を抑えるためにこうしているのだと推測されます。ただ、端に容器を置くと傾いてしまう欠点がありました。
ER-WD70の各皿では、フラットになり、容器を並べて置いても傾かなくなりました。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
角皿 | フラット | 凸型 |
「のみもの」あたため
ER-VD70の「のみもの」あたため機能は、牛乳とお酒だけしか自動加熱できず、コーヒーは手動のレンジ機能で加熱する必要がありました。
ER-WD70では、コーヒーも「のみもの」あたため機能で温められるようになりました。1杯150 mlを基準分量として、1~2杯を指定して加熱することができます。
コーヒーを温め直す機会が多い方には嬉しい変更ですね。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
のみものあたため | 牛乳・コーヒー・お酒 | 牛乳・お酒 |
レシピ数
ER-WD70は、ER-VD70と比べて総レシピ数が4つ増え、自動メニューは2つ増えました。
変更があったレシピには次のようなものがあります。
【新しく追加された自動メニューレシピ】
- 鶏の照り焼き
【新しく追加された手動レシピ】
- 塩さば
- 切り干し大根の煮物
- かぼちゃとひき肉の煮物
- さといもの煮物
- かぶの浅漬け ゆずこしょう風味(時短レシピ)
【なくなった手動レシピ】
- 手羽先と新じゃがのロースト(ABCクッキングレシピ)
- 照り焼きれんこんハンバーグ(ABCクッキングレシピ)
【自動メニューでなくなり、手動になったレシピ】
- 石窯パン
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
自動メニュー数 | 96 | 94 |
総レシピ数 | 123 | 119 |
【主なレシピ内訳】(重複あり) | ||
パン・スイーツ | 50 | 50 |
ノンフライ | 8 | 8 |
時短・お手軽 | 64 | 63 |
ABC | 5 | 7 |
庫内サイズ
ER-WD70では、本体寸法(外形寸法)は同じですが、庫内寸法はわずかに大きくなりました。
幅が8ミリ、奥行きが3ミリ、高さが17ミリ広がりました。
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
庫内有効寸法(mm) | 384(幅)×323(奥行)×215(高さ) | 376(幅)×320(奥行)×198(高さ) |
どちらがおすすめか
このように、ER-WD70では平面ヒーターになり、赤外線センサーが天面に付き、ダイヤル操作になったことが主な変更点です。上位機種の特徴が取り入れられて、使い勝手がよくなっています。
そのため、価格が同等なら、ER-WD70の方がおすすめです。
しかしながら執筆時点の価格はER-WD70は発売されたばかりということもあり割高です。より上位機種の旧モデルの方が安く手に入ります。
購入検討時のER-WD70とER-VD70の価格差が、平面ヒーターやダイヤル操作だけの価値があるかどうかを考えて、機種を選ぶと良いでしょう。
なお昨年2020年は、一年前の2019年モデルER-TD70は早めに在庫が少なくなり、価格が上昇していました。ER-WD70の発売は延期されたものの、ER-VD70は既に生産終了になっています。ER-VD70が良い場合には、早めに手に入れると良いでしょう。
価格と性能を一覧表で比較
ER-WD70とER-VD70の価格と性能を一覧表で比較すると次のようになります。
タイプ | 角皿式スチームオーブンレンジ | 角皿式スチームオーブンレンジ |
庫内容量 | 26L (ワイド&フラット庫内) | 26L (ワイド&フラット庫内) |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
---|---|---|
発売年 | 2022/1予定 | 2020 |
外観 |
||
特徴 | 庫内容量26L、石窯ドーム構造のオーブン、レンジ用の赤外線センサーを搭載。 | |
参考価格 | ホワイト: ¥51,480〜(2021/09/24 17:55) | グランホワイト: ¥43,980〜(2024/10/15 16:57) |
参考価格 | ブラック: ¥51,480〜(2021/09/24 17:55) | ブラック: ¥39,980〜(2024/10/15 16:57) |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
オーブン・グリル | ||
加熱方式 | 石窯ドーム構造/庫内まるごと遠赤(扉部を除く)/(上)ドームヒーター/(下)シーズヒーター(埋め込み) |
石窯ドーム構造/ 庫内4面遠赤(底・奥・左右)/ (上)ガラス管ヒーター/ (下)シーズヒーター(埋め込み) |
オーブン温度 |
100~250℃(250℃は約5分まで。その後200℃。予熱は最大200℃。)
|
|
深皿調理 | − | − |
過熱水蒸気調理 | − | − |
ハイブリッド調理 | − | − |
ノンフライ調理 |
●
|
|
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
グリル調理 |
石窯ドームグリル
|
石窯グリル
|
便利なあたため | ||
トースト (6枚切り2枚) |
6分5秒(約4分20秒で裏返し) | 5分45秒(約3分40秒で裏返し) |
冷凍トースト | 8分(約5分40秒で裏返し) | 8分15秒(約5分40秒で裏返し) |
スチームトースト | − | − |
発酵 | 30・35・40・45℃ | |
スチーム発酵 | − | − |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
レンジ | ||
レンジ出力(W) | 1000/600・500連続 200相当、100相当(1000Wは3分まで。その後600W。) | |
センサー | 赤外線センサー/温度センサー | |
あたため機能(抜粋) | ごはん/おかず/ お好み温度 /牛乳・コーヒー/お酒/ゆで野菜/コンビニ弁当 | ごはん/おかず/ お好み温度 /牛乳/お酒/ゆで野菜/コンビニ弁当 |
解凍 | 解凍/さしみ | |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
スチーム | ||
スチーム方式 |
角皿式
|
|
スチーム調理 |
角皿スチーム調理
|
|
スチームレンジ | − | − |
総レシピ数(自動メニュー数) | 123(96) | 119(94) |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
お手入れ | ||
庫内コーティング | 庫内よごれプロテクト ( 扉部、底面を除く ) | 遠赤・脱臭ブラックコート ( 扉部、底面を除く ) |
手間なしお手入れコース | − | − |
使いやすさ | ||
IoT機能 | − | − |
表示 | バックライト液晶(ブラック) | 液晶表示 |
型名 | ER-WD70 | ER-VD70 |
付属品 | 角皿(鉄板ホーロー・溝つき)39.5×30.5 cm 1枚/取扱説明書 兼 料理集 |
角皿(鉄板ホーロー)38.8×30cm 1枚/取扱説明書 兼 料理集 |
外形寸法(mm) | 480(幅)×390(奥行)×350(高さ) | |
庫内有効寸法(mm) | 384(幅)×323(奥行)×215(高さ) | 376(幅)×320(奥行)×198(高さ) |
設置寸法 | 背面ピッタリ 左1.5cm、右4.5cm、上方10cm以上 |
|
質量 | 約17kg | 約14kg |
消費電力(W)/ヒーター出力(W) | 1350/オーブン1350・グリル1100 | 1220/オーブン1150・グリル800 |
消費電力(W)/高周波出力(W) | 1430/1000 | |
年間消費電力量 | 69.2kWh/年 | 73.4kWh/年 |
まとめ
東芝の角皿式スチームオーブンレンジER-WD70は、ER-VD70と比べると、平面ヒーターになり、赤外線センサーが天面に付き、ダイヤル操作になりました。上位機種の特徴が取り入れられて、使い勝手がよくなっていますので、価格が落ち着いたらおすすめです。
以上、ER-WD70とER-VD70の8つの違い。でした。
参考
ER-WD70
ドーム
250℃
26 L
+温度
センサー
スチーム
調理
ライト
液晶
自動
メニュー
プロテクト
- 東芝(TOSHIBA)
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ER-VD70
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