熊本製粉のパン用米粉ミズホチカラを使って、増粘剤なしでパンを焼いてみましたので紹介します。
熊本製粉のミズホチカラは、デンプン損傷が少ない米粉です。
近年の研究によれば、低デンプン損傷度の米粉は製パン性に優れていることが示されています。
熊本製粉のレシピによると、小麦グルテンや、グアーガムなどの増粘剤、もち粉と水飴ののりや、ライスジュレなどを使わなくても米粉パンが膨らむそうです。
グルテンの代わりになるものが必要ないというのは、非常に驚きでしたので実際に米粉を購入して試してみました。
ミズホチカラとは
ミズホチカラは、「コシヒカリ」などと同様に米の品種の名前です。
インディカ米とジャポニカ米をかけあわせて生まれたミズホチカラは、九州などの暖地で作られており、単位面積当たりの収量が多い品種(高収量品種)のお米です。
アミロース含有量が約24%と高く、見た目に劣る粒も多いことから、そのままごはんとして食べるのには向いていません。
主に、製粉をしてから、ラーメンの麺や米粉、お菓子用に使われます。
そもそも米は小麦よりも固くて製粉しにくいとされていますが、比較的ミズホチカラは製粉の時にデンプン損傷が少なく、細かい粒子に挽きやすいのが特徴です。
パン用米粉
熊本製粉ではミズホチカラを米粉パン用に挽いた米粉を販売しています。
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熊本製粉によれば、この米粉の他には、砂糖・食塩・キャノーラ油・ドライイースト・水だけで、米粉パンができるということです。
低でんぷん損傷の米粉の製パン性が高いという研究はありますが、グルテンも増粘剤も糊化(α化)なしで、米粉パンができるというのは驚きです。
もともとミズホチカラが製粉しやすいという特徴はありますが、熊本製粉ではさらに水に浸してから粉砕するという特殊な方法で、製パンに向いた細かい粒子(2番)ながらも、低たんぱく損傷を実現しているそうです。
実際に焼いてみる
2kgの米粉をamazonで購入しました。
パナソニックのホームベーカリーSD-MDX101を使って、米粉のパッケージに記載のレシピ通りに作ります。
- 九州ミズホチカラ米粉280g
- 砂糖25g
- 食塩4g
- キャノーラ油10g
- インスタントドライイースト3 g (小1+1/8)
- 水230 g
水から先にいれます。
いきなり間違えて米粉から入れていたので一旦出しました。
米粉パンを作るのは人生初のことなのでお許しください。
水は一応5℃に冷やした水を入れています。ねかしの段階で発酵がすすみすぎなくて良いかもしれません。
次に米粉・砂糖・食塩を入れます。
最後にくぼみを作ってキャノーラ油(日清の普通のサラダ油)を入れます。
ドライイーストはイースト投入口にいれて、米粉パン(グルテンフリー)コースをスタートさせました。
生地をねっているところですが、生地はかなりゆるいです。
これは手でこねるのは大変かもしれません。
このままでは成形パンは難しそうですが、固めにつくった生地で外側を包むことで、丸いパンを作ることは可能だそう。
2時間ほどで焼き上がりまでいきました。
上部が割れていて膨らんでいることがわかります。
とても驚きです。ここ10年の米粉パン研究の成果と、それを量産に応用した熊本製粉は本当にすごいですね…。
米粉パンの側面です。
ローフ高さは13.5 cmでした。比容積は計算していません。
なお250 gの小麦粉を使ったフランスパンではローフ高さが13cmでした。
フランスパンより粉を1割、水を2割多く使って、フランスパンと同等のローフ高さということですから、膨らみは1~2割悪いということになりますが、十分パンと呼べるレベルではないでしょうか。
砂糖が多いこともあってか、側面の焼き色はよくついています。
米粉パンの上部です。
粗熱を取ってから、切って中をみてみました。
気泡はメレンゲのように非常に細かく、しっとりしています。
なおグルテン入りの普通の小麦食パンは次のような気泡です。
今回の米粉パンは、小麦パンと比べるとクラムが密になっています。
また切断面の様子からわかるように、パン粉がパラパラと散らずコロコロっと切断面にくっついていて、クラムの弾性が小さそうに見えます。
食べた感想
皮は硬いのですが、おせんべいのように脆いため、サクパリとした食感です。フランスパンの皮のように、噛み切りにくいというのとは異なる硬さです。
中は、まさにメレンゲのように、しっとりふわふわしています。
砂糖が多いためか、スイート食パンのような感じの味ですが、バターが入っておらず軽い口当たりのため、すいすい食べられてしまいました。
適正に発酵させて焼いたような小麦パンのような弾力はなく、噛み切りやすいです。
とても美味しく、これを毎日の朝食に取り入れることは可能だと思いました。
この米粉パンは、小麦パンと似ているかというと全く異なるものです。米粉パンのお店で作っているような、米粉パンと言われなければただのもちもちした小麦パンにしか思えないようなパンとも異なります。
しかし、小麦パンにもパン・ド・ミや、フランスパン、クロワッサン、湯種製法のパンなど様々な口当たりのパンがあるように、これはこれで一つのパンの種類として認められるレベルのパンになっています。
小麦も牛乳も含まないパンがつくれますので、離乳食のパン粥の代わりに米粉パン粥としてもよいのではないかと思っています。
まとめ
熊本製粉のパン用米粉を使って、グルテンフリーかつ、増粘剤・α化もなしで米粉パンを焼いてみました。
米粉パンを作るのは初めてでしたが、ちゃんとパンになっていて、メレンゲのようにしっとりふわふわで美味しいパンでした。
米粉パンが膨らまなくて困っているという方にも、おすすめの米粉です。
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以上、熊本製粉のミズホチカラで、増粘剤も糊化もなしで米粉パンを焼く。[グルテンフリー]でした。