ベビーロックの衣縫人BL5700EXSとBL57EXSはよく似ていますが何が異なるのでしょうか。違いは4つあります。わかりやすく紹介します。
目次
4つの違い
BL5700EXSは、日本ミシンサービスが運営する各通販サイト、マイミシンさん、ミシンジャパンさん、ミシン販売専門店さんなどで取り扱いのある独自機種です。
BL57EXSは、メーカーであるベビーロックの純正機種です。
BL57EXSを、代理店の要望に応じて部分的に変更した機種がBL5700EXSということになります。BL5700EXSは、最上位機種BL57EXSと下位機種のBL501の中間に位置します。
2022年現在、BL5700EXSは、BL57EXSと比べて次の点が異なります。
- フットコントローラーが大きく、二段階のスピード切り替えスイッチ付き
- 押さえ金の長さが長い
- サイドカバーが開かない
- ニット用裾まつり押さえが付属
2021年以前のBL5700EXSでは、更に次の点が異なります。
- アンテナ上部のデザインが古い
- LEDではなく白熱球
- (おそらくルーパーの形状が異なる)
この3点は、BL57EXSでは2019年7月に改善されていたものですが、BL5700EXSでも2年以上遅れた2022年2月ごろに(こっそり)更新されたようです。
あくまで一般論として、メーカー純正機種が先に更新されますので、純正機種のほうが性能がよい時期が長くなります。代理店のオリジナル機種は、在庫がハケ次第、更新されることになります。メーカーは純正機種よりも、高性能の機種を代理店に卸すことはしないと思われます。
違いを表で比較すると、次のようになります。
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
外観 |
![]() |
![]() |
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
フットコントローラー | 1.5倍サイズ 2段階速度調整 |
コンパクトサイズ |
押さえ金の長さ | 長い |
短い
|
サイドカバー | 開かない |
開く
|
ニット用裾まつり押さえ |
付属
|
オプション |
違いについて、詳しく見てみましょう。
フットコントローラー
BL5700EXSはフットコントローラーのサイズが大きく、二段階のスピード切り替えスイッチがついています。
フットコントローラー初心者の方には、サイズが大きく速度切り替えがあるほうが良いかもしれませんね。
一方で、本縫いミシンでフットコントローラーに慣れているという方は、BL57EXSが採用する一般的なフットコントローラーでも踏み込みによって速度が調整できますので、それで十分でしょう。
私はBL57EXSのフットコントローラーを使っていますが、机の下が狭いのでコンパクトサイズでよかったと思っています。動かないくらいの最低速から最高速まで自在にコントロールできますので、切り替えスイッチがあっても使ってないと思います。
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
フットコントローラー | 1.5倍サイズ 2段階速度調整 |
コンパクトサイズ |
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
押さえ金の長さが長い
BL57EXSの押さえ金
BL5700EXSの押さえ金は長さが少し長いです。金具を持ち上げやすいということです。
しかし、押え金が短いほうがカーブを縫いやすいですので、標準の長さの押え金を採用するBL57EXSのほうがおすすめです。
またBL57EXSを実際に使っていると、BL57EXSの押さえ金の長さは、金具を持ち上げなくても下の送り歯に挟まれて生地が入っていくちょうどよい長さに調整されているように思います。
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
押さえ金の長さ | 長い |
短い
|
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
サイドカバーが開かない
BL57EXSのサイドカバーを開けたところ
BL5700EXSはサイドカバーが開きません。
見方によっては、サイドカバーを壊しにくいということになります。うまい言い方だと思います。
一方で、内部の掃除がしにくいです。ロックミシンは、内部に布の切り屑がたまることで不具合を起こすことがとても多いので、内部の掃除がしやすいほうがおすすめです。
BL5700EXSでも、ひっくり返して、ネジを回して、底の蓋をあければ、内部にアクセスすることはできます。でも、ロックミシンは重さがあり、不安定な形をしています。ひっくり返すときに糸アンテナを壊しそうですので、おすすめしません。
これは、メーカーが最上位機種であるBL57EXSと同等性能の代理店オリジナル機種を作ることができないため、性能を落としたポイントの一つだと思われます。BL501というメーカー純正の下位機種と同じように、サイドカバーを開かなくしてあります。
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
サイドカバー | 開かない |
開く
|
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
ニット用裾まつり押さえが付属
ニット用裾まつり押さえは、3本糸で、ニットの縁かがりと裾のまつりを同時にすることができる押さえです。本縫いコンピューターミシンで裾まつりをするのと比べて、同時に縫えるということと、ニットの伸びに対応できるという点が利点です。
BL5700EXSには付属し、BL57EXSはオプションです。税込み2,750円程度です。
BL57EXSでも、必要になったら購入するのでよいでしょう。6つの押え金が入ったアタッチメントセットなども販売されていますが、ほとんどの方はその中の一種類を使うかどうかですので、必要なものだけを買うほうが割安です。
BL5700EXSのほうが実売価格が高いのは、この押さえの価格も入っているのかもしれませんね。

- ジューキ (JUKI)
- 価格¥2,880(2023/01/31 04:31時点)
- Amazonで口コミ・レビューを見る
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
ニット用裾まつり押さえ |
付属
|
オプション |
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
どちらがおすすめか
このようにBL5700EXSは、BL57EXSと比べて次の点が異なります。
- フットコントローラーが大きく、二段階のスピード切り替えスイッチ付き
- 押さえ金の長さが長い
- サイドカバーが開かない
- ニット用裾まつり押さえが付属
そのため、BL5700EXSは次のような方におすすめです。
- フットコントローラーを使ったことがないので、大きくて2段階のスピード調整ができるほうがよい。
- サイドカバーを壊しそうなので、開かないほうがよい。
- ニット用裾まつり押さえをすぐに使う予定がある。
- 日本ミシンサービスの通販サイトのファンで、独自機種に魅力を感じる。
一方で、BL57EXSは次のような方におすすめです。
- フットコントローラーは本縫いミシンで使ったことがある・慣れているので、普通のフットコントローラーでよい。
- 服を縫うので、カーブが縫いやすいほうがよい。
- 故障を予防するために、ホコリや切り屑を掃除しやすいほうがよい。
- メーカー純正機種がよい。
BL57EXSのほうが上位機種で安いですので、一般的な方には、BL57EXSがおすすめです。
独自機種であるBL5700EXSの販売店は、「衣縫人のなかで最上位モデル」、「BL57EXSの改良モデル」として販売していますが、メーカー純正の最上位機種BL57EXSよりも劣る部分があることは知っておく必要があります。
私は2021年12月ごろに購入を検討していましたが、販売店は機種を更新することを知らせてくれませんでした。「BL5700EXSは、白熱球であることに気づかなくて購入してしまいがっかり」というレビューを見て、BL57EXSを購入しましたが、あやうく売れ残りの古い性能の機種をつかまされるところでした。でも販売店は、自分の会社で発注した独自機種を売らなければならないので、悪い点をアピールしないのは当然です。
また、BL5700EXSの販売店は機能の更新が行われても、同じ品番のままで販売しています。そのため、楽天などでのBL5700EXSのレビュー数は、BL57EXSと比べてとても多いですが、このことからBL57EXSよりも売れているとは判断できません。レビュー日時まで確認すると古いレビューが多いことが分かると思います。
なお、どちらの機種も、メーカーによりネットでの販売価格の公開を禁止されている機種です。これに違反すると代理店契約を解除されてしまいます。消費者から問い合わせをして、価格を教えてもらう必要があります。そのため、amazonでは正規代理店による取り扱いはありません。楽天などで注文をするときは、注文の備考欄に「店員の〇〇さんから/問い合わせ番号〇〇で、販売価格〇〇円と教えてもらいました。」などと入力して注文すると、あとで注文額を訂正してくれる、という仕組みです。
ミシンは年々値上がりしていますが、私が2022年1月頃に問い合わせをしたところ、BL57EXSは7.8万円、BL5700EXSは8.0万円あたりが最安で、BL57EXSを購入しました。BL57EXSは、下位機種のBL501と同じ〜+5,000円という価格設定のお店が多かったです。
正規代理店(定価表示をして販売価格が非公開のネットショップ)に価格の問い合わせをすると、多くの場合は販売価格を公開している非正規のネットショップよりも安い価格を提示してくれますので、価格の問い合わせをするのがおすすめです。問い合わせは「BL57EXSの価格を教えてください。」という単文で十分です。お店もコピペをして返答をするだけですので。
この販売の仕方は、ジャノメやベビーロックのなどのミシンメーカーの悪い習慣です。ブラザーはこういう売り方をしないので好きです。
価格と機能を表で比較
BL5700EXSとBL57EXSの価格と機能を表で比較すると次のようになります。
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
外観 |
![]() |
![]() |
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
フットコントローラー | 1.5倍サイズ 2段階速度調整 |
コンパクトサイズ |
押さえ金の長さ | 長い |
短い
|
サイドカバー | 開かない |
開く
|
ニット用裾まつり押さえ |
付属
|
オプション |
共通機能 | 4本糸2本針 糸調子調整可能 針糸通し機能 ルーパー糸通し機能 安全装置 LED電球(MAX 2W) |
まとめ
ベビーロックの衣縫人BL5700EXSは、メーカー純正の最上位機種BL57EXSと下位機種のBL501との中間に位置する代理店独自機種です。
サイドカバーが開かなくしてありますが、2段階切り替え付きのフットコントローラーとニット用裾まつり押さえ、長い押さえ金が付属します。
一般的な方には、中の掃除がしやすく、カーブが縫いやすいBL57EXSがおすすめです。
なお、BL5700EXSは2021年以前の機種では白熱球がついていますので、中古を検討している方は注意しましょう。
以上、BL5700EXSとBL57EXSの4つの違い。でした。
参考
型番 | BL5700EXS | BL57EXS |
---|---|---|
外観 |
![]() |
![]() |
定価(2022年) 参考価格 |
198,000 円 8万円前後 |
192,500 円 8万円前後 |